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銭と神具は使いよう 〜 元WEB屋は魔法陣を解析して異世界を知る 〜  作者: 冬寂
騒乱の気配 ー スフォルツァ領

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【閑話】量産試作の作業

夕食の席で叱られたことを引き摺っています。

 ジャンフランコが魔道具製作の作業に使う私室の一角には、素材として使うための木材が積まれ、土の入った木箱が並ぶ。


 【自律飛行する魔道具(飛行ドローン)】の量産試作にあたり最初に着手するのは、【人造魔石】である。

 これはようやく最近になって生産のための魔道具も出来上がり城の地下の工房での生産も始まっているが、今回のような試作機向けの専用品ならばジャンフランコが直接神測(デジタイズ)能力(アビ)で作り出す方が早い。


『【神測(デジタイズ)】【細密出力(ナノプリント)】』

 材料の木材と土を【木】属性と【土】属性の魔力に還元してから特別な構造に組み上げていく。いわゆるシリコンカーバイド(SiC)を微細な格子状の構造に形成し、その隙間に魔力を溜めるのだ。

 見た目は鈍く光を反射する黒い塊で、その点では宝石然とした魔石に劣るが、とにかく魔力密度が天然の魔石から格段に向上する上に形の自由度が高く、今回のように機体の形に沿って成型できるメリットはスペース効率の向上に貢献できる。


 結果的に【自律飛行する魔道具(飛行ドローン)】においては最初の試作機と比較して大幅な軽量化と機体の余剰スペースを稼ぐことに成功するはずだ。


 推進力を得るためと機体制御に使う【木】属性の魔石が一番大きく、続いては隠密(ステルス)状態を維持しつつ相手の隠密(ステルス)状態を【看破】するための【闇】と【光】属性の魔石、最後に【乗り移り】による操縦を支えるための【闇】属性の魔石を製作する。


 視界確保と撮影のための【金】属性の魔石は汎用の撮影の魔道具(ライブカメラ)を搭載する関係で汎用サイズの魔石を使用する。


 この辺りはメディギーニ商会で行った「反省会」で決まった仕様を消化したものである。


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

【人造魔石】の製作が終われば機体本体と推進器(スラスター)の製作であるが、これはほぼ試作機と同じ仕様となる。搭載する魔石の形が変わることによる変更はあるが、これは些細な違いでしかない。


 機体の内部に倍量記法で【隠ぺい】【認識阻害】【看破】の【魔法陣】を描き、魔石や各部の可動部分に繋がる魔導線をひくと、機体本体は完成だ。


 最後に【乗り移り】のための【魔法陣】を描いた基盤を製作すると、【人造魔石】やら別に用意していた撮影の魔道具(ライブカメラ)やらを組み付け、機体の組み立てに掛かる。


 最後に実際に起動して各部が操作通りに動くことを確認すると量産試作機の製作は完了である。


『ひとまずはこれでいいかな。【人造魔石】がコンパクトになって搭載位置も機体の重心位置にまとまったから、試作機で練習している人はバランスの変化に戸惑うかもね』


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 昨日の夕食の席でジョヴァンナから叱り飛ばされたことを思い出す。


 確かに自身が『何でも自分でやろうとしすぎている』きらいがあるのは言われた通りだろう。

 ピエレッタが魔道具の開発や生産体制の確立の面で才能を見せ始めているように、「学友」としてつけられた同学年の者たちはなかなかに優秀である。


 それぞれの才を見極めてそれを伸ばしてやらなければ勿体ないというのもその通り。


 とはいえ、ミント領の奥にある「崖下の砦」は敵地であることがハッキリしているため、学友たちを安心して送り出せる先でもない。


 そうなると、生存確率を上げるためには隠密(ステルス)状態での行動に慣れている上に強化(バフ)弱体化(デバフ)のエキスパートであるアレックスを主軸にチームを編成するのがよいかもしれない。

 最終目的である敵拠点の完全破壊には、ジョヴァンナに憧れて高火力・広範囲の破壊行為の化身(Nuker)を目指しているアレッサンドロが適任だろう。

 あとは念のために盾役(タンク)として遺跡探索に興味のあるジルベルトを付けておけば大丈夫か。

 この三人にミントの領都までの調整役(コーディネーター)としてメディギーニ商会から誰かつけてもらうチームでいくとしよう。


 保険をかけるなら三人にはラクタヴィージャ(分け身の魔神)と約定を結んでもらっておくか。「分け身」のような搦め手の魔法の使い方はアレックスが上手いから、残り二人ヘの指導も任せられるだろう。あとは使い捨てできるように【隠ぺい】や【看破】、【身体強化】の【魔法陣】を何枚か持たせれば何とかなる。


 三人には明日にでも話をしてみるか。


  ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 宿題をもらっていたことにひととおり答えが出て気分が軽くなったために最後に一仕事やっておくことにする。


 機体、【人造魔石】、推進器(スラスター)などの製造手順を【魔法陣】の形に描き起こしておく。これを工房に置いた魔道具に読み込ませることで時間はかかるもののジャンフランコが自ら手掛けなくとも量産試作機に必要な部品を製作できるのだ。


 ミルトンの首都を偵察するためにはとりあえず十機程度生産することになるだろうが、もしかしたら別の用途で更に生産することもあるかもしれない。


 最後に量産試作機に取り付けて使用するためのオプションをいくつか作っておく。

 といっても主翼の下に取り付けるため流線型の外装があるだけで中身は【麻痺】や【睡眠】、【暗闇】といった魔道具と同じものである。こればかりは予め用意しておくよりは現場の要求に合わせて都度都度製作するのでもよいだろう。

 今回作ったのはあくまでサンプルである。

今回の新要素:

・ 特になし


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