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Y-5 異世界食卓


 「聖女のまつえい……末裔かな?違う違う。ははっ。普通のおじさんだよ。なんでそう思ったんだ?」


 「聖女は黒髪黒目なんだ。でも、女だけらしいから、おじさんは男だし、魔女さまでもないだろ?だから。」


 「へー、魔女もいるのか。」


 「よくわかんないけど、魔女さまは髪の毛か目が黒いんだってさ。」



 聖女の子孫で、女が魔女、男が末裔と呼ばれているのかと異世界あるあるで推測する。この髪は目立つかもしれないと念頭に置いておこう。


 「まあ、とりあえず風呂入っておいで。」


 ちょうど女子があがったので、残っていた双子の獣人ジョンとリックと、アレックスを風呂へ促す。



 アプリで荷物の移動ができるようなので、引き戸で区切られたリビング横の部屋を片付ける。布団を購入し、敷き詰め、あとは食事か。


 「子供が好きなのはカレーだよなー。でも異世界もので、よく見た目が微妙とか言うしなー。」


 「カレーってどんなの?」

 「おいしいの?」

 「なんでも食べるぞ!」


 布団の上をごろごろと転がりながら、ちびっ子達がさえずる。


 「香辛料で肉と野菜を煮込んだ料理なんだけど、見た目茶色いんだよ。」


 「かちくつぶした時の、にこみ料理は茶色だったよー。ないぞう?で作るんだってー。たまにしか食べれないけどすごくおいしかったんだー。」

 

 キャロの住んでいたところの郷土料理だろうか。トリッパのような料理なら絶対美味い。いつか食べに行きたいので覚えておこう。


 「こじいんのスープもたまに茶色いぞ!」

 「あれはシスターがこがしたのよ!」

 「にがかったの!」


 サンが茶色のスープがあったと教えてくれたが、リリとミミの話によるとあまり参考にならないだろう。


 「まあ試してもらおっかな。無理だったら違うの出すわ。」


 余った分は冷凍したり、一人でちびちび食べ切ればいいかと、カレー作りを始める。ラーメン作りが趣味なので寸胴鍋があるし、切なくなるから割愛するが炊飯器も一升用がある。


 材料をチートアプリで購入し、野菜の処理を始めると、アレックス達が戻ってきた。


 「おっさん、手伝うよ。」


 「まこっちゃん、のどかわいたー!」

 「おれもー!」


 「おぅ!すまん飲み物忘れてたわ!みんなも喉かわいてたよなー!って、まこっちゃんってなに!?」


 「名前のまことと、おっちゃんで、まこっちゃん!」

 「わかりやすいっしょ!」


 おちゃらけているが、双子の獣人ジョンとリックは、年少の子たちをよく気にかけてくれている。今もロンとダニーを連れてキッチンに来ている。グラスは重いだろうと、プラスチックの取っ手付きのコップを買い、ペットボトルで麦茶をテーブルに出した。


 「ここに置いておくから、みんな好きに飲んでなー。」


 「おじさん、茶色好きなのね!」

 「これもちゃいろなの!」

 「これお茶じゃないかなー?聞いたことあるよー。」

 「そなの?」「おちゃってきぞくさまののみものじゃない?すごい!」


 女子がかしましくしながらも、皆のどが渇いてたようであっという間に無くなった。追加で出して、アレックスと料理を再開した。


 「アレックスはいつも料理とかするのか?」


 「うちはなんでもやらされるからな。まあ、なんでもできないと孤児院出た後こまるし。」


 初めて触る物もあったようだが、一度教えたらてきぱきとしており、能力の高さを感じる。


 「将来なりたいものとかあるのかー?」


 「別にない。手っ取り早くかせぐためにも冒険者かな。」


 「金がいるのか?」


 「孤児院をかいたい。ほかのちび達もあのくそ野郎に売られるかもしれないし。」


 「……そうか。帝国だったか?そこで偉い人と仲良くなってやっつけてもらおうか!」


 「ははっ!なんだそれ。まあ、おっさんは弱そうだもんな。」


 帝国北西部に孤児院があるらしい。現在地はわからないが、旅は道連れというし一緒に行こうと話をした。獣人の子たちが合流したのも近いらしいので、そこからまた考えよう。


 


 「よし!みんな出来上がったぞー。」


 「いいにおいー」

 「腹へったぜ!」


 懸念していた見た目はなにも問題はなっかたようで、食欲旺盛でご飯も足りず、追加でパンも購入した。


 年少コンビのロンとダニーが限界だったので、皆でハミガキをして寝かしつける。

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