Y-12 異世界買取
「こちらで以上です。新しい形状のバッグということのみ1週間各ギルドに提示されます。希望者が出た場合、この内容で契約し、使用料が払われます。口座はお持ちですか?」
ギルド証が口座と連携されるようで新規で作ってもらう。500ジルかかるが、一人の朝食代ほどだそうで、分けてもらった報酬から余裕で足りた。宿代は白銀の風が頑として譲らなかったので、なにかしら配慮していきたいところだ。
「他は、買取でしたね。どういったものでしょうか?」
「黒糖です。少ししかありませんが、大丈夫でしょうか?」
オリバーと昨夜話し合い、塩はこの辺り多く出回っているので、この大陸南西にある獣王国の特産品の砂糖にすることにした。最近は聖王国を通過せず、個人で船を出し直接向かうものもおり、売買に関して不信に思われないだろうとのことだ。
「よい品質ですね。この一壺で15万ジルでしょうか。どうですか?」
「はい、そちらでお願いします。」
グラム百円の固形黒糖をちょうど二百グラム入る壺に入れ替え、六つ用意していた。こちらでは少し流通規模が大きいので、帝国よりは下がるがこのサイズだと10から13万と聞いていたのでかなり多めに頂けるようだ。
手持ちが欲しく、一壺分は現金化してもらい、他は振込にしてもらう。
「この度は良い取引をありがとうございました。またご縁がありましたら、ぜひ宜しくお願いいたします。」
担当者と握手し気持ちよく取り引きが終わった。あとは市場巡りだ。早速米を見に連れて行ってもらう。
「ほんといろんな種類があるんだな。」
「ここ共和国は商業都市とも言われるので、各国の輸入品がどこもかなり豊富なんですよー。」
「へぇー。あ、もち米っぽい!こっちは小粒な感じコシヒカリに近いのかな。あー、炊いて味見してみたいわ。」
「おー!兄ちゃん、米に詳しいのか?」
オリバーに連れてきてもらった穀物専門店は、精米したものを小さな枡に入れて種類をわかりやすく展示していた。丁寧な店構えに好印象を持ち、少し口が軽くなる。
「生まれ故郷は米が主食なんだよ。ただ名前が違うから生のままじゃ味がわかんなくてね。」
「ほー。ここらじゃまだ入ってきたばかりで食べ方わかんねーんだけど、どうやって食ってたんだ?」
「スープに入れたり、炒めたり、煮たりといろいろだよ。一番好きなのは水で炊くんだけど、種類によって全然変わるんだわ。」
お店では全ての種類をスープに入れて試していたようだ。スープを吸ってベチャつき崩れやすいものを日本米に近いと想定して、簡単な炊き方を教える。スープを吸っても形が崩れずないものをパエリアやリゾットにおすすめした。日本米っぽいものを十キロとパエリア向きのものを五キロ買い、魔道具で精米もしてもらう。魔道具と聞くと使用料の一キロ百ジルがかなり破格に感じた。
「どうも!兄ちゃんありがとよ!おまけにこれもらってくんな!」
飼料用にとこれまた最近入ったトウモロコシを五キロもくれた。皮が固く食べづらいので飼料にするしかなく、失敗だったとのことで、もしかしたらポップコーンになるかもそれないと教えた。
「おまけだったのに、こりゃ申し訳ないぜ。ありがとよー!」
「あんなに作り方教えちゃってよかったんですか?登録できましたよ?」
「あ、そうなのか?まあ、食べ物に関しては普及したほうがいいし、大丈夫だよ。今後派生してすごく旨いものが生まれるかもだぞ。」
「美味いものが増えるのはいいな!」
「やはり末裔様は優しいですね。」
「そんなんじゃないよ。あ、そうだ。ギルドで文字が読めなかったんだよ。今日腰を落ち着けたら少し検証してもいいか?」
「え!そうなのですか!不思議ですね。荷馬車には本をいくつか積んであるので探しておきますね。」
他にも見たことのある野菜から見たことのない果物などを大量に買い、傷むので今日使い切る分だけ魚介類も購入する。急いで集合場所へ向かうと子供たちは待ちくたびれていた。




