プロローグ9 終わり
と、魔王倒すと決め、気づけば数年後。
強くなった俺とライカは遂に魔王を倒すことが出来たのだ。
師匠、やりました。
俺達、やっと師匠の敵を討つことに成功しました!
そう言えば師匠が死んだのも丁度10年前位だったな。
で、今俺らは中央国とかいう、手抜き感溢れる国にやって来てます。
魔王を倒したことにより、この国の王から報酬が出るらしい。
「勇者太郎と、賢者ライカ。よくこの世界を魔王の手から救ってくれた。褒美として、100枚の金貨をそなたらに与えよう!」
この人何で上から目線なの?
まあいい。ちなみに金貨と言うのは、この国のお金らしい。
だいたい・・・1金貨でパンが一年分買える・・・らしい。
良く分からんが。
しかし、今の俺にとってこの報酬は有難い。
なんせ今、訳あって金欠で悩んでたのだ。
と、言っても元々そんなお金持ってなかったのだが。
・・・
それが終わると、宴会的な物が開かれた。
大量の美味しそうなご飯が並んでいたのだが、遂に30超えた俺には厳しい物がある。
もっと若かったらたくさん食えたのかもしれないな。
「タロさん。この料理、美味しいですよ、食べないのですか?」
と・・・思ったが、こんな身近に30超えたのに沢山食える奴がいたな。
「後で食べる。」
「あ、そうなのね。じゃあ私はもうちょっと食べてくるので。」
ライカ・・・そう言えば魔王倒す旅の中で性格も少し変わったな。
ちょっと図々しい感じになったな・・・
・・・
宴会も終わりが近づいた今、俺とライカはベランダにいた。
空は気づけばすっかり暗くなり、星々が輝いていた。
それと同時に俺はとても緊張していた。
「星、綺麗だね。」
・・・シチュエーション的ににはもう今が最高。
やるなら今しか無い。
それにしても凄い緊張だ・・・こんな緊張したの会社の面接以来だ。
「そうだね。」
でも・・・大丈夫なのかな・・・もし・・・
いや・・・もうアレも買った。後戻りはできない。
「なあ、一ついい?」
俺は彼女に隠れて買ったアレを出す準備をした。
もう覚悟は決まった。俺のすべてをあいつにぶつける!
「何?」
・・・
「俺と・・・結婚して下さい!」
俺は買った指輪を出し、頭を下げた。
そしてほんの僅かの時間が流れた。
多分1~2秒位だと思うが、俺は10秒位経った気分だった。
そして気づけばライカが泣いていた。
「ありがとう・・・これ・・・高かったんじゃ・・・」
「ああ、大体金貨5枚位だった。」
これを買うために今までの貯金を全て崩したんだよな・・・
「ありがとう・・・私のためにここまでしてくれるなんて・・・初めて・・・」
これって・・・やったのか?
「こちらこそ・・・お願いします。」
ライカは指輪を箱から抜き、自分の指に付けた。
と、言うことで・・・俺の結婚大作戦、大成功!
名前ダサいとか言わない。
・・・と、言うことで、俺とライカは永遠に幸せに暮らす・・・
ことは叶わなかったのである。
プロローグ、これで終わりです。
次回からやっと雷姉妹が出てきます。