83 それぞれの戦い②
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オカダ「よう、ハルマ。加勢に来たぞ。」
オカダが向かった先は屋上の駐車場。
そこにはハルマがおり、無数の仮面の敵と戦っていた。
ハルマ「ははは。助かった、のかな?」
「敵の本体は、恐らくあの水晶が突き刺さったヤツ。」
「水晶のお陰で意識が飛んでるみたいなんですけど、何か召喚体がウジャウジャ湧いてくるんです。」
「オレはまだ少し余力ありますけど、そこでムラモトさんがバテてます。」
ハルマが指差す先には座高で2mくらいある巨人が座っていた。
壁にもたれかかり両手から次から次と仮面の男が出てきている。
そして、その肩には巨大で薄い水晶が突き刺さっている。
オカダ「・・・この仮面共と戦っていて勝機はあるのか?」
オカダはとりあえず加勢しながらハルマに話しかけた。
仮面の敵は、1体1体がミストバトルの下位レベル。
1、2体なら何の問題もないが、四方を囲まれての持久戦は骨が折れる。
ハルマ「召喚体ってことは結構少なくない霧を使ってるハズ。」
「効率よく殺していけば、そのうち霧が尽きて決着がつくと思います。」
オカダ「・・・とりあえず、お前の作戦に付き合ってやる。」
「ムラモトは・・・、頑張って死ぬなよ。」
ムラモトは静かに頷いた。
本当にキツそうだ。
汗でぐっしょりで隅っこに座って、速射で近付く敵をけん制している。
オカダが参入してからは状況が一変した。
技巧派のハルマは一体を倒すのに5秒ほど掛かっていたが、オカダはワンパン。
物凄い早さで仮面の敵を駆逐していく。
ハルマ(今のオレはオカダさんと近い強さと思っているが、火力で比べると圧倒的だな。)
(なんだかんだで頼りになるオッサンだぜ。)
さっきの五倍速で敵を倒していくが、それでも敵の数は全然減らない。
素早く倒した分、素早く召喚されているようだ。
しかし、二人の対処で精一杯なのか、ムラモトはスルーされているようだ。
オカダとハルマ・カルマは気合いを入れ直し、背中合わせで戦闘を続ける。
オカダ【アイツ本当は狸寝入りなんじゃないか?】
【召喚ペースが上がったり、ムラモトを放置するのは手動の証な気がするぞ。】
ハルマ【その可能性は考えてました。で、テレパシーってコトは良い作戦があるんですね?】
オカダ【ああ、準備が整ったらオレの我召喚でコイツらを皆殺しにする。】
【その隙にカルマが本体に全力で特攻を頼む。】
ハルマ【何があるか解らないからカルマでってコトですね。】
【了解です。】
それから、オカダはアシッドスライムを地面に侵入させた。
アシッドスライムは時間をかけると少しずつ巨大化する。
策がないフリをしながら、敵を倒すのに十分なサイズまで巨大化させる。
ハルマはもう体力の限界だったが、オカダのお陰で希望があるので何とか最後の力を振り絞って戦いを続けた。
そして、
オカダ「おらっ!!」
約100体の仮面の男に一斉に強酸を浴びせるオカダ。
カルマは足を溶かしつつも、藻掻く仮面の男たちを踏みつけて本体の元に向かう。
と、同時にオカダもカルマに続いた。
ハルマはもうその体力はなく、その場に座り込んだ。
それに気付いて、やはり起きていた本体は目を開けて両手を合わせた。
本体【くくく。雑兵共と戦って死んだ方がマシだったと後悔するが良い。】
【わたしの真の召喚獣を見せてやる!!!!】
本体はそう言って凄むが、特に何も起きず、カルマの鉤爪が合わせた両手を切り裂いた。
通常ならこれで勝敗は決するが、相手は異形の怪物。
何が起こるか解らないので息の根を止めた。
カルマ「オカダさん。コイツの召喚獣とやらは何で出てこなかったんですかね?」
オカダ「仮面の男が絶命していなかったからだな。」
「強酸を浴びれば人は死ぬが、即死はしない。」
「召喚獣を呼び出せるだけの魂が、コイツにまだ戻ってなかったんだよ。」
カルマ「間抜けっすねー。」
「確認して自死させれば際どい勝負になったのに。」
オカダ「そう言えば、お前喋れたのか?」
カルマ「当然ですよ、人間ですから。」
「まー考えが同じハルマがいると喋る機会ないんですよ。」
オカダ「じゃあ、お前たちは休んでろ。」
「オレは余力があるから他の救援に向かう。」
カルマ「真面目っすね。頑張ってください。」
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ハスハ「あれー?また同じ廊下。」
「幻術なんだろうけど、どうなってんだろ。」
「ってかウチ幻術使いと会い過ぎじゃない?」
ハスハは病院の三階にいた。
三階の何処かで戦闘が起きているのは解るのだが、たどり着けずにいた。
その様子をプロジェクターの様に壁に映し出して女性が笑っている。
モロー【くふふ。見てみなよ。】
【折角応援が来てくれたのに、辿り着けないみたいねぇ。】
【アンタら二人じゃこのモロー様に勝てない。でも応援も来れない。】
【くふふ。盾のあなたはもうそろそろ死んじゃうんじゃない?】
コトネ「ジョージさん。あとは一人で戦うんで休んでください。」
ジョージ「それは無理ですよ。」
「あなたの能力と敵の能力は大体解りました。」
「あなた一人で彼女を倒せる確率はゼロだと思います。」
コトネ「じゃあ、二人なら?ゼロじゃない?」
ジョージ「・・・。」




