ギルドでのお話合い!
「アウェリさん、どうぞお入りください」
「ありがとうございます」
まずは、ちょっとした嫌がらせです。
「知っていますか? ここのギルドには子供の言うこと
を信じないような人がいるらしいですよ? 」
「それは、それは酷い人ですね。どんな人か気になり
ますね」
「そうですね、私もその人のこと気になります。」
「ははっ、私も同感です。まずはこちらにおかけにな
ってください」
「紅茶でも淹れましょうか? 」
「そうですね、お願いします。変な物は入れないでく
ださいね」
「ははっ、そんなもの入れるわけないじゃないです
か。そんなに疑わないでください」
「それは良かったです。なにしろ先ほどのスタンピー
ドで気が立っているものですから」
「それなら落ち着けるように特別美味しい紅茶を淹れ
て差し上げましょう」
「ご気遣いありがとうございます」
..信用できません。
彼の一挙一動には気をつけなければいけませんね。
「アウェリさん、紅茶をどうぞ」
「ありがとうございます」
....。
毒は入っていないようですね。
「アウェリさん、今回のスタンピードでのご活躍お聞
きしておりますよ」
「それは光栄なことですね」
「アウェリさんの行った行動は素晴らしいものですか
ら賞賛されるべきですし誇ってもいいんですよ?」
「私は謙虚にいることが大事だと思っていますから」
「それはいい心がけですね」
魔力の探知に反応がありましたね。
伏兵でしょうか?
「ところでトレイターさん、この執務室に私とあなた
以外の人がおられるようですが?」
「あぁ、すいませんね。私は臆病なものでして、どう
か許していただけませんか? 」
「あなたの失礼な行動には目を瞑ってあげましょう。
しかし下がってもらうように言ってくれません
か? 」
「そうですね、ありがとうございます。聞こえていま
すか?下がっていてください」
....。
探知に反応は....無いですね。
「どうやら本当に下がってくれましたね。ご協力感謝
いたします」
「いやいや、この街の英雄様に失礼なことをしたのは
私ですから」
「英雄様? 」
「はい、この街の危機に多大なご協力をしていただけ
ましたからね」
「そんな、恐れ多いです」
「そんな謙遜しないでくださいよ。あなたが水門を下
ろしてくれ無かったらこの街はスライムの波によっ
て滅んでいたでしょうから」
こいつ..あくまでスタンピードの起こる前のことは知らないとしらを切るつもりですか。
この狸め....
「そういえば、こんな石があったんですが知らないで
すかね? 」
魔力でコーティングしているから効力は失われていません。
言い訳はできませんよ。
「この石は? 」
「魔寄せ石です。私の魔力で効力は抑えてあります」
「なるほど、あなたはどうやら逃がしてくれはしない
ようだ」
「逃げるとは? 私はただ石の報告をしただけですが」
「はっはっはっ、一本取られましたな....しかし
あまり深入りしないことをおすすめしますよ? 」
「覚悟の上ですから、それと知っていますか?私の冒
険者仲間のワート・エリスさんが死んだということ
を」
「悲しいことですね。ご冥福をお祈りします」
はっ!
笑えますね。
なにが「ご冥福をお祈りします」ですか、悲しい顔一つしていないじゃないですか。
「そうですね、私の事前の報告を聞き入れてくれてい
たら..」
「申し訳ございません、最大限の補償をさせていただ
きます」
なるほど、状況が悪いと考え、この場をどうにかおさめることに方向転換しましたか。
かなりの曲者ですね。
「失った命は戻りません、ならばそれなりの補償はし
ていただけるのですよね? 」
「はい、出来うる限り最大限の」
「それなら....」
ヴァイスさん、私と同じ思いはさせたくありません。
彼には幸せになってもらいたいです。
「エリスさんの冒険者仲間であるクウェイト・ヴァイ
スに金銭面とこれからの活動に最大限の補償をして
ください」
「わかりました」
ヴァイスさん....幸せになってくださいね。
「それでは失礼させていただきます」
「お見送りさせていただきます」
「いえ、結構です」
ヴァイスさんのところに戻りましょう。




