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66 卑劣なホクーセン

コトネは昨日と違い、無理なく8つの刃を操れるようになっている。

昨日もかなりの時間トレーニングしたのが解る。


リンリンは8つの刃を躱し続けるが、足止めは成功している。

リンリンは今のままでは刃との格闘を続けるしかない。

デスサイスの刃操作は、デスサイスの基本能力なのでミストの消費はない。

コントロールするためにコトネの方が消耗しているが、身体強化で全身運動しているリンリンより長持ちするのは明らかだ。


コトネ(現状維持なら私の勝ち。だから、そのうち相手は何か仕掛けてくるハズ。)


コトネだけではなく、日本チームや観客もそう思っていたが、リンリンは何もしてこないように感じた。

刃から脱出する術がないリンリンが、ただひたすら藻掻いているだけに見えた。

しかし、状況は徐々に変化していた。


最初に気付いたのはオカダだった。

試合開始時点ではデスサイスとリンリンとの距離は50mくらいだったハズ。

それが今は20mくらいになっている。


一気に距離を詰めれば簡単に気付かれる。

気付かれないように、少しずつ距離を詰めたのだろう。

それから間もなくして、コトネも気付いた。


コトネ(いつの間にこんなに距離を詰められてたの?)

(ヤバい、離れないと。)


コトネが気付くと、リンリンは一気に加速し、デスサイス本体に突っ込んできた。

コトネは刃でそれを阻止しようとするが、上手く躱されてしまう。


コトネ(これは、相手の策に上手くハマっちゃったわね。)

(刃の攻撃パターンを完全に読まれてる。)

(このままじゃ、本体が攻撃されちゃう。)

(仕方ない、脳強化上乗せ!!!)


レベルアップしたコトネの上乗せ脳強化は、レイジの軌跡読み以上に周囲のことを教えてくれた。

今と過去の殆どの事象が解るようになり、近未来のことも薄っすらとだが理解できそうだ。


コトネ(なるほど。リンリンの能力は身体強化と脳強化か。)

(脳強化はサブスキルかな、長時間は使えないんでしょうね。)

(脳強化で今までの戦いを分析することで刃の動きを先読みして行動してる。)

(昨日の私ならピンチだったけど、今の私なら逆に利用できる。)


先読みの先読みをしたコトネの刃は、デスサイスに当たる直前のリンリンの右腕を斬り飛ばし、背中を刺した。

リンリンは咄嗟に左手でデスサイスの右腕を掴み、左手ごと爆発させた。

デスサイスは右の肩から先を失ったが、リンリンの左手もグチャグチャだ。


コトネ【残念だけど、詰んだわね。投了しなさい。】


リンリン【何言ってんの?これでアンタの刃は半分。コッチの方が優勢じゃない。】

【・・・あれ?】


コトネ【ミストの能力は基本的に手からしか発動できない。】

【両手を失ったら、もう能力者とは言えないのよ。】


リンリン【そのくらい、知ってる。バカにしないで。】

【・・・参りました。】


リンリンはその場に泣き崩れた。


日本チーム、決勝進出決定!!


今日はこの後、五位決定戦と三位決定戦を行い終了。

そして、明日はついに決勝と閉会式だ。


レイジたち日本チームは、VIP席で残りの試合を見学することになった。

その移動中にバーブラが現れた。


バーブラ【レイジー。ちゃんと勝ち続けてくれてありがとう。】

【レイジと決勝で戦うために結構裏で頑張ったんだからね。】


そう言って、バーブラはレイジに抱き着く。

コトネとオカダは、変に気を使ってその場を離れた。


レイジ【そういえば、最初に準決勝で当たるって言ってたっけ。】

【何したんだよ・・・。怖いから聞かないけど。】


バーブラ【えへへ。方法は企業秘密だよー。】

【あー、明日が楽しみ。アントンの戦いも見たいけど、興奮し過ぎて集中して見れそうにないわ。】


コトン。

突然、特徴的な指輪を付けた指が二人の眼の前に落ちた。

レイジはその指輪に見覚えがあったが、思い出せなかった。


だが、それを見た瞬間バーブラの満面の笑みが消え、鬼神の様な顔になった。

それから、指が出てきたゲートが大きくなり、中からホクーセンのショーが現れた。


ショー【クヘヘヘヘ。よお、レイジィ。絶好調じゃねーか。】

【お前のコト裏で潰そうと思ったんだけどよ。コイツらが何度も邪魔すっからよ。】

【で、この指の男を人質に取った。返して欲しければ、ノース工場跡に来い。】

【あ、聞いちまったお前は仕方ねーが、他の仲間には知らせるな。】

【チームメイトがお前らを追ったら、ボクは仲間にそれを報告する。そしたら、人質の命はない。】


レイジ(この指はジョナスの指か。)

(戦ってくれたお礼に守ってくれるとか何か言ってたな。)

(すっかり忘れてたぜ。律儀なヤツだ。)


レイジ&バーブラ【あんま強くないクセに無茶しやがって。】


二人は目を潤ませて同時にそう言い、しばし見つめ合った。


バーブラ【バカアニキのためにそんな顔してくれてありがとな。】

【一人で乗り込もうと思ったが、一緒に行くか?】


レイジ【ジョナスを放っておいて試合見学なんて出来るかよ。】

【呼び出し受けたのは俺だ。一緒に行こう。】


二人は力強く握手し、ノース工場跡に向かって走った。

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