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ウォータープラネット  作者: Naoko
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あとがき

 皆様、ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。

この話は、半年ほど前に、「青い水の惑星と、それを取り囲む数機の人工衛星」 と言う映像が頭に浮かび、

それが忘れられず、小説に発展させた話です。

惑星と人工衛星ですので、SFの話にしました。


 半年の間に、少しずつ書き溜め、番外編を入れて20話ほど書いた後、小説家になろうに載せました。

1話1話をもっと短くしては、との友人のすすめもあり、1話目を三つに分けて一度に載せました。

すると、初日から読んでくださる方がいて、とても驚きました。

私は初心者ですし、最初の1週間で1人でも定期購読者ができればいいな、ぐらいにしか思っていなかったからです。

それで、読んで下さっている方たちのためにも、しっかり書こうと思い、そうしている内に、話が長くなったり、55話に増えたりしてしまいました。



 この物語は、宇宙植民地時代に、アメリカ大陸へ進出した開拓者のような家族の話が発端となっています。

その家族の生活が安定したころ、一人娘のフィリアが病気になってしまいます。

両親が娘の病気を治そうと必死になっている最中に、家族は事件に巻き込まれ、娘は誘拐されてしまいます。

両親は娘を取り返したものの、社会情勢が安定しない中、娘を冷凍睡眠させ、将来に希望を託すことにしました。

時が過ぎ、ヴェラムやそれぞれのシステムが、フィリアを守るため、独自の行動を取るようになります。

途中で、ウォータープラネットへ無理に侵入しようとする事件も起こり、アプローズが監視役としてヴェラムへ忍び込んだりもしました。


 そうした中、ニキたちがヴェラムへやって来るところで、この話が始まります。

メンバーの一人一人は、様々の思惑でお互いを探り合っている内に、忘れ去られていたフィリアに会い、彼女を救うために動き出す。

それが、この「ウォータープラネット」のお話です。

ですから、水の惑星でなくなった時点で、おしまいになります。



 番外編は、元々書かれていたものを載せただけで、事件の背景を補足説明しています。

さらに、これから先に起こることも予測させています。


 「フィリア」という名前は、ギリシャ語の「友愛」から取りました。

ギリシャ語の愛には、他にも、ストルゲー、エロス、アガペーがあります。

愛を感じられる話になればいいなと思っています。


 それから、42話の「亜麻色の髪の乙女」は、ドッビシーの曲を思いながら書きました。

ドビッシーは、ルコン・ド・リールの古代詩集の中のスコットランドの歌からこの曲を作ったと言われています。

スコットランドの夏は、最低気温が10度までに下がるのだそうです。

私の住んでいる土地の夏もそのように寒い日があり、この曲の感じをフィリアに当てはめて書きました。


 冷たい朝、北の夏の太陽が上がると共に、高い空でひばりが歌いながら消えていくのです。

フィリアは、その曲とその詩のように、清らかで、はかなくて、悲しいのです。

そして、その曲が終わると、フィリアは目覚め、復活していきます。



 私が書きたかったSFとは、

SFを知らない方、そして、小学生から年配の方たちまでが、楽しんで読めるSF小説でした。


 私は、アメリカに住んでいますが、こちらでは、SFは一般によく親しまれています。

中には、文学的作品もあります。

H・G・ウエルズの「タイムマシン」(1895)などは有名ですね。


 最近は、日本とアメリカは近くなってきました。

それでも、私は、こちらにに長く住んでいるので、日本のSF事情は知りません。

おまけに、最近のSF小説も良く知りません。

小説になろうに、自分のSF小説を載せ始め、すぐに私の考えは無謀だと分かり、その難しさに閉口しました。


 おまけに、日本の方々に、私が「SF小説を書いている」と伝えたところ、違和感があったらしく、敬遠されてしまいました。

それで、もしかして自分は、場違いのことをしているのではと、戸惑ったりもしました。


 それでも、私は、楽しみながら「ウォータープラネット」を書けたと思います。



 私は、かなり前に、スターウォーズの一作目を、当時60歳代だった祖母と共に、映画館へ見に行ったことがあります。

もう、ブームは過ぎていて、平日の昼間でもあり、映画館の中は聴衆もまばらでした。


 ところが、SF映画を見たことも、SF小説を読んだことも無い、

しかも、小笠原流の礼儀作法を仕込まれた祖母が、

両手で前の席の背もたれを掴み、身を乗り出してこの映画を見ているのです。


 あまりにも、興味深そうに見ているので、映画が終わった後で、

「もう一度、見てみる?」

と聞くと、祖母はうなずきます。

それで、そのまま続けて2度も見てしまいました。


 ですから私は、そんなSF小説を書いてみたいなどと、とてつもなくハードルの高いことを、簡単に考えてしまったのです。

とは言うものの、そんな身の程知らずの思いがなければ、この小説を書くことは無かったでしょう。


 なぜなら、私は、あの時の祖母の感動が、未だに忘れられないからです。

私と祖母は、仲良しでした。

祖母は、もう亡くなってしまいましたが、この時のことは、たくさんの思い出の一つとして私の心に残っています。


 私が書いた「ウォータープラネット」は、私の目標の近くにさえいないでしょう。

それでも、一人でも良いので、そんな風に読んでいただけたら、と密かに願っています。

この小説は、私の祖母への送り物のようなものなのです。


 祖母は、私が幼い頃、ベッドタイムストーリーをよく話してくれました。

不思議な話が多かったです。

祖母は、恵まれた家に生まれ、4人兄弟の末娘のはねっかえりでした。

そして、幼い時に父親を亡くし、男爵家に預けられ、その後も変わった人生を歩んだ人でした。



 この小説を書くにあたり、読者の一人で、感想やまた個人的にも提案を送ってくださったシュリンケルさんに感謝します。

(シュリンケルさんて? と思われる方のために、シュリンケルさんのページを下記にご紹介します。)

http://mypage.syosetu.com/108209/


 今、私は、いただいた小説への感想や提案に従って、読み直し、書き直しもしています。

そうして、少しでも、自分の目標に近付けたら、と思っています。

シュリンケルさん、本当にありがとうございました。


 そして最後にもう一度、この小説を読んでくださった、たくさんの方々に、心より感謝します。

ありがとうございました。



なおこ


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