07 ゴウタとの決別
ゴウタ「悪かったよ、レイジ。」
「ところで、何故レイジはここにいるんだ?」
ゲートが大きくなり、ゴウタとリュージがコトコの部屋に入ってきた。
レイジ【コトコさん、俺は今から色々と嘘をつくけど、否定しないでね。】
レイジ「昨日と同じ目に遭いたくなかったら、起きたこと全部話せってコトコに言ったんだよ。」
「コトコ脅したのはゴウタだろ?」
「結局お前は俺の敵なのか?」
リュージ「レイジ、テメエ何調子乗ってんだ!!」
そう言って、リュージはレイジ襟首をつかんだ。
レイジは恐怖で震えるのを必死に堪えて、虚勢を張った。
レイジ「何だこれは?YESってことか?」
ゴウタ「リュージ、離せ。」
「・・・。」
ゴウタが考え込んだ隙にレイジは二人に受信針を刺した。
これで、操作出来ていれば、もうレイジの勝ちだ。
レイジ「二人とも、正直に話せ。」
リュージ「何でそんな強気になってるか知らねーが、本気でオレらと敵対する気あんのか?」
「別に攻撃能力無いならボコって終わりだ。」
「ゴウタ、もうやっちまおうぜ!」
ゴウタ「ふざけんな、黙れテメエ!」
「オレは本気で良い関係を築きたいと思ってる。」
「色々と企むクセがあって色々やっちまったけどさ、敵意はない。」
「今度しっかり埋め合わせするからさ。」
レイジはゴウタの言葉に違和感を持ち、暫く沈黙する。
ゴウタ「レイジ、何かしたのか?」
「何を隠してる?」
レイジ「何もないよ。気にするな。」
ゴウタ「そうか?」
「様子が変だが・・・。」
「おい、リュージこっち来い!」
ゴウタはそう言ってゲートを開いた。
レイジ「動くな!」
そう言うと、リュージは動きを止めた。
それを見たゴウタは急いでゲートで何処かに行ってしまった。
レイジ「リュージ、お前たちは何故ココを盗聴していた?」
「今の状況をどう理解してる?」
リュージ「ゴウタが入れた監視アプリで、お前がコトコの家にいるのが解ったから、どういうことか知りたかった。」
「お前がオレを操作して、それに気付いたゴウタが逃げた。」
「何だこれ?お前に死ねって言われたら、オレは死ぬのか?」
レイジ「さてね。自殺と殺人は出来ない可能性もあるだろう。」
「試したことがないからな。お望みなら試そうか?」
「カンナは何してる?ココに呼べるか?」
リュージ「勘弁してくれよ・・・。」
「解った。今連絡する。」
「・・・、何か丁度向かってるらしい。」
レイジ「コトコ、カンナと仲良いのか?」
コトコ「都合よく利用されてるだけ。ここはよく彼女らの飲み会に使われる。」
「彼も何度かココで飲んでる。」
レイジ(マジか、コトコは俺と同じ境遇だったのか。)
暫くするとカンナが来て、即時操作。
ゴウタから連絡が来たらレイジに教えること。
レイジにとってマイナスになる行動はしないこと。
メールで指示をする可能性があるから常にそれを受けれる状態でいること。
能力を鍛えないこと。
この辺の「命令」をして別れた。
レイジ「ふぅ、コトコさん、何でゴウタには操作が効かなかったと思う?」
コトコ「多分、ある程度強い人には効きにくいとかじゃないかな?」
レイジ(やっぱりそっちの可能性が高いか。)
(ゴウタは俺と同様に毎日能力を鍛えていたハズ。)
考えられるパターンは三つ。
①一部の人間には操作が効かない。
②レイジのレベル以下にしか操作が効かない。
③レベル○○以下にしか操作が効かない。
①か②なら、長期的に使える能力だ。
しかし③の場合、そのうち能力者には使えない能力になる。
少なくとも、戦う術にはなり得ない。
初動で乱用して情報収集して、「次」の能力を考えるべきだ。
そんなことを考えながら、レイジは静かに野望に燃えていた。
花鳥名月のイツキを操作してミヅキの情報を聞いて、ミヅキと仲良くなるという野望。
ミヅキを操作することも容易いが、確定で嫌われてしまう。
イツキは弱みを握って口止めをしておけば、後に操作が解除されても問題ないだろう。
ゴウタは暫くレイジに接触してこないだろう。
少なくとも、操作される可能性がゼロになったと確信するまでは。
その後、レイジはスマホショップに行って、監視アプリを外してもらった。
それから、ライブの日まで能力を鍛え上げた。
その頃、ゴウタは・・・。
ゴウタ(クソ、レイジのヤツ何か隠してる気はしてたが、よりによって操作能力かよ。)
(暫く大学はサボるしかないな。)
(操作するには幾つかの条件があって、リュージはそれを全て満たしてしまった。)
(オレは全てを満たす前に気付いて逃げられたって解釈で良いんだよな?)
(もうリュージと接触は出来ない。恐らくカンナも術中だろう。)
(気が乗らないが、暴走族の先輩と接触するか。)
(多分、色んな能力者と関われば、操作能力についての理解も深まるハズ。)
ゴウタは格下と思っていたレイジに苦汁を飲まされ激昂していた。
しかし、それと同時に高揚していることにも気付いた。
手に入れた超能力を使って、他者と本気で戦えることが嬉しかったのだ。
ゴウタ「レイジ、待ってろよ。」
ゴウタはそう言って、静かに微笑みを浮かべた。




