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7. 朝焼けと冒険と


 ちゅんちゅん





 鳥だ…。

 外のほんのりとした明るさと、耳慣れた鳥の声に目が覚めた。寝袋の中伸びをして、ふと、外に出てみようと思った。



 「うーん…」



 気持ちいい。とても澄んだ、冷えた空気を胸いっぱいに吸い込んだ。昨日までの不安や怖さがなくなっていた。




 空はきれいな朝焼けで、思ったより積雪はなく、今日は周りを探索してみようと、とても前向きに心が落ち着いていた。

 

 化粧落としシートで顔や首を拭き、悩んだあと日焼け止めを塗る。そういえば歯磨きをしていなかったと、外でうがいをし、木の根元にぺっと出した。なんだか大自然に失礼だったなと心のなかでごめんなさいと思いながら、アプリで荷物のチェックをする。


 昨日は見逃していたのかトランクルームも表示されていた。車内で寝起きするにあたり、薪とかすごく邪魔だったので収納したい。元々トランクルームにはなかった、新しく購入したものは入れられないのかと色々タップしていると、手荷物のようなマークからドラッグすることができた。


 急いで車の中を確認すると薪がない!


 グレー表記になっているキャンプ用品も戻せるのかと思えば全て収納できた。



 「この流れだと車もいけるね……。」



 …………いや、でも逃げ場所は欲しい。もう一度車にいそいそと入る。やはり周りを頑丈なもので囲まれているのはとても大事だ。安心感が違う。


「とりあえず、着替えようかな。」


 裏起毛のズボンに、ハイネックのフリースとセーターを重ねる。おしゃれ目的で買っていた雪用ブーツと、スノボで使っていた帽子と耳当てに、フェイスマスクは首に垂らしておこう。働く人のお店で買った防寒防水の上着を羽織れば完成だ。あとは、親が使っていたスキーのストックを持つ。なんとなく山登りなど森を散策する人は、ストックのような棒を持っていた気がする。やはり何かするには形からだ。


 森で動けると思われる格好になった。



 

 しかし…………


 「行けるところまでは、車で行こう。」





 アニメはフィクションと理解していても、やはり主人公達を尊敬する。勇気が出ない。朝は普通と思っていたけれど、一瞬寝惚けていただけなのかもしれない。


 木々の間は思ったよりも広く、厳つめのこの車も通れそうなルートが見える。


 新雪の上には凹みが見えるが、木からの落雪のようだし、動物の足跡のようには見えない。専門的な知識があるわけではないので、予測しかできないが、鳥がいるのに小動物や、それを狩る肉食動物が見えないのは冬だからだろうか。


「これ…実は道なのかな…?」


 真っ直ぐではないが、思ったより奥まで車を進められるようだ。まさに何かが通った場所なのか、そこだけ木が避けて生えているように感じる。

 


 30分ほどだろうか。道なりというのか木々の狭間を走らせると開けた場所に出た。





 

「すごい!!!!!きれー!!!」





 

 朝陽に輝く湖が広がっていた。


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