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和音の妄想日記⑦

 放課後になって生徒会室に来た私は、目安箱の質問の整理をしながら今朝の出来事を考えます。


 まさか私が寝坊するなんて……。それに私、寝ぼけて変なこと言ってないかな?


 夢の中で兄さんと結婚式をする夢を見てたし……。まぁ、兄さんだし大丈夫だよね。


 一人でそう結論付けて、ふざけた投書を省いていく。


 この目安箱は生徒会長の天使さんが生徒の生の声を聞きたいと言って、生徒会室前に設置したものだ。


 投書の大半が彼氏いますか? パンツは何色ですか? などといったどうでもいいものが多い。


「会長、もうこの目安箱をなくしませんか?」


 右隣でノートパソコンに凄い速度で文字を打ち込んでいる、会長にそう話しかける。


「ダメよ。どうしてそういうことを言うのかしら?」


 入力作業を止めて、私の方を見て不思議そうにそう聞いてきます。


「それは、こんな悪戯としか思えない投書が多いからです」


 紙を一枚滑らせて渡す。


「ふふ、和音は何色なのかしら?」


 紙に目を通した会長が少し笑って、ノートパソコンを閉じて聞いてきました。


「答えるわけないじゃないですか! ふざけてます」


「固いわね。そう言えば硬いと言えば今日、和音のお兄さんを勃起させられなかったわ」


 その言葉に咽てしまって、私は飲んでいた紅茶を吹き出してしまいます。


「な、何言ているんですか? 兄さんに何をしたんですか?」


「慌てないで、兄妹そろって可愛いわね」


 会長は面白そうだ。


「何をしたか教えてくれます?」


 私は投書を横に退けて、身を乗り出すように聞きます。


「ただ、男の子が入ってきたから官能小説朗読しただけよ。たまたま、和音のお兄さんだっただけよ」


 私の様子に落ち着いてと言う感じで、答えてくれました。


「なにをしてるんですか! 痴女ですか?」


「酷いわね。物書きとしての探求心よ」


 さらりと返してきます。


「でも、兄さんは反応しなかったんですね」


「あら、やらしい」


 つい呟いてしまった声を、会長は聞き逃しません。


「や、やらしいのは、会長です」


「まぁ、そういう事にしといてあげるわ。それで、お兄さんの好みの女性ってどういう子なのかしら?」


 何だか納得いきません。けど、それよりも――


「そ、それはどういう意味ですか?」


 もし会長が兄さんを異性と意識しているなら警戒が必要になってしまいます。


「そうね……。私みたいな美人があんな声を出してもなんともない人だから、もしかしたらロリコンとかなのかと興味がわいたのよ」


 その言葉に、安心しました。


 それにしても、自分を美人だというのは流石です。


 まぁ、スラリとした体に長い艶のある髪が綺麗で、切れ長の目はカッコ良く同性の私からしても魅力的な女性だとは思いますけど。


「兄さんは真面目なだけです」


「ふふ、本当にお兄さんが好きなのね」


「そ、そんなことありません」


 会長はその後も私をからかってくるのでした。

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