S ここどこやねん!
あほのDQN親からやっと逃げれたのに!
なんで見つかるんだよ!まじで最悪!!!
ほんとくそ!
はあー。店長たち大丈夫かな。
めっちゃ良くしてくれてたのに辞めないとかな……。
今時住み込みで働かせてくれるとこなんてないのに。
通りすがる女子高生の制服に目が行く。休日なのに着てるなんて部活だろうか。青春している同年代とよれたジャージの自分と比べ、失笑が漏れる。
「あ、店長からラインだ。」
店長が仕事に必要だからと買ってくれたプリペイド携帯。初めての携帯にすごく感激したのは今でも忘れられない。
「今日は危ないから漫喫で……か。」
中学のときからバイトをさせられ学校もほとんど行けなかった。こっそりバイトと偽って図書館に通うのが密かな楽しみだったが、当たり前に高校なんて行けるはずもなかった。給料を奪うことしかしない母親から逃げるように家をでて、なんとか見つけた今の職場は優しい夫婦が営んでいて、この半年は本当に天国のようだった。
変な男ばっかり引っかけている母親だが、今日は反社のような男を連れて来ていたからかなり厄介だ。
「今回ばっかりは、もう、駄目だよね。迷惑かけれないよぅ。」
今までの感謝や辞めることを返事しようとしたが、本当は辞めたくないので全く指が動かない。
袖で涙を拭うと、ふと、足元には光る円が広がっていた。




