12. 雪なので雪遊び
朝、自然と目が覚めたら6時だった。健康的である。
まだ二人は夢の中のようなので、そっと抜け出し身支度をする。昨夜は、極度のストレスを感じただろう子供達が夜驚症になるのではと、見守るためにも川の字で就寝していた。
朝ごはんは悩んだが、いい日になって欲しい願掛けで、特別な日のうちの定番であるホットケーキにしようと思う。
ホットケーキの焼ける甘い匂いに刺激され、子供達が起きたようだ。
「おはよう!」
「おはよぅございます。」
「おあよ、ましゅ!」
「ご飯はできてるから顔洗ってこようかー。」
二人の身支度を手伝い、昨夜用意していた服に着替える。姪甥がすぐお泊まりするので、大量に服はストックされている。ちなみに使わなくなった、あるゆるサイズのオムツも置きっぱなしだ。
「いただきます。」
「いただきます!」
「いちゃじゃきぃましゅ!」
「おいちぃーー!!!!」
おいちぃ頂きました。
さすがに子供達から目が離せないが、少し家事がしたい。2階は空っぽにしたが、毎日掃除しないと埃だらけになるだろう。今まで自然と家電を使っていてふと思う。テレビが使えるととても助かるのだが、アプリチートはどこまで有効なのだろうか。
地デジはやはり無理で、真っ暗な画面しか映らない。しかし、入力切替をすると配信サイトは映った。子供番組は異世界だろうが全幼児にうける謎の自信があるので新しくサブスクに加入した。
『…みんなー!あつまれー!!!』
(きたー!!!)
ロバート君は私の後ろに隠れ、アリスちゃんはテレビにベタッとへばり付いた。
「これはテレビって言って、違う場所の人達をこれで観ることができるんだよー。動く物語もあるから少しこたつで観ててくれる?」
「……わかりました。」
「アリスちゃん、こっちでお兄ちゃんと座って観ようね。」
「ぁーい!」
返事だけは立派だ。脇からひょいと抱えて移動させる。
「ここからだと全部見えるでしょ?ちょっとお片付けしてくるねー。」
ビクついていたロバート君もいつの間にか釘付けだ。今のうちに洗い物と掃除、あとは冷蔵庫を確認し食材の補充を行う。またアプリに保管しているものをチェックすると、5才以上は姪っこ用の可愛いデザインが多く、甥っ子はまだ4才なので、なかなか男の子に向いたものが少なかった。やはりピンクは可哀想かなと、防寒着や細かいものでロバート君のものを購入しておいた。
「おやつだよー!」
さつまいもと干しブドウに牛乳のおやつ。母が孫たちの為にストックしていたのですぐ提供できる、子供の頃食べていたうちの定番おやつだ。栄養など考えられているのはわかっているが、この反動でお菓子作りにはまったのは言わずもがな。やはり明日はケーキを焼いてあげようと心に決める。
「このおいもはじめてたべます。おいしいです。」
「おいちい。」
「美味しいね。そうだ、今日は天気いいし、お外で雪遊びしようか!」
家の中にずっといるのは子供達も辛いだろう。狼さんも対話ができるのであれば、いきなり襲わってこないのではと推測する。また、子供達だけでここまで歩いてくる際に、動物などに遭遇もしていないようなので、目の前の庭ですぐリビングに逃げ込める場所であれば安全と考えた。
「ゆきあそび?ですか?」
「そー!ゆきだるま作ったり、そりして遊ぼう!」
「ぁしょぶー!」
「ゆきあそびはじめてです。たのしみです。」
アリスちゃんはいつもどおり元気いっぱいで、ロバート君ははにかみながら返事をしていた。
父がいないので、雪かき担当は私だ。




