74 宇宙人の目的
ハスハ【うーん。1人の一般人を助けるために死ぬなっていうのは、納得できるっす。】
【でも、30人の一般人と1人の仲間でも、仲間優先っすか?】
オカダ【勿論、一般人100人よりも仲間1人。いや、能力者1人が優先だ。】
【何故だか、解らんか?】
レイジ【ゴールがないから?】
オカダ【そうだな。オレたちの敵は特定の組織じゃない。】
【いつ現れるか解らない、無数にいる宇宙人だ。】
【オレたちが戦いで死んでいけば、何れこの星は宇宙人に支配されるか滅ぼされる。】
バーブラ【完全なゴールではないけど、目指すところはあるよ。】
【強い能力者の存在は抑止力になる。】
【私らが強くなれば、こういう事件はそもそも起きにくくなる。】
ハスハ【・・・了解。人助けをしたければもっと強くなれってコトっすね。】
レイジ(俺ってサイコなのかな?)
(別に面識ない無能力者が何人死んでも大したことないと思っている。)
(勿論、可能な範囲で助けた方が良いと思うし、実際助けるけどさ。)
この考えは、元々生物操作が得意な能力者だったことが原因だ。
当時初心者のレイジでさえ、無能力者を自由に操ることが出来た。
つまり、無能力者の人権を確保するのは徐々に不可能になる。
いつ犯罪者に操作されるか解らないからだ。
「こういう事情」をレイジは無意識に理解していた。
実際に多くの星で、霧を扱えない人間には基本的人権がない。
人の命は最早平等ではないのだ。
気を取り直して、作戦を練るレイジたち。
今のメンバーで敵を殲滅することはほぼ不可能。
ゲートで仲間を呼んで総力戦を仕掛ければ、十中八九勝てるだろう。
しかし、4階の30人は勿論、一般の宿泊客の犠牲も多数出るだろう。
一般人を優先はしないが、一般人の被害を無視して良い訳ではない。
可能な範囲で最小限に留めるべきではあるのだ。
それに一般人を盾にされたら、やはり辛い。
バーブラ【戦うならホテルを出たメンバーに攻撃を仕掛けるのが良いだろう。】
【一般人のコトもあるが、ここで戦えば地の利は相手にある。】
レイジ【そうだな。コイツらもここに引き籠ってる訳じゃないだろうしな。】
【出来れば、洗脳する能力者を潰したいところだが・・・。】
ハスハ【て言うか、マイさんが読めなかった敵の数とか、何でレイジさんはアッサリ見抜けたんすか?】
レイジ【ホテルの周りに軌跡を読ませないバリアみたいなのを張ってたからだよ。】
【ホテル内部に入った瞬間、一気に情報が入ってきた。】
【でも、認識阻害のお陰でコッチの存在はバレてない。】
【作戦が上手くいったようだ。】
バーブラ【さーて、じゃあ動きがあるまでトランプでもする?】
ハスハ【流石アメリカ最強。肝が座ってるっすね。】
【ウチはちょっとそういう気分にはなれないっす。】
オカダ【まー無理にすることはない。オレはやろうかな。】
レイジ【残念ながらその時間はないみたいだ。】
【4人が動くぞ。多分外に出る。】
レイジたちは4人の後をつけた。
しかし、暫く歩いて曲がった瞬間気配が消えた。
そして気付くとレイジたちの後ろにいた。
宇宙人A【よう。】
【お前たちはこの星の精鋭だな?俺たちに何の用だ?】
レイジ【お前たちが俺たちにとって有害なら排除したい。】
宇宙人A【ま、そんなトコだよな。】
【俺らはなー、折角ゼロ・ホールに行きついたからよ。】
【無能力者で遊んで憂さ晴らししたいだけさ。】
【毎日2、3人を玩具にして殺すだけ。】
【そのくらい見逃しても良いだろ?】
ハスハ【はあ?ふざけんなよ!!】
オカダ【落ち着けハスハ。想定内だ。】
【なるほど、お前らはそういう輩か。】
【つまり、オレらが脅威なら遊びは止めるってコトで良いな?】
宇宙人A【話が早いね。そういうつもりだ。】
【今からお前らは俺たちと1対1で戦う。】
【お前らが2勝したら、俺たちは撤退する。】
【2勝できなかったら、俺たちを黙認しろ。】
オカダ【解った。約束する。】
ハスハ【何すかこれ?よくある展開なんすか?】
オカダ【まぁな。コイツらは、下衆だが話が出来る連中。】
【戦いに勝てば、被害は最小限に食い止められる。】
レイジ【また試合形式か。ルールとかあるのか?】
宇宙人B【基本的にギブアップか気絶で勝敗が決まる。】
【殺しちゃダメってルールはないが、故意に殺すのはマナー違反。】
【あんまり酷いコトすると、話がややこしくなるぜ。】
ハスハ【ウチらも好んで殺しはしない。】
【良いよ。そのルールで。】
宇宙人の一人が、不思議な道具を使うと周りが真っ白になり、それぞれが別の空間に運ばれた。
ウセミン【キミがボクの相手か。】
【ボクの名前はウセミン。】
【キミはさっき興奮してた子だね。】
【ンフフフフフフフ。面白いねぇ。ボク好みだよ。】
ハスハ【ウチはハスハ。ウチはアンタらが大嫌い。】
【人の命を弄ぶ連中は許せないよ。】
【絶対に負けないんだから!!】
ハスハは言うと同時に突進し、薙刀の様な物質を出してウセミンに攻撃した。
しかしその攻撃は空を切り、ウセミンはハスハの足に纏わりついた。
そして、足を舐めながら不気味な笑い声をあげた。




