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第2次盗賊掃討作戦

1、参加者募集


 大広間でくつろいでいると、ライティスが帰ってきてなにやら紙を貼っていた。

「なんの紙ですか?」

 気になったのと暇だったのとで聞いてみた。

「ん、これか? 盗賊退治の人員募集だそうだ」

「盗賊って、例のロベルト盗賊団?」

「なんでも近くの盗賊団と合流して勢力が増してるそうだ。過去にセントビアの者が

 討伐隊を派遣したが結果は痛み分けだったそうだ」

「なるほど。それで各地に御触れが出てると言うわけか」

 ライティスはそれに頷くと新たな情報集めをするために再び外出した。


 しばらくして卯月が御触れを見ていた。

 真剣な様子で内容を確認した後、ガーラを呼んで何事か話していた。

 そういえば二人とも件の盗賊団とは浅からぬ因縁があったな。

 一応声をかけとくか。

「ねえ卯月、ガーラ」

「なに?」「なんだ?」

「二人とも、これに参加するのよね?」

「もちろん。今度は前回みたいにおくれを取ったりしないわ」

「私も、母さんの仇を取りたい」

「うん。二人とも、無茶はしないでね」

「「分かった」」

 卯月は実力も申し分ないからほとんど不安はないけど、ガーラは無茶しそうだったから伝えておきたかった。




2、出発


 卯月とガーラが出発する日、いつもの鍛錬のメンバーがゲートの前まで見送りをした。

「卯月、お前はいつも通りで大丈夫だ。ガーラ、お前は実力に合った動きを心がけろ。

 そうすれば十分活躍の場はあるはずだ」

「「はい!」」

 ディアーのアドバイスに二人が頷く。

 二人はセントビアへと向かったのだった。




3、4人で鍛錬


 翌日、鍛錬は4人で行われた。

 みんないつも通り過ごしている。

 でも、どこか落ち着かない様子も感じ取れた。きっと二人のことを心配しているのだろう。

 ちなみに私とフェイはいつも通り、エンジとイールはお互いパートナーがいないので一緒に組んで鍛錬を行った。




4、帰還


 夕方、鍛錬を終えて帰ってくると、そこには卯月とガーラの姿があった。

「あれ、二人とも早いね?」

 思わず声をかける。

「アメジスさんも来てくれて、一人でロベルト盗賊団員と別の盗賊団の首領のホスキンを 倒していたわ。あれは正に鬼神の如き活躍だったわね」

「そう言う卯月も残ったロベルト盗賊団員とロベルトを倒していたじゃない」

「私一人じゃ無理だったわ。でも、ガーラが支援魔法で混合軍の実力を底上げして

 くれたからよ」

「そう言ってくれると助かる。支援しかしてなくて不安だったんだ」

 なにやらお互いを褒め称えあってるぞ。

「なにはともあれ無事で良かったな」

 ディアーが二人を笑顔で迎える。

「ディアー」

「ん、なんだ、卯月?」

「これ、ロベルトを倒したからって報奨金をもらったんですけど。ディアーが鍛えて

 くれなかったらこんなに活躍できなかったと思うの。だから、これはディアーにあげる」

「ふむ。そういうことならもらっとくか」

 あれ?

 ディアーならいつもならこういうのはもらわずに本人に使わせるのに。

 どうしたんだろう。

「そんじゃあ明日は特別に鍛錬は休みな。ハウト、フェイ。お前らでささやかながら

 祝勝会でも開いてやれ」

「ディアーはなにするの?」

「ちょっと用事があってな」

 これはなにか隠しているな。

 まあ気にするほどのことでもないか。




後日談


 ディアーは今アングリアの鍛冶師のもとにいた。

「この金額で双剣を作ってほしい」

「おいおい、こんな大金どこで手に入れたんだよ」

「ちょっと、な」

「ま、いいだろう。こんだけあれば良いのが作れそうだ」

「そいつぁなによりだ」


 数週間後、ディアーは完成した双剣を卯月にプレゼントしたのだった。



今回はあくまでハウトの視点で描かれています。この作戦の現場での様子は別の機会に書いてみたいと思ってます。

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