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ハウトの恋心(後編)

1、恋の相談パート2


 私はリンカさんが洗い物を終えたところで声をかけた。

「あの、リンカさん」

「ん、なあに?」

「ちょっと相談したいことがあるんですけど」

「ええ、いいわよ。ここでいいかしら?」

 辺りを見渡すと、修行メンバーは誰もいないようだ。

「はい、大丈夫です」

 そう答えて椅子に腰掛ける。リンカさんは対面側に座った。

「それで、相談ってなあに?」

「あの、えーと……。私、フェイのこと……」

「あら、とうとう好きになっちゃったのかしら?」

「え!? と言うか、とうとうって……」

「だっていつも一緒にいるんだもの。そのうち恋愛に発展するんじゃないかなあ、と

 思ってましたよ」

「そうだったんですか」

 リンカさんはすでにこうなることを予想済みだったのか。すごいな。

「それで、告白はもうしたの?」

「ふえ!? こ、こ、こく、告白!?」

「あらあら、その様子だとまだみたいね」

 なんかさっきからリンカさんの手の上で踊らされているような気がする……。

「こ、告白は……まだ……ですね」

「ダメよ、ドンドン攻めないと。この領の男の人たちはみんな恋愛事に疎い人たちばかり

 だから、女の子から攻めていかないと。レインちゃんももっと攻めた方が良いと

 思うのよね。でもあの子、ああ見えて奥手だから」

 なんかレインさんの恋愛事情が垣間見ることができたけど、聞いて良かったのだろうか?

 それにしても、ドンドン攻める、か。

 そういえば、リースはとても積極的だったな。あんな風に……。

「あら、ハウトちゃん。顔、真っ赤よ」

「え!? いや、これはフェイに積極的なところを妄想してたわけではなく――」

「うふふ、良いのよそれで。後はそれを実行するのみね!」

「いや、でも、こういうのは恋人同士になってからで……。まずは、こ、告白しなきゃ」

「そう、その意気よ!」

「リンカさん、ありがとうございます。明日、チャレンジしてみます」

「どういたしまして。頑張ってね!」

「はい!」

 明日はちゃんと言えるといいな。




2、告白


 翌日。鍛錬は前回同様あまり身が入らなかったがディアーは察してくれたのか、あまり深く追求してこなかった。

 そして、鍛錬が終わった後、私はフェイに声をかけた。

「ねえフェイ」

「なんだ?」

「この後、時間ある?」

「ああ、別に構わんぞ」

「じゃあ、ちょっとだけ、一緒に海岸にいて……」

「ん、まあいいぞ」

 みんながいなくなった頃、私は高鳴る鼓動を抑えながらフェイと向き合う。

「あ、あの!」

「うん?」

「私、フェイのことが。フェイのことが……」

 頑張れ!

 頑張れ私!

 大きく息を吸う。

「フェイのことが好きです! だから、私の恋人になってください!」

「な!?」

 言えた!

 フェイは? なんか、難しい顔してる?

「俺は、お前のこと、頼れる相棒とは思ってるけど。いや、その、好きじゃないとかじゃ

 なくて。あーちくしょー」

「フェイ!」

「はい!?」

 ここだ!

 ここで、アドバイス通り攻めなきゃ!

 きっとあと一歩だ!

「私、フェイのことが好き! もうこの気持ち、抑えられない。鍛錬する時も

 一緒じゃないと上手くいかない。ううん。鍛錬以外も、買い物も、それ以外も!

 全部全部、フェイと一緒にいたい!」

「ハウト……」

 きっと、時間にしては数秒だったんだろうが、私にとっては永遠のように感じた。

 大丈夫。私のできることはやった。後は、フェイの返事は……。

「ハウト」

「うん」

「本当に、俺でいいのか?」

「うん。じゃあ!」

「ああ、ハウトの、その……恋人に、なってもいいぞ」

 その言葉を聞いた瞬間、私は今までで見せたことがないくらい嬉しい笑顔になっていただろう。

 こうして、私はフェイの恋人、彼女になることができたのだった。




3、変わらぬ日々、変わった想い


 翌日。鍛錬中のこと。

「フェイ、一緒に乱取りしましょう」

「おう、いいぜ」

 いつもと同じ鍛錬の風景。だけど、私とフェイの気持ちは以前よりも確実に縮まっていた。

「いやー、二人ともめでたしめでたしだねえ」

「まあ遅かれ早かれこうなってたよね」

「うんうん」

 エンジと卯月がなにか話している。

「むー……」

「どうした、リース」

 ガーラがリースに問いかける。

「私は恋愛対象にされなかったのに、すぐにくっついちゃうのがなんか悔しくてさー」

「そうか。リースもフェイのことを……」

「ま、親友同士仲良くやってるなら、私は別に気にしませんよーだ」

 ガーラはこのときすごく気にしてるんだろうな、と思っていたそう。

 それぞれの想いを胸に、明日へと続く。



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