70 ハルマ対バーブラ
レイジとバーブラは補佐官に促され、会議室に行った。
暫く待つかと思ったが、5分も経たずに大統領が現れた。
サイラス【ようこそホワイトハウスへ。】
【わたしが大統領のサイラス・アルバだ。】
【まずは偉大なる戦士レイジ。同胞の為に命を掛けて戦ってくれたことに深く感謝する。】
バーブラ【それで、ホクーセンと戦争するんですか?】
サイラス【ああ。今回の事件についてホクーセンに抗議したが、マトモな謝罪もない。】
【同胞の命を多数奪い、世界大会の決勝を台無しにしたホクーセンを、もう容認することは出来ないと考えている。】
【日米の精鋭で、ホクーセンに交戦を仕掛ける。】
【可能ならカネイル大総統の暗殺で済ませたいが、恐らく全面戦争となるだろう。】
レイジ【今回の件で、ホクーセンに悪感情を持った国は多いと思いますが。】
サイラス【それは解っている。】
【だが、今回の事件はホクーセン単独とは思えないのだよ。】
【裏切りは命取り。そしてホクーセンの仲間ではないと断言できるのは、君がいる日本だけなんだ。】
ホクーセン襲撃は一週間後。
日米の精鋭18人が6チームに別れて行動。
ビーン補佐官率いるゲートチームが、この18人を常にバックアップする。
目的はカネイル大総統の殺害。
ミストバトルの代表選手を見る限り、ホクーセンの普通の能力者は大したレベルではない。
あのレベルなら何人いても驚異ではない。
問題は、魂合成人間。
彼らをなるべく3対1で倒し、その後一旦退避。
回復したら再び戦場に復帰する計画だ。
これだけだとかなり不安がある計画だが、マイの超絶軌跡読みもあるし、何とかなる気がする。
とりあえず、レイジとバーブラで日本の代表メンバーを決めることになった。
何やかんやあって、やっと帰国できる。
レイジたちはジョナス邸に戻り、ホイトワのゲートで対策課に向かった。
マイ【お久しぶりです。レイジ。】
【そして、バーブラさん。日本へようこそ。】
【大統領から事情は伺っています。】
コトネ「レイジ、もう大丈夫なの?」
レイジ「ああ、実力以上の能力行使の代償で寝てただけみたいだ。」
コトネやオカダ、その他居残り組から称賛と心配の言葉を多数貰うレイジ。
実際、最後は棄権してしまったが、レイジ個人は大会全戦全勝。
世間ではもう完全に日本最強扱い、世界最強もレイジかバーブラかという話になっているようだ。
しかし、居残り組も遊んでいた訳ではない。
主力が抜けた日本で、宇宙人と戦っていたのは彼らなのだ。
特にハルマは以前とは雰囲気が違う気がする。
それに、レイジの講義を受けていたハスハも今では対策課の主力の一人らしい。
ハルマ【折角、バーブラさんもいることだし、ホクーセン行きの参考にもなるし、手合わせしようぜ。】
【日本代表メンバー対居残り組で!!】
バーブラ【フフフ。アンタ面白いね。】
【実力差は解ってるんだよね。】
【自分の方が弱いって解ってて、それでも勝とうって思ってる。】
【アンタみたいなの大好き。やろうか?】
ハルマ【クッソ。舐められてるな。】
【油断して勝てる相手じゃねーぞ、ってトコ見せてやるよ。】
何か流れでハルマ対バーブラで戦うことになった。
その後、レイジやコトネたちも戦うようだ。
周りは少し呆れている感じだが、それ以上に生バーブラの戦いに興味津々って感じ。
ホイトワが召喚し、審判をすることになった。
ホイトワ【じゃあ、召喚体バーブラ 対 我召喚生物カルマ。試合開始。】
ハルマ&バーブラ【よろしくお願いします。】
先制攻撃を仕掛けたのはカルマ。
手甲から三連の矢を発射した。
以前見た手甲は、比較的地味めなものだったが、今のは何となくファンタジーな手甲に変わっていた。
落ち着いたブルーを基調に鮮やかな色彩、龍の頭の様なデザインになっている。
これはハルマの意図したデザインではないだろう。
恐らく、カルマの能力の真の姿なのだろう。
バーブラはそれを弾力と粘着性の糸で受け止める。
すると、その矢はすぐに霧散した。
バーブラ(なるほどね。あくまで召喚体は人間。)
(手甲も矢も身体の一部じゃなく能力の一つと解釈して良いのかな。)
バーブラは矢を回避しつつ接近してナイフで攻撃。
カルマも体術や手甲でそれに対処しつつ、距離を取ろうとする。
中距離戦だとカルマに分がある。
接近戦だとバーブラに分がある。
激しい乱打戦だが、双方クリーンヒットが無いまま長い時間が経過する。
バーブラの楽勝と思われた戦いだったが、かなり良い感じの試合になっている。
とは言え、結局バーブラが勝つのだろうと誰もが思っていた。
ハルマ以外は。
最初に有効打を入れたのはカルマだった。
一本の矢が霧散せずにカーブし、バーブラの左肩に直撃した。
バーブラ(「身体の一部」もあるってコト?)
(・・・違う。糸で操作したんだ。)
(姑息、と普通なら思うでしょうね。)
(でも、明らかなパワー型がこういう小技を習得するのは簡単じゃない。)
(血の滲むような努力をしてきたんでしょうね。)




