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2. 雪国?



「はは…」



 周りに障害物はなにもなく、ただただ雪原が広がっていた。まわりも白いが頭も真っ白だった。


 どれほど呆然としていたのかわからないが、無意識に足はアクセルから外し、ブレーキをかけていたようだ。段差を乗り越えたのか、大きめの振動ではっとし、震える指でハンドルを握りしめゆっくり停車した。人間は頭で考えてから動くだけではなく、無意識での反射で身体を動かすこともあると何かで見た。まさに、今自分はきちんと思考ができていない。


 頭が空回転している自覚があるのに、思考がまとまらない。言葉にできない、はっきりとした意思のないまま、身体は動き車から降りていた。



 冬の匂い。


 身体は麻痺しているように感覚がないのに、鼻と耳だけは空気の冷たさを感じた。それを自覚したとき、どっと心臓がゆれた。



 バクバクと心臓の音が身体中を響かせ、手は痺れたように力が入らない。耳鳴りがしているような、脈打つ音しか聞こえないようなそんな中、身体の制御がリンクしていない別次元にあるように感じた。どう動かしたかわからないが、震える足でステップを登り、ふらふらとシートに倒れ込んだ。



 

「どゅこと…………」



 

 口の中は渇き、舌もまわらず、それすら動悸を荒らす一因になる。しばらく唖然としていたが、時間をかけて徐々に心臓は落ち着きだした。


 どれほど経ったのだろうか。

 意識していないが、携帯電話を取り出していた。これも反射だろうか。手はまだ思ったように動かない中、ただ母に電話をかけていた。



 

プーープーー………



 

「…そっかー。」


 なにに納得したのかわからないが、繋がらないことはわかっていたように思う。

 身体からふぅっと力が抜けた。


 漠然と、まわりに何もない広い空間にいることが不安になり、移動しなければと焦燥に駆られ始める。


 深呼吸かため息かわからないが、体の中の空気を入れ換えるように呼吸を繰り返す。勇気を出し、車から出て周りを見渡した。


 

 今まで気づかなかったが、地元を超える、これぞ霊峰と呼ばれるような荘厳な山脈があった。この存在感になぜ気づけなかったのか不思議であるが、切羽詰まったときの人間の視野狭窄とはこのことかと納得した。


 160cmないこの身長では見渡す距離も限られると、車に登ったが、また唖然としてしまう。



 


「なんもない…んですけど。」


 いや、目を凝らすと黒っぽいものが少しだけ見える。

 そこで思い出した。バードウォッチングなどしないのに、実家で見つけた双眼鏡を積んでいることを。なんかキャンプっぽいてだけで、車の積載量があることから今回は無駄に荷物が多いのだ。


 車から滑り降り、トランクを漁った。整理整頓された荷物であるのに、こういうときほどどこに入れたかわからなくなる。



「…よし!」




 山脈から5時の方向に山林のようなものが見えた。



前半が夢で見たシーンです。動転具合が伝わればうれしいです。

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