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剣塚銀

「というわけで、明日からダンジョン演習だ!班は、適当に組むように!」


「「キョウヤ!」君!」

ルクスと九条さんに両手をそれぞれ掴まれる。


「班って3人でいいんだっけ?」


「多分、大丈夫ですよ。」


「俺は、お前以外とは気が合わんし、足並みそろえられんしだから、頼む!」


九条さんは、委員長タイプの大和撫子で、誰にでも別け隔てなく接する性格。

クラスの男子からかなり人気だ。

ルクスもさわやかイケメンで、一匹狼な所が、女子から人気のようだ。

そんな二人に対して、俺は、見た目モブの急に来た転校生。

実力もわからん。

二人と並んだら、かなり浮いているのがわかる。


かと言って、二人の過激ファンに狙われたりすることはなかった。

うちのクラスは常識ある生徒ばかりの優等生クラスだから。

それでも、やっぱり、転校生の実力はどんなもの?と気になる空気は感じていた。

そんな空気は、実力的に1つ下のBクラスの問題児によって解決されることになる。


昼休み。

俺は、1人で、裏庭で食べる。

九条さんもルクスもいない。

九条さんは、女子仲間と食べているし、ルクスは早弁してダンジョンにでも遊びに行っているだろう。

まあ、それもあるが、俺もたまには1人になりたい。

俺は、元来そういうタイプなのだ。


そんな俺が、購買の出来立てのパンでもない、朝にコンビニで買って来たサンドウィッチにお茶で昼食を済ませて、寝ているところをいきなり絡まれる。


「おい、転校生!真っ昼間から昼寝とはいい身分じゃねーか。ちょっと、面、貸せよ。」


見るからに不良。

俺は、ちょっとしたドキドキとともに、ベンチから起き上がる。

実は、俺は不良マンガとか憧れていたタイプだ。

この絡まれているという状況に、うずうずしてしまうのは仕方ないだろう。


「銀龍に来て、俺にアイサツも無しとは良い度胸だな。」


拳が俺に突き刺さる。

身体強化で受ける。


向こうは俺が身体強化を使ったのを見て、当たる瞬間に身体強化を使ってきた。

俺はベンチを越えて、吹き飛び、後ろのフェンスにぶつかった。

相手のレベルは30くらいだと思う。

レベルが高いわけではない。

身体強化の発動が上手い。

それに、俺の身体強化を見てから自分の手を考えていたようで、目と勘もいい。


何より、俺に当たる瞬間に一瞬だけ、身体強化を使い、強い衝撃を発生させるやり方。

このせいで、俺はノックバックのダメージを受けた。

俺は、こんなやり方は見たことがなかった。


「剣塚銀だ。早く立って相手しろ!」


俺は、身体強化を切って、立ち上がり、剣塚に向き直った。


真っすぐ伸びてくる剣塚の拳。

俺はそれに合わせて、拳を当てに行く。

剣塚と俺の一瞬の身体強化。

パンとお互いの拳が弾ける。


剣塚は、一瞬だけ驚いた表情を見せたように見えたが、そのまま蹴りを放ってきた。

俺は、今度は、ガードで受ける。

お互いの一瞬の身体強化。

弾けるガードと蹴り。


「お前、名前なんて言った?」


「建宮恭也。」


そこからは一瞬の身体強化と殴り合いが始まる。

午後の授業は、また、サボりになってしまった。


「いい加減、倒れろ!」


「お前が、倒れたらな!」


最後は、俺が身体強化を切った状態で、あえて攻撃を顔面で受け、その力をそのまま乗せた右ストレートを叩き込み、勝った。


「んだよ。お前。強すぎんだろ…。」


そう言って、剣塚銀は、倒れた。


俺と剣塚のケンカは学校中から見られていて、校舎の窓から丸見えの教室もあり、俺の印象はいつの間にか不良の仲間入り?でも、学院長の娘さんと仲いい?ルクスとは授業サボってた。

→【要観察の問題児】となったらしい。


最後に、学院の先生たちは、みな微笑ましい顔で、俺と剣塚のケンカを止めようとはしなかったのだとか…。

いいのかこの学院?

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