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第三十一話

 週末、ワンストップの会議室で文月さんを和音と持っていた。


「兄さんは今日はどんな話だと思いますか?」


「そうだな、今後の方針とかかな? 人気の傾向は聞きたいとは思うけど。どうなるんだろうな」


 和音と話していると文月さんが入って来て、俺達の向かいに座る。


「今日来てもらったのは、単行本発売についての話なんですよ」


 眼鏡を光らせて、俺の目を見てそう声を出し持っていた紙の束をテーブルの上に置く。


「え? もうだせるんですか?」


「はい、次の回で五話目なので描きおろしを入れて出版する予定で話を進めています」


 年内は無理だと思ったけど、もう単行本か……。


「あの、描きおろしって何ですか?」


 和音そう質問する。


「要するにおまけです。でも今回は少し異例でして、ニ十ページ分描くことになります」


 確かにそれだけの描ききおろしは見た覚えがない。


「それって、どうしてそこまで長い描きおろしなんですか?」


「今回オムライス先生の漫画は五話分、約百ページ。単行本を出すには短いのでそうさせていただけたと思います」


「その、私にはよく分からないんですけど、そこまで長く描いてまで単行本を出す理由って何ですか?」


「これは完全にワンストップの方針ですね。今勢いが一番あるオムライス先生の作品を出すことによって、少しでも稼ぎたいみたいです」


「俺は全然かまわないんですが、内容の指定ってありますか?」


「今回はファンレターの中でも要望の多い妹をメインヒロインに書いてもらいます」


 その言葉に俺は言葉に詰まってしまう。


 実の妹がいながらパンチラ多めの作品のメインに妹キャラを使うのは少し抵抗がある。


「了解しました。少しでもいいものにできるように頑張ります」


 俺に代わって和音が先に答えてしまう。


「和音がいいなら俺も問題はありません。ぜひやらせてください」


「ありがとうございます。では、妹キャラのメインが書き下ろしであることを宣伝させてもらいます」


 文月さんは安心したように息を吐いて、俺達に笑いかけた。


 元々上の人たちにその方向で動くように言われていたんだろうな。


 その後は最新話の原稿を読んでもらい意見を出し合って、話し合いは終了し帰路についた。


 帰り道の和音はどこか上の空で、もしかしたら書下ろしの内容を考えてくれていたのかもしれない。

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