街からの旅立ち!
「アウェリ、さっき君は裏ギルドであるクロニクル
について聞きたいと言っていたよね? 」
「はい、確かに言いましたね」
「それじゃあこの僕がクロニカルの事について詳し
く教えてあげよう! 」
ロンのハイテンションには疲れます....
「いいから早く教えてください」
「そんな急かさないの! 僕がその組織の人物や構成を
優しく教えてあげよう! 」
裏ギルドのクロニカルには指導者が3人いるとされ、「三暗剣」という。
彼らを頂点として構成員が指示を受けて活動する。
その活動は暗殺や各国の機密情報に関してなどである。
なるほど...
「その3人はどれくらいの強さなんですか?」
「はっきり言って分の悪い戦いなら僕も負けるか
も...」
ロンでも!?
あの底が見えないロンが負けるかもしれない相手って....
「それじゃあ私は勝てませんか? 」
「はっきり言って現状での勝ち目はないに等しい
ね。そもそも相手との戦い方の経験が少なすぎ
る」
「どういうことですか?」
「世の中には剣一本で戦い抜く猛者がいるよって話だ
よ」
剣....?
「なんで剣なんですか?魔法の方が強くないです
か? 」
そうです、剣にできることは魔法にもできますしね。
「アウェリは見たことないからそう言えるんだよ」
「私だって剣士を知っていますよ! ヴァイスさんも剣
士ですし」
「...あぁ、彼のことを言ってるんだね。正直言っ
て彼は剣士としてかなり未熟だ」
ヴァイスさんが..?
私よりも弱いですがそこそこ強そうに見えたんですが....
「わかりました、しっかりと事前に準備してから戦い
ます」
「そうした方がいい、そうじゃなきゃ死んじゃう
よ? 」
「ご忠告ありがとうございます」
「あっ!アウェリに言いたいことがまだあるんだっ
た」
「なんですか? 」
「明日までに次の街へ行く準備をしてくれないか
な? 」
....はぁ、
「またですか?」
「ごめんごめん、次からは気をつけるから! 」
「わかりました。次はないですからね」
「はいは〜い」
最後に、ヴァイスさんたちに挨拶に行きましょう。
それにしても街の惨状は酷いですね...
「アウェリちゃん、ちょっといいかしら? 」
「はい、どうかしましたか? 」
「アウェリちゃんがこの街を助けてくれたって聞いて
ね、お礼をしておこうと思ったんだよ」
「....そんな大したことはしていないですよ」
「それでも、お礼が言いたかったんだよ。だからこれ
を受け取ってくれるかな? 」
「..これは? 」
「これは街の人たちでつくったお守りだよ、冒険者は
危険だからね」
「ありがとうございます」
この街はやっぱりあたたかいですね....
「ヴァイスさん、ここにいましたか」
「おう、アウェリか。なんか用か? 」
「この街を出ることになったんです。だからお別れを
言いにきました」
「そうか、お前もいなくなるんだな....」
「....ところでなんでこんなところに? 」
「ここからだったら海が綺麗に見えるだろう? 」
確かに、夕日が一層輝いて見えますね。
「ここはな、エリスが好きな場所だったんだ」
「..そうですか」
「だから、ここに来て思い出してたんだ」
....苦しいでしょうに、
「それならここにエリスさんのお墓を建てません
か?」
「お墓....? 」
「そうです、亡くなった人のことを忘れないために、
そして供養してあげるためのものです」
「....そうか、それなら作ってあげないとなぁ」
「そうですね、その剣を貸してください」
....これがちょうどいいですね。
「あぁ..ほらっ。これでどうするんだ? 」
....やっぱりちょうどいいですね。
「これで、エリスさんのお墓ができました」
「なんで俺の剣なんだ? 」
「エリスさんがヴァイスさんの事を好きなことくらい
知っていましたよ。だからこそ、これがいいと思っ
たんです」
「知っていたのか....アウェリ、ありがとうな」
「いいんです、私もエリスさんには助けられました。
それよりも一緒にエリスさんを供養してあげましょ
う」
「どうやるんだ? 」
「こうやって手を合わせて目を瞑りエリスさんのこと
を思ってあげてください」
........。
「終わりましたか?」
「あぁ、まだ完全には吹っ切れてないけど少し整理が
ついた気がする」
「それは良かったです」
「じゃあな、アウェリ」
「はい、また」
「アウェリ、起きて! もう行くよ! 」
「わかりました」
早朝の方が街を出るには良いですからね。
「アウェリ、もうやる事はやってきた? 」
「はい、大丈夫です」
この街ともお別れですね。
それじゃあ、みなさん、さようなら。
「アウェリ! 」
っ!
「待てよ、どうせ出て行くなら見送らせてくれよ! 」
「そうだよ、アウェリちゃん。街のみんなもアウェリ
ちゃんのことを我が子の様に思ってるんだよ」
....ヴァイス、それに町の皆さんも、
「ありがとうございます。でもできたら静かの出て行
きたかったですね....そうじゃないと行けなく
なっちゃうじゃないですか」
.....。
「大丈夫だ、俺がその時は背中を押してやるから」
「そうですか、じゃあしょうがないですね」
「あぁ、行ってこい」
「それでは、みなさん....行ってきますね! 」
「あぁ、またいつか帰ってこいよ」
「私たちも待ってるからね」
「ありがとうございます」
....本当に、本当にあたたかい人たちばかりですね。
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なんだ....朝っぱらからうるさいなぁ。
うん?
なんだ、あのアウェリとか言う冒険者が出ていくのか。
街の奴らも騒ぎすぎだろ。
それにしても、この前のスタンピードとか言うやつであの冒険者が活躍していたな。
あんなぐらいの魔法ならすぐに使えるようになるだろ。
俺は天才だろうからな!
異世界転生ってのは最高だな!




