69 アメリカ最後の夜
レイジ(グルード。口は悪いが優しいのか?)
(気兼ねなく休めるように言ってくれてる気がする。)
(実際、今の俺はもう役に立たないしね。)
グルードは今のレイジよりかなり強い。
レイジはグルードに全てを任せ、安心して眠りについた。
目を覚ますとVIPっぽい個室のベッド。
恐らくアメリカの大病院だろう。
あれからどれくらいの時間が経った?
甲虫人間は倒せたのか?
バーブラとジョナスは無事か?
ミストバトルの決勝はどうなった?
状況を確認するためにグルードを呼ぼうとしたが、上手くいかない。
能力を使うのに霧以外の要素があるのだろうか。
諦めてボーっとしているとホイトワが現れた。
ホイトワ「よっ、大変だったの。」
「さて、何から話そうかの。」
・今回の主たる敵は魂合成人間のナリーとデリーだった
・レイジたちが工場跡に着いた時点でデリーが認識阻害の能力で増援を防いでいた
・逃走しようとしたバーブラはデリーに倒された
・その後デリーはグルードと戦闘する中、認識阻害を解除
・認識阻害が無くなったため、ホイトワは工場跡を見つけ、向かった
・ホイトワが到着したとき、丁度グルードがビームの様な能力でデリーを倒したところだった
・グルードはホイトワを確認すると、「後は任せる」と言って霧散した
・レイジは約二日寝ていた
・バーブラは瀕死の重傷で未だ目覚めず、ジョナスは少し前に目覚めて妹の病室にいる
・ミストバトル決勝は両国棄権で引き分け、同時優勝となった
レイジ「なるほど。」
「それだけ寝てたなら、グルードを出せないのは消耗してるからじゃないよな。」
「さっき出そうとしても上手くいかなかったんだけど、何でかな?」
ホイトワ「レベルが足りないからだな。」
「ピンチのときに実力以上の能力が使えることがある。」
「その代償は長い眠り。」
「ま、二日で済むってことは、ちゃんと出せるようになる日はそう遠くなかろう。」
レイジ「バーブラもそんな感じか?」
「飽和の回復力があれば、どんな怪我でも二日もあれば治るよな?」
ホイトワ「むー。バーブラが目覚めが遅いのは回復を遅らせる呪いのせい。」
「キムラを呼んで解呪させたから、もうじき目覚めるだろう。」
レイジ「そっか、で俺はもう万全なんだよな?」
「バーブラの病室に行きたい。」
ホイトワ「そーだな。じゃあどうぞ。」
レイジがそう言うことを予測していたのだろう。
ホイトワはそう言うのと同時にゲートを開いた。
レイジ【よう、ジョナス。元気か?】
ジョナス【先日はありがとう。借りを返すつもりが逆に増えちまったな。】
【オレは死んだって良いけどよ。自業自得だしな。】
【でも、お前が身を挺して逃がしてくれなかったら、多分バーブラも死んでた。】
【お前はもう一生の恩人だ。本当にありがとう。】
レイジ【いやー、ホクーセンの逆恨みが原因だしな。】
【バーブラが味方で心強かったし、お互い様だよ。】
【って言うか指、くっついたんだな。】
ジョナス【くっつく訳ないだろ。召喚回復だよ。】
【オレのこと見縊ってんな。】
バーブラ【アニキは弱いんだから、見縊られて当然だろ。】
【よう。レイジ、アニキ。】
【まさか、生きて目を覚ますとはな。】
【レイジ、あの虫野郎倒して、更にジャミング野郎も倒したのか?】
バーブラが目を覚ますと、ジョナスは勢いよく抱き着き、バーブラに拒絶された。
バーブラ【お互い怪我人だぞ、考えろバカアニキ。】
【それに、レイジの前で・・・な?】
ジョナス【おい、レイジ。】
【お前バーブラと結婚する気ないか?】
バーブラ【バカ言うなよバカアニキ。】
【レイジにはミヅキさんがいるんだよ。】
レイジ【・・・まだ付き合ってもないけどな。】
【あ、アイツらを倒したのは俺の我召喚生物だよ。】
【まだ使いこなせないヤツを出して、その代償でさっきまで寝てた。】
それから三人で遅くまで喋り、夜はホイトワとキムラも合流してジョナス邸で飲んで騒いだ。
他の日本勢はもう帰国したらしいので、レイジたちも明日帰国することにした。
しかし、早朝にインターホンが鳴って事情が変わった。
お堅い軍人風の男女三人組が訪ねてきた。
レイジはそれが誰だか解らなかったが、バーブラは驚いた顔をしていた。
バーブラ【アメリカ合衆国大統領首席補佐官ビーン。】
【予選で戦った一人。彼もかなりの実力者よ。】
【ホワイトハウス呼び出しかなー。】
レイジ【マジか。初アメリカでホワイトハウスかよ。】
ドアを開けると、バーブラの予想通りの展開だった。
内容は、同胞を危機から救ったレイジに対する謝礼と、ホクーセン殲滅作戦への協力依頼。
レイジはこれから大統領と会うことになるらしい。
呼ばれたのはレイジとバーブラ。
二人は補佐官の一人のゲートでホワイトハウスに向かった。
レイジ(殲滅作戦・・・。)




