86 ホイトワを救う道
暫くして落ち着いたレイジは、自らの身体からホイトワの結晶を出した。
それは指輪の形となり、レイジに装備された。
レイジ(今の俺が全力で結晶化すれば、1年じゃなく永遠に魂を保存できるハズ。)
(これで完璧な魂融合術を見つければ、ホイトワを復活させられる。)
ホイトワの指輪
魂量0.8のホイトワの魂で出来た指輪。
無色透明な0.2の魂を「完璧な魂融合」で融合することでホイトワになる。
装備者は、ホイトワの魂結晶化を少しだけ使うことが出来る。
使い過ぎると魂が漏れ出す可能性があるので注意。
ハルマ「ホイトワはどうなったんだ?死んだ・・・のか?」
レイジ【仮死状態でこの指輪の中にいるって言えば大体合ってるかな?】
【高位の魂融合術があれば、復活できる。】
レマン【欠損した魂の補修が必要ってトコかしら?】
【人間に出来るとは思えないからドラゴンに頼む?それより霧具の方が現実的でしょうね。】
【まー、地球にも霧具をつくれるメイカーの才能がある人がいるんじゃないかな。】
【メイカーは10億人に1人くらいと言われているから。そのくらいいるでしょ?】
レイジ【地球の人口は80億だっけ?思ったより希望があるな。】
【ところで、何があったんだ?ホクーセン?それとも宇宙人?】
ミズノ【うーん。わたしらも突然の襲撃に対応してただけで、状況はよく解ってない。】
【わたしたちが集まってれば、そのうちマイさんが説明に来てくれるでしょ。】
【余程の非常事態じゃない限り・・・。】
ハスハ【いやー、少なくとも非常事態だと思うっすよ。】
【何かコゲ臭い。遠くの方で戦いの気配・・・。】
レイジ【確かにこれは霧の能力で発生した煙。】
【何か妙な感じの動物・・・?がいるな。】
【人を襲っているみたいだ。行ってみよう。】
レイジ・コトネ・ハスハ・ハルマ・レマンの5人で移動を開始した。
他はその場で待機。
移動中にコトネがスマホで連絡しようとしたら、圏外だった。
ここはさっきの様な異世界ではない。
昼間の街中で圏外。
一同は多くを語らなかったが、想像以上に非常事態だと理解していた。
目的地は近くのデパート。
歩いて10分くらいか。
少し歩くと、壊れた建物の隙間から黒い獣が襲い掛かってきた。
ベトベトした、太く長い毛を生やしたオオカミの様な生き物。
狙いは先頭にいたハスハ。
ハスハはオオカミの引っ掻き攻撃を避け、霧の剣で反撃した。
しかし、ベトベトの体毛はその攻撃を防ぎ、剣を折った。
ハスハはバックステップを踏み、ハンマーを出して再び攻撃。
今度はハンマーは壊れず、オオカミにダメージがあるようだ。
それを見て、レイジは速射を撃った。
オオカミの目を狙っての不意打ちの一撃は、オオカミの命を一瞬で刈り取った。
ハスハ【流石レイジさん!ウチの技だとこう簡単にはいかないかったっす。】
レイジ【まぁ、相性的なのもあるしな。しかし、何なんだ?コイツは。】
レマン【オイル・ウルフ。魔物よ。】
【強敵じゃないけど、面倒なヤツ。】
【瞬殺できて良かったよ。】
魔物
異世界にいる好戦的な動物の総称。
普通の動物よりかなり強い。
基本的に一つだけ霧の能力を使う。
霧が星に行き渡ってから1年ほど経つと出現すると言われている。
故に地球で自然発生したとは考えにくい。
オイル・ウルフ
能力:ベトベトの体毛
この体毛は高い守備力を誇るがよく燃える。
基本的に噛み付きと引っ搔き攻撃がメイン。
毛が燃えると燃えた毛を操って火炎攻撃もしてくる。
燃えた身体での突進は脅威。
ピンチになると、自ら火を点けることもある。
体毛が燃え尽きると半日くらい回復しない。
この状態のオイル・ウルフは非常に打たれ弱い。
基本的に10体ほどの小さな群れで行動する。
上位5体が中心となり、下位の5体が単独で偵察を行う。
そして、脅威を発見すると群れ全体で対処する。
ハルマ【多分、見られてたな。】
【1匹逃げていったように見えた。】
【これって群れで襲ってくるのか?】
【勝ち目がないと考えて撤退する可能性は?】
レマン【魔物が引いたのを見たことがない。】
【ヤツらは戦闘狂。格上が相手でも嬉々として襲ってくる。】
【そういう危ない存在よ。】
レイジ【まぁ、速射で全員撃ち抜けば楽勝だろ?】
レマン【どうでしょうね。ま、考えても仕方ないし、先行きましょ。】
魔物は常に敵意と殺意を振りまく戦闘狂。
故に軌跡読みをすれば本来、かなり遠くからでも察知できるのだ。
それなのに今回、不意打ちをされたという事実。
それは、敵がオイル・ウルフだけではないという証。
5人の中にこの事実を知る者はいない。
しかし、軌跡読みが出来るレイジと魔物の性質を知るレマンは、言葉にならない違和感を感じていた。
5人は警戒態勢を取りながら移動し、デパートに着いた。
諸事情により更新が遅れております。
来月中には元のペースに戻れる予定です。




