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銭と神具は使いよう 〜 元WEB屋は魔法陣を解析して異世界を知る 〜  作者: 冬寂
魔道具はこの世界の神秘の入り口

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【閑話】何もせず考える時間ー銭の力

今回、短めです。

 その日、ジャンフランコは起きるのも億劫なくらいの倦怠感に全身が染まった状態で目が覚めた。前日の夜、かなり無理をして神測(デジタイズ)の強化をした反動が身体にきたようだ。さらには魔力枯渇ギリギリまで魔力を消費したことも大きいのだろう。

 自分を起こしに来た侍女に体調を説明し、両親を呼んでもらうよう頼む。


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「なかなかに酷い状態だね。これは。ジジを強力な魔法使いとして育て上げるにしても、ここまで慌てる必要はなかったのではないかね」ジョヴァンナ、君らしくもない、とロドリーゴが非難めいた口調で片眉を上げると

「わたくしとしたことが、ジジの行動が歳相応ではないことですっかり勘違いをしておりました。ジジはどんなに大人びていたとしても、まだ6歳になる前の子供でしたわね」ジョヴァンナも自分の暴走であることを認める。魔力回復薬を短時間に二本も飲み干して更に枯渇寸前まで魔力を消費することは、成人ならまだしも幼い身体には相当酷なことだったらしい。

 ただ、ごめんなさい、と目を伏せたままのジョヴァンナを見てジャンフランコは申し訳ない気持ちになった。神測(デジタイズ) の強化は自分自身も臨んだことであり、放っておかれても両親の目を盗んで独力でやろうとした可能性は高いのだから。


 効果はないかもしれないけれど、と言うジョヴァンナの【治癒】魔法も大した助けにはならず、少なくともその日一日は天恵(スキル)は発動しないようにやんわりと釘を刺され、ベッドの上で過ごすよう申し渡された。


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 考えてみれば、終日天恵(スキル) も発動させないというのは久々である。天恵(スキル) の強化やその結果として新しい能力(アビ)の発露であったり、本職の魔法使いを凌駕する強力な魔法の習得であったり、はたまた魔法のインクを巡る騒ぎに巻き込まれたりに日々追い回されていたため、ゆっくりと物事を考える時間がこのところ全くなかったことに今更ながら気づいた。


 まずは鍵の疑似(quasi)魔道具で開いた先の空間について。あれは多分、誰かが高度な魔術で拓いた隔絶された空間。いや、時間の流れすら周囲と異なっていたので、「隔絶された()()」と言うべきか。中に残っていた羊皮紙に記されたのが古代文字であったことから類推すると、時空を拓いた者も既にこの世にはおらぬだろう。


 詳しくは回復次第神測(デジタイズ) で分析する必要があるが、あの時空に繋がる入り口を開けたとき、黄色を中心に緑赤金青の光が巡っていた光景が忘れられない。それぞれを各属性を表す貴色と考えれば、何らかの魔術により土属性の魔力で満たされた空間の周りを木属性・火属性・(かね)属性・水属性の魔力を順繰りに巡らせることで隔絶された時空を形作っているのだと考えることもできそうだ。おそらくその魔術は、ジョヴァンナが自分に覚え込ませようとしている強力な破壊魔法よりも、はるかに高度な術式によるものなのではないだろうか、とジャンフランコには思える。


 そして同時に鍵の魔道具も同じ時代から遺跡の奥深くで眠っており、何も知らぬ研究者の意を受けた者により発見され、その価値を理解されないままジャンフランコの手に渡ったのであろう。


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 あの隔絶された時空とそれを成立させている魔術はそれ自体大いに好奇心を掻き立ててくれるが、もう一つ忘れてはいけないものがある。


 あの時空に残されていた金塊や魔石は、現代においても一つの小国の国家資産に匹敵する富であるし、使い方によっては一城どころか一国あるいは複数の国を滅ぼすことのできる強力な武器となりうる代物である。これを自由にできることが許されたとしても、迂闊に動かせるものではない。個別に商品市場に流せば即座に市場を崩壊させる事が出来る破壊力を持つのである。


 だがしかし、そのまま死蔵することもまた、ジャンフランコにとっては耐え難い選択だ。


 そうやって考えを巡らしていると、前世でまことしやかに流れていた都市伝説の一つを思い出した。前世の最強の覇権国である米国の中央銀行。その地下には数千トンの金塊が保管されているという都市伝説である。「金」が貨幣の役割を失い高価ではあるが単なる商品や工業原料の一つになり下がったため、数千トンの金塊と(いえど)も市場価値換算で大規模な都市銀行1行の保有預金残高相当の価値であり、巨大金融帝国である米国の最後の支払いを支えるにはまったく不足である。それでも軍事だけではなく経済特に金融の世界においても覇権を唱える米国の力の象徴として、まことしやかに語られたものであった。


 一か所に集約された富はそれだけで力を持つ。そう考えた時にジャンフランコは朧気(おぼろげ)ながら、あの時空に残された富を自らの力に換える方法について夢想を巡らせ始めたのだった。

ニューヨーク連銀の地下には6,000トンの金塊が秘密裏に保管されている、でしたっけ。

金本位制が先進国では廃れてから1世紀近くが経ちますが、それでも信じる人は多そうですね。


ちなみに、金1g=17,000円で計算すると、6,000x1,000x1,000x17,000で約100兆円ですね。

メガバンクの保有預金残高がだいたいそれくらいです。


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初めての作品投稿です。


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