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スタンピード

代千代よちよみなみです。

ご訪問有り難うございます。


【クズ】と呼ばれる冒険者とそれを取り巻く

可愛い嫁達の物語。

R15でちょっとHでほんのりグロい案件です。


楽しんで頂ければ幸いです。



土曜日─22:00

投稿!


ペーぺーですのでその前の時間帯に手動投稿しています。表示時間には投稿されております。








「おい。この辺りの魔物は粗方狩り尽くしたよな」

「ああ。間違いない」


A級冒険者のザムドはパーティーメンバーのジェイに聞いた。ザムドは33歳。剣士。

突出した特技はないが、剣の腕を地道に磨いてきた。

そして20歳のジェイは弟子。

真面目な剣士だ。

腕は人並み。ただ堅実だから生き延びた。

師匠と弟子の関係ながらパーティーを組んでいる。


「でもなんだか嫌な予感がするわ」


もう一人の仲間はリン。17歳。魔術師でジェイの幼馴染。

こちらは才能があり、後数年もすれば立派な魔導師に成れるだろう。

今は前衛で剣士二人、後方にリンが控えている。


冒険者ギルドからの依頼で十組程のパーティーで増えすぎた森の魔物を間引いている。

参加報酬も貰える上に、獲得した魔物の身元の牙や爪、毛皮等はそれぞれのパーティーの取り分になる割のいい仕事だ。


今回は余り森の奥まで入らずに、人里近くの森の魔物を重点的に狩っていた。


目に見えて魔物は減り、そろそろ潮時だろう。


─ぎゃーーー!


まさに引き上げようとしたその時、森の奥の方から悲鳴が聞こえた。

声のする方を振り返れば、信じられない物を見た。


森の木々の合間から、魔獣の群れが押し寄せて来る。

その後ろにはヒトガタの魔物もひしめいている



─スタンピード!!!



魔物の大量発生だ。

原因は良く分かっていない。

高濃度の魔力溜まりが何らかの要因で発生し、そこから大量の魔物が発生する現象だと言われている。

魔界とのゲートが開いたという説もある。


そんな事よりここでザムドがパーティーへ告げる言葉は一つしかない


「脇目も振らず逃げろ!」


そう叫ぶな否やリーダーのザムドが真っ先に逃げだした


「ちょっ!置いていかないでよ」


魔術師の赤毛の少女リンが、ザムドに悪態を付きながらも間髪入れずに駆け出した。

スタンピードなんて最早冒険者にどうこう出来るレベルは越えている。

近くの拠点の街も最悪滅ぶかもしれない


ザムドらは必死に逃げる。

幾つかのパーティーは逃げ遅れて魔物の餌食になった。

リンが後ろを振り返る。

もう間近に迫っている。

魔獣の血走った顔がハッキリ見える

リンの脚力じゃ到底逃げきれない


「私が時間を稼ぐ!あんたらは先に逃げて!

街へ行ったら妹達を宜しく!」

「リン!早まるな」


「いいから行くぞジェイ!

アイツの覚悟を無駄にするな!

リンの妹達は誰が守るんだ!」


渋るジェイの首根っこを抑えて、ザムドは発破をかける


─クソ!


ジェイはリンの後ろ姿を一瞥すると、幼馴染一人守れない自分を恥じた。

ここは生き残ってリンの妹達を助けるのが、ジェイの役割。分かっちゃいるけどやりきれない。


リンは立ちはだかり詠唱を始めた。

どうせ一発しか魔法は放てない。

だから全魔力を込めて範囲魔法をぶっ放す!


「火の女神ファリアスよ!灼熱の吐息を持ちて猛炎となれ!ファイアーストーム!!!!!」


空中に光の魔方陣が複数展開される。

目の前に炎の嵐が吹き荒れ、多くの魔物を焼き殺す


「あーぁ。食われちゃうのかー」


魔力切れを起こしたリンはその場にへたり込んだ。

未だ燃え盛る炎を抜け、幾匹もの魔獣がリンに襲い来る


「ミム。レナ。ごめんね。

姉ちゃん先に逝くね」


リンは最期の痛みを覚悟して身構え、目を閉じた



「かべ」



抑揚のない呟きと共に衝撃音!

魔獣の悲鳴が響き渡る。

リンは来るはずの死の痛みがなく、恐る恐る目をあけた


─え?何これ


高さ三メートル幅百メートル程の半透明な壁が出現し、魔獣や魔物が壁にぶつかり仲間に潰され圧死している。


そしてリンの目の前には白い服を着た15歳位の少女がいた。ワンピースのような服でスカートの両サイドにはスリットが入り、見事な脚線美をさらけ出している


「だいじょうぶ?けがない?いきてる?」


こちらを向く少女はボー読みでリンの安否確認をする。


「は。はい。何とか生きてるみたいです。

助けてくれてありがとう」

「ん」


脱力気味に返事をした少女は絹糸のような白い髪にピンクの瞳をしていた。

目の覚めるような美少女だ


「シロエ。良くやった。

おーい!クロ。イチ。突っ込め」


後ろからやる気のない男の声がきこえてきた


「マスタ。もり。もえるけど。ぶちかまして。イイ?」

「やれ。後でルルワとフェアリエルが何とかする」


リンの後ろから黒髪の少女が駆け抜けて、そのまま半透明の壁に飛び乗った。

白い少女をそのまま黒くした感じ。

黒いワンピースから白魚のような足が覗いている。

黒い少女は両手を開いて胸の前で交差した


「エンリュウ×(かけ)ジュウ」


広げた両手の10本の指先全てに炎が灯った

指先の炎は広範囲の魔物に飛んでいく、地面や魔物に触れた瞬間


ゴーーーー


という轟音と共に炎の竜が10体も出現し、ウネウネと動きながら次々と魔物を飲み込み焼き殺している


─うっそ!!!!


無詠唱で放たれた魔法も信じられないが、あの炎竜は炎系魔法の最高難易度だ。それを10体も……


─えっ?何あれ?


空の上をコウモリの翼を生やした女の子が飛んでいる。

気のせいだろうか?頭に羊の角が生えている。

黒づくめのレザー服。

ホットパンツに網タイツ。

ガーターベルト。

髪も黒く、瞳は血のように赤い。


─悪魔!!!


リンは戦慄した。


少女の悪魔は壁の向こうに降り立つと



「えっと……眷属召喚……してみた」



漸く聞き取れる呟きを洩らす。


地面のあちこちに黒い渦巻きが出来て、そこから魔獣が現れる。青い炎が揺らいでいるような狼の魔獣だ。


それが百匹もいるだろうか?



「えっと……こいつら……殺していいよ」



悪魔の少女の目が真紅に染まり、青い狼は魔獣に襲い掛かった!













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