婚約破棄したら浮気王子がスライムになりましたが、むしろ理想の婚約者です
「エレノア・アシュフォード! 貴様との婚約は破棄する!」
王立学院の卒業記念パーティーで、レオナルト殿下は突然そう宣言した。
その隣には、聖女リリアーナが立っている。
「はあ、そうですか」
場違いな暴挙に会場はざわめくが、私はやる気のない返事をかえしただけだった。
そんな私の姿に苛立ったのか、レオナルト殿下は声を荒げる。
「なんだ、その反応は!! 大体、お前は可愛げがないんだよ。リリアーナを見習え!」
「リリアーナ様を見習う?」
私はゆったりと首を傾げながら、殿下に縋りついている聖女を見つめた。
薄い桃色のカールした髪は、何とも可愛らしく儚げな雰囲気を醸し出している。
しかし、その女の実態は、王立学園に通う者であれば皆よく知っていた。
「それは、顔のいい男と見れば誰彼構わず愛想を振りまき、学内でも不純異性交遊を繰り返し、学業は講師を色仕掛けで篭絡して誤魔化す……ということですか?」
「なんてこと言うんだ!! ……って、誰彼構わず愛想を? ええっ!?」
殿下は抗議するように大声をあげたが、私の言葉に引っかかりを覚えたらしい。
彼に驚いたように見つめられて、リリアーナも声を荒げた。
「ちょっと! いい加減なこと言わないでよ、この地味女!! モテない女の嫉妬は見苦しいわよ!!」
「身分もわきまえず、そもそも人としての礼儀がなっていない態度も追加ですわね」
私が表情一つ動かさずに淡々と告げると、リリアーナははしたなく地団太を踏む。
「きいいいーっ! なによ! 公爵令嬢より、聖女の方が偉いのよ。あんた知らないの!? それに私は、殿下の妻になる女――未来の王女なんですから!!」
「……話になりませんわね」
だんだん相手するのも面倒になってきた。
私は大きく溜息をつくと、呆れたように殿下と聖女を見つめる。
「では、婚約を破棄いたしましょうか。レオナルト殿下、本当に宜しいのですね?」
私の返答に、殿下は表情を明るくした。
経緯はどうであれ、自分の望みが叶ったのが嬉しいのだろう。
「おおっ、ついに観念したか。勿論だ、お前みたいな冷たい女とは、今日でおさらばだ!!」
「やったわ、レオナルト様。これで私たちは結ばれるのね!」
声を弾ませる眼前の二人に、私は静かに頷いた。
「わかりました。婚約破棄を受け入れますわ」
私が宣言した瞬間、会場内が大きな光に包まれた。
そして――、
――ぷるるんっ。
先程まで聖女の傍で意気揚々としていたレオナルト殿下は、青くてツヤツヤした手のひらサイズのスライムへと変化した。
◇ ◇ ◇
殿下がスライムへと変化した瞬間、卒業記念パーティー会場の空気は凍り付いた。
あまりにナンセンスな状況に、誰もがこれは夢ではないかと現実逃避した。
その意識を引き戻したのは、聖女リリアーナのけたたましい悲鳴だ。
「いやああああっ、レオナルト殿下ぁああっ!?」
「ぷるるん」
「ちょっと、人語を忘れたの! 困るわよ! どうすんのよ、私と結婚するんでしょアンタ!!」
「ぷるる……」
リリアーナの剣幕に、レオナルト殿下――だった小型スライムは、怯えたようにぽよぽと後ずさった。
「一体、どうなってんの!? エレノア、アンタが何かしたんでしょ!!」
リリアーナに睨みつけられたが、残念ながら私に思い当たる節はない。
思案気に目を伏せた後、私は彼女へと告げた。
「私は何もしておりません。ですが、強いて言えば……」
「ごくり」
「天罰ではないですかね?」
「ふっざけんじゃないわよおおおぉぉ!!」
再び怒鳴りだすリリアーナに、ついにスライムは逃げ出した。
ぷるぷる、ぽよぽよ、私の足元へと飛び跳ねてきて、リリアーナから身を隠すように留まった。
「まあ、なかなか可愛いではないですか」
私はその姿に、思わず少しときめいてしまった。
元があの馬鹿王子であることは癪だが、このスライムは愛らしい。
そんな中、周りの人だかりをかき分けて、騒ぎの中心まで背の高い黒ローブ姿の男が辿り着いた。
王立学園の講師も務める、宮廷魔術師のネイサンだ。
「これはまた、珍しい現象ですねぇ」
「ネイサン先生。一体、殿下に何が起きているんですか?」
「何らかの加護の暴発でしょう。詳しく調べてみないと分かりませんが……。少なくとも、殿下の自我は、スライムとしての本能に置き換わってしまっているようです」
「あらあら、それはそれは」
私は足元のスライムを、掌の上にすくいあげてから頷いた。
「……以前より、扱いやすいですわね」
にっこり微笑む私の元に、王子の世話係であるセバスチャンが駆けつけてきた。
「え、エレノア様! なんということを仰るのです!!」
「だって、そうではありませんか。貴方も殿下の身勝手には手を焼いていたでしょう?」
「はっ、はあ、それはそうですが」
「良いですか、皆さん。よくお考えになって?」
私はセバスチャンだけでなく周囲にもプレゼンするように、事態を見守る貴族や学生たちへ向き直った。
「まず、このスライムちゃんは静かですわ。喧しい声で、ギャーギャー喚きませんの」
私は皆に向かって、スライムを乗せた掌を高く掲げた。
「ぷるるんっ」
かつてのレオナルト殿下は、口を開けば自慢話や我儘な要求を騒ぎ立てていた。
しかし今、スライムは涼やかにぽよぽよと揺蕩っているだけだ。
「た、確かに……」
私は見逃さなかった。
いつも王子の世話で心労が重なっていたセバスチャンが、ぽつりと救われたように呟いたことを。
「それに面倒な屁理屈で口答えもしませんわ。あれ、ストレスでしたのよ」
私は畳みかけるように続けた。
「こちらが何度、王としての振る舞いを説いても、チャランポランな言い訳ばかり!!」
「エレノア様! 相手は王子ですよ、王子!!」
セバスチャンが慌てたように叫ぶが、私は負けなかった。
というか、普通に積年のストレスが思い出されて、怒りが収まらなかった。
「王子だからです! 私は陛下より、将来の王を支える者として、殿下を導くように仰せつかっておりましたわ。それなのに、あんのボンクラぁ……!!」
「エレノア様! 落ち着いてください! 駄目な顔してます。外で見せちゃ駄目な顔してます!!」
「あら、ごめんあそばせ?」
私はこほんと咳払いをする。
気を取り直すと、もっとも大切なスライム化のメリットを口にした。
「あとは何より、浮気をしないこと。ころっとその辺の女に引っかかるなんて、未来の王失格ですもの」
私はじとりと聖女リリアーナを見つめた。
「その辺の女って何よ!!」
抗議するように、ズカズカと大きな足音を立ててリリアーナが近づいてくる。
その姿に、スライムは飛び上がって震えた。
「ぷる……、ぽよ……、ぷるる……」
その姿は泣いているようで、哀れを誘う。
「おい、聖女様が、スライム殿下を虐めているぞ」
「あんなに声を張り上げて、怖いですわぁ」
周囲のひそひそとした会話に、リリアーナは顔をひきつらせた。
「えっ、ちょっと!? 私は、ただ、愛する王子のために――!!」
リリアーナがスライムを指さす。
その姿に、スライムは威嚇するように頭の当たりをとげとげさせた。
「ぽよよ!」
勿論、スライムなので、とげとげに触ってもぷるぷる気持ちがいいだけだ。
ただし意思表示はこれで、はっきりとなされた。
「嫌われていますわね、リリアーナ様」
私が呟くと、リリアーナは桃色の長い髪をかきむしった。
「むきいいっ、なんかムカつくううっ!!」
そんな聖女を放置して、私は他にもスライムの良い所がないか思案する。
「他には……そうですわね。食費が安いですわ!」
私は魔物学の授業を思い出した。明るい声で、ネイサン先生へ同意を求める。
「スライムの餌は、確かパンくずで良いのでしたわよね、ネイサン先生」
「そうですねぇ。一般的には、パンくずひとかけで一日過ごせます」
うんうんと頷く先生へ、私はにっこりと笑った。
「ほら!! コスパ最強ですわ!!」
「エレノア様!! 繰り返しますが、王子です。相手は、王子です!!」
セバスチャンが叫んでいたが、私は気にしないことにした。
「そして最後に何より――」
私はプレゼンの締めくくりとばかりに、大きな声で宣言する。
「スライムちゃんは可愛いですわ!! 可愛いは正義! いるだけで癒し効果あり! これだけで、元のレオナルト殿下より100倍は国に貢献していますわ!!」
私の言葉に、会場が一瞬、静まり返った。
伯爵夫人はぽかんと口を開け、学生たちはお互いに顔を見合わせる。
そして少しの間をおいて、わあっと拍手が巻き起こった。
「そうだそうだ!」
「確かに!!」
それは、皆の気持ちが一つになった瞬間だった。
(うすうす、勘付いてはいましたが)
私は拍手の渦の中で、ぼんやりを天井を仰いだ。
(殿下、どれだけ嫌われていたのかしら……)
――まあ、良いか。
私は深く考えることを止めた。
「さて、これで満場一致で、皆さまの同意が得られましたわね。私はこのスライムちゃんと、国を治めていくことに――」
「待ったあああああっ!!!!」
まとめに入りかけたのに、しぶとく食らいつきてきたのは聖女リリアーナだ。
正直、そのガッツだけは素晴らしいと思う。
元の殿下よりも、よほどやる気に満ちあふれている。
「なんですか。リリアーナ様」
「いやいやいや! 常識的に考えて、スライムと国を治めるなんて無理でしょ!?」
「でも貴女、そのスライムと婚約しようとしてたじゃないですか」
「そ、それはそうだけどぉ! 私は聖女だから良いの!! そもそも、アンタは殿下と婚約破棄して、もう国を治める立場ではないはずでしょ!!」
「まあ……!」
私はリリアーナのあまりに世間知らずな発言に、口元に手を当てた。
「御存じありませんの? アシュフォード公爵家は、代々、国を堅実に支えてきた実績がありますわ。そして私は幼少の頃より、陛下には特別目をかけて頂いていますの」
「なんですって!? まさか、アンタ、陛下を誑かして――!」
「貴女と一緒にしないでくださいっ! 真摯に学び努力した結果のことです。そもそも、レオナルト殿下が王位を継承する条件の一つが、私と結婚することでしたのよ?」
「え、えええっ!?」
「つまり、婚約破棄した今、レオナルト殿下と結婚しても王女にはなれません」
「嘘でしょ??」
リリアーナが取り乱しながら周囲へ視線を投げる。
彼女へ向けられるのは、呆れ、嘲笑、軽蔑の眼差しばかりだ。
私が陛下と交わした約束は、公式に発表されていたものではない。
しかし、ある程度の宮廷事情を学んだものであれば、誰もが知っていることだった。
「でも、でもでもっ、公務はどうするのよ! あるでしょ、書類とか、式典とか!」
「元から全部私がやっておりました。何の問題もございません!!」
私は少しだけ怒りを込めて叫んだ。
その剣幕に、リリアーナはびくっと肩を跳ねさせた。
「くだらない殿下の邪魔が入らないだけ、むしろ効率は上がるはずです!!」
「ぷる……、ぷる、ぽよ……」
かつての自分が責められていると感じて、手の上のスライムがしょんぼりしている。
私はその子を慰めるように、ぽよぽよ頭を撫でた。
「ふふ、良いのです。もう、良いのですよ。貴方とレオナルト殿下は、別物として考えますので――」
「ぽよよっ!」
私の言葉にスライムちゃんは元気を取り戻し、嬉しそうに飛び跳ねた。
「くっ、許せない。もう少しで王位も手に入ると思ったのに」
もはや打つ手がないと感じたリリアーナは、最後の暴挙に出た。
「アンタなんか……、アンタなんか――!!!!」
それは自棄としか言えない行動だった。
彼女は近くにあるワイングラスを手に取ると、私のドレスにバシャリと浴びせかける。
「きゃあ!?」
予想外の行動に、私は避けることができなかった。
薄水色の式典ドレスが、ワインの赤色に醜く染まっていく。
「なんてことするの!」
私は思わず声をあげた。
ただドレスが汚れただけであれば、相手の無礼さに憤りは覚えるが、まだ我慢できる。
しかしこのドレスは、両親が今日のために時間をかけて手配してくれた特別な品だった。
私は何より、その祝いの気持ちを汚された気持ちになり悲しくなる。
「ふんっ、いい気味よ!!」
「衛兵、何をしているっ。暴れている聖女を捕らえろ!」
「きゃー、何すんのよぉ!!」
騒がしい喚き声と共にリリアーナが近衛兵に捕まるが、私の気持ちは沈んだままだ。
暗い表情でドレスの染みを見つめていると、スライムがそっと寄り添ってくれた。
「ぽよよ……」
「まあ、慰めてくれるの? 優しいのね」
「ぷるるっ!」
スライムは肯定するようにぷよぷよ、ぽよぽよ弾む。
そして次の瞬間、ペタッとドレスの染みのついた場所へ張り付いた。
「ひゃっ!?」
突然の行動に私は驚き、飛び上がる。
その反射で、張り付いていたスライムはペイっとドレスから剥がれて転がった。
「まあ、ごめんなさい! 急にくっついたから、驚いてしまって――えっ!?」
私は床にぷるるんと転がるスライムを慌てて拾いに行く。
その最中、異変に気付いた。
「ドレスの汚れが……、綺麗になってる!?」
「ぽよん!」
先程までワインで真っ赤に染まっていたドレスが、今は新品のように綺麗になっていた。
唖然とする私に、スライムは得意げに飛び跳ねる。
「まさか、貴方の能力なの!?」
「ぷるるんっ」
「な、な、なんてお利巧さんなのかしら――!!」
私はスライムの能力と、私を助けてくれた優しさに感動して、高速でスライムをぽよぽよした。
「ぷるるるるるるるるるるる……」
スライムは体面を波打たせながら、ご満悦の様子である。
「決めましたわ」
ふうと大きく息をついて気を取り直すと、私は改めて宣言した。
「私、このスライムちゃんを飼いますわ!!」
「エレノア様、王子です!!」
◇ ◇ ◇
こうして私は、スライムちゃんとの生活を始めた。
それから数日経ったある日の昼下がり、私は招かれた王宮の応接室でお茶を頂いていた。
「ぷるるんっ。ぽよよんっ」
スライムちゃんはテーブルの上の小瓶の中に器用に収まっている。
これは私が住居として与えたものだ。
お世話の仕方については、「スライムの育て方大全」の本を参考にしている。
「……何か新しく名前を決めたいですわね。レオナルト殿下とお呼びするのは、人間時代を思い出して嫌ですわ」
ご機嫌なスライムちゃんの頭を撫でながら、私は考えこむ。
私の言葉に、向かいに座っている王妃殿下がラフな調子で同調した。
「分かるわ。私も浮気男は嫌いだもの」
「うっ、み、ミランダ。しかし、レオナルトは私たちの可愛い息子で……」
「なにか?」
「……浮気は最低だよな! ははは!」
王妃殿下の隣に腰かけている国王陛下は、一瞬だけ息子である王子の擁護を試みた。
しかし、王妃の一睨みであっという間に黙ってしまった。
国民の前ではいつも威厳のある陛下だが、プライベートでは完全に王妃の尻に敷かれていた。
(それにしても、王妃殿下は妙に浮気について刺々しいわね。過去に何かあったのかしら……)
私は滝のような汗を流しつつ、必死に王妃の機嫌をとっている陛下を見つめた。
ーー深く考えるのは、やめておこう。
「そうですわね。新しい名前……、名前……」
私はスライムちゃんをぷにぷにしながら思案する。
すると、天啓のように素晴らしい名前を思い付いた。
「決めましたわ。ぷに丸にします!!」
傍に控えていた従者が吹き出した。
陛下も顔をひきつらせている。
「え、エレノア嬢。あの、それは、仮にも王子……」
躊躇いながらも何か言おうとする陛下の声を、王妃殿下が遮った。
「あら! 可愛くて良いじゃない!」
「そうですよね。可愛いですよね!」
「待ってくれ、ミランダ。流石にそれは」
「……良いわよね、ダーリン?」
「最高の名前だと思うよ! ははは!」
陛下と王妃の承認も無事に得られた。
私は、にっこりとぷに丸に微笑みかける。
「ふふ。改めて宜しくね、ぷに丸」
「ぷにぷにっ!」
ぷに丸は瓶から出てきて、私の掌でぽよぽよ跳び跳ねる。
「本当にエレノア嬢に懐いているのね」
「ええ。何だか気に入られてしまったようで」
応接間は和やかな雰囲気に包まれる。
私は紅茶を一口頂くと、気にかかっていたことを聞いてみた。
「そういえば、リリアーナ様はどうなりましたの?」
「ああ、聖女ですか。あの子はこれまでの行動の罰として、奉仕活動に勤しんでいるわ」
「リリアーナ様が、奉仕活動……」
そのあまりに不似合いな並びに、私は思わず呟く。
王妃殿下がそれに反応し、くすくすと笑った。
「あの子は、ちょっと我儘過ぎたわね。でも、やる気と根性は買っているのよ。聖女としての能力も本物だし……」
そうして、王妃はふっと笑みを浮かべた。
「大丈夫。エレノア嬢の邪魔にならないように、私が性根を叩き直すわ」
「頼もしいです、王妃殿下!!」
「貴女は私の可愛い義理の娘ですもの」
私はミランダ王妃殿下の言葉に感激した。
昔から彼女は強くて聡明で、私の憧れの人だったのだ。
その想いに報いる為にも、国を立派に治めていこうと誓う。
そろそろ解散と言う時間になった頃、応接間の扉がノックされた。
入室してきたのは、ネイサン先生だ。
「ご歓談中、すみません。朗報をお届けに参りました!」
「まあ、ネイサン先生。どうしましたの?」
「実はレオナルト王子の呪いを解く方法が分かったのです」
「ぷに丸が??」
「ぷに丸ってなんですか!?」
呆気にとられているネイサン先生に返事をするのも忘れて、私はじっとぷに丸を見つめた。
「ぷるるんっ」
「ぷに丸……」
ぷに丸の頭を撫でると、私は決意と共に顔をあげた。
「戻さなくて結構です!」
「え、ええっ、王子ですよ!?」
「ぷに丸も戻りたくないと言っています!」
「ぷるっ! ぽよっ!」
ぷに丸は私の言葉を肯定するように、ぽよんと柔らかな胸を張った。
ネイサン先生は困惑したように、国王陛下と王妃殿下へ視線を向ける。
「えええ……、あの、良いのですか。陛下、殿下」
「いや、流石にそれは駄目だと」
「若い二人の選択を、私たちは尊重するわ!」
「そうだそうだ! 問題ないぞ!」
「……」
ネイサン先生は二人の反応を確認して、全てを諦めるように天井を仰ぎ見た。
私は彼に、にっこりと微笑む。
「うふふ。だって、よくお考えになって?」
私はくすくすと肩を揺らすと、ぷに丸を抱き締めた。
「この子の方が、前よりずっと良い婚約者ですもの!」(終)
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
少しでも「スカッとした」「ぷに丸可愛い!」と思っていただけたら、とても嬉しいです。
もしよろしければ、作品ページ下部の【☆☆☆☆☆】から評価を入れていただけると励みになります。
ブックマークや感想も大歓迎です。
今後も短編を投稿していく予定なので、宜しくお願いします!
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました!




