87 デスゲーム?
ハスハ【焦げ臭い匂いはこっちからだったハズなのに、何の匂いもない。】
レイジ【それより何だ?軌跡が読めない。軌跡がない?】
レマン【多分ブラフだけど、引いた方が得策だと思うわ。】
ハルマ【・・・ブラフ?】
コトネ【うーん。この状況が中に物凄く強いヤツがいる可能性を示唆してるってコトね。】
レイジ【そして、これは十中八九幻術だけど、並みの使い手の幻術じゃない。】
レマン【幻術だとしたら、霧具か魔物の能力。】
【つまり「想定外」が起きる可能性が高いの。】
ハスハ【魔物使い・・・?】
レマン【多分ね。】
【魔物を操作できるレベルの生物操作はレアスキルになるんじゃないかな。】
【何種類の魔物のどんな能力が相手の手札にあるか見当もつかない。】
【強者に扮するってコトは知性が高い可能性が高いし、踏み込むのは危険すぎる。】
ハルマ【とりあえず、カルマに突っ込ませてみようか?】
レマン【え?もしかして、我召喚生物は無敵だとか思ってない?】
【我召喚生物は本体との繋がりが切れたら消滅するのよ。】
【だから未知の能力者に突っ込ませるのは自殺行為に等しい。】
レイジ【悪いヤツじゃなさそうだし、変に刺激するのも良くない。】
【ココは放置が正解だろうな。】
ハルマ【手掛かりゼロでとんぼ返りかよー。】
コトネ【いいえ、解ったことはある。】
【恐らくかなり優秀な「魔物使い」が脅威を感じて避難してる。】
【つまり、敵はかなり強大ってコト。】
レイジ【ホクーセンが関与しているのは間違いないが、強大な宇宙人がバックにいるんだろうな。】
【ホクーセンがブレインなら、その目的は軍事力の誇示とかだったんだろうけど、これで全然読めなくなったな。】
ハルマ【はぁ、つまりは何も解らないことが解ったってだけじゃねーか。】
レマン【うーん。強大な宇宙人が能力発展途上の世界に来て何がしたいの?】
【衝動的な行動とは思えない。何か明確な目的がある。】
【ま、普通に考えたら強くなることでしょうね。】
レイジ【魂合成の実験で手駒を増やしつつ、自分を強化する手段を探ってる?】
レマン【そういうこと。で、私らは半端な魂合成人間より強い。】
【つまり・・・。】
レマンがそう言うと、目の前の空間がヒビ割れて中から黒服の男が現れた。
黒服の男【ええ。あなた達は合格です。】
【能力・知性ともに悪くないレベルです。】
【第一関門クリア。第二関門へお進みください。】
そう言って黒服の男が両手を広げると、視界が真っ白になった。
レイジ(気を失ったのか?多分一瞬だと思うが。)
気が付くとレイジは一人で白い小部屋にいた。
その部屋は扉があり、一本道を暫く進むと円形の大部屋があり、そこには20人ほどの人間がいた。
全体を見渡すと、その中にコトコ、イツキ、ミヅキがいる。
コトコ「あ、レイジくん。久しぶりー、元気だったー?」
レイジ「この状況でそのノリかよ。相変わらずだな。」
「まー元気だけど、ココ何だか解る?」
ミヅキ「デスゲームでも始まるのかな?」
イツキ「ガチでそういう感じだよね。」
レイジ「みんなも宇宙人と戦って黒服に連れてこられたのか?」
コトコ「うん。コンサート会場でまた宇宙人が現れてさ。」
「野良の能力者と協力して何とか倒した。」
「したら次の瞬間変な小部屋にワープ?」
「黒服は見てないよー。」
レイジ(俺と状況が違う?彼女らは合格していないのか?)
(だとすると、何故ココに?嫌な予感がする・・・。)
レイジがそう考えていると、大部屋の中心に嫌な笑い方をした男が現れた。
エンリギ【ボクはレイジの第二関門の担当のエンリギだよー。】
【キミに与えられた初期ポイントは20点。】
【5点以上持ってゴール出来たら合格だよー。】
【準備が出来たらボタンを押してねー。】
エンリギと名乗るその男はそう言った後、クルクル回って姿を消した。
そしてその場には「20」と書いた立体映像の看板が残された。
少し沈黙が続いた後、周りはザワザワし始めた。
暫くすると、ヤンキー風の男が叫んだ。
ヤンキー「おい!アイツが言ってたボタンってこれじゃねーか?」
「何だか解んねーけど、こっから出る為には押すしかねーんだろ?押すぜ。」
そう言って、その男はボタンに触れた。
次の瞬間、男の身体は炎上。
直ぐに近くにいた女が水を出して消火したが、既に絶命していた。
そして、直後に「20」の数字がピコンという音を立てて「19」に変わった。
それを見て残された人々は泣き叫び大騒ぎだ。
レイジ(この場にいる人は俺を入れて20人。)
(俺以外の人間が1点、つまり5人以上生かして脱出しろってコトか。)
(水を出した女は能力者。恐らく全員が能力者ではあるのだろう。)
イツキ「みんな!静かにして!ココに世界大会で活躍したレイジがいる。」
「彼に任せれば、被害者は最小限に抑えられる。」
周りは「あのレイジさん」とか「花鳥名月だ」とか言って、更に五月蠅くなったがすぐに静かになった。
そして、レイジとボタンの間に道がつくられた。
レイジは恐る恐るボタンに近付いた。




