61 日本対ブラジル
バーブラの額からは大量の血が流れる。
何かの能力で衝撃を殺したようだが、ダメージは大きいようだ。
バーブラ【やるねサラ。もーちょっと秘密にしときたかったんだけどなー。】
次の瞬間バーブラが両手を動かすと、ワータイガーは両手両足を固定され、動けなくなった。
そして、バーブラは自分の額を刺した針でワータイガーの首を刺した。
サラは急いで針を消そうとしたが間に合わず、ワータイガー霧散。
レイジ(最後までワータイガーを切断しなかったな。)
(恐らく、しなかったのではなく出来なかった。強化した肉体を切り裂く威力はないのだろう。)
(つまり、少なくともバーブラのメインスキルが切断ではないってコトだ。)
(オカダ以上の高速移動・ワータイガーの拘束、これらはサブスキル以下では難しいハズ。)
(つまりこの二つはメインスキル、つまり同じ能力の応用と考えられる。)
(そして、途中であった不自然な動きもメインスキルと関わりがある気がする。)
三戦目・マリオン対アモール。
アモールは筋肉質な身体に身体強化を乗せる、オカダと同じスタイルっぽい。
対してマリオンは侍メカ。
剣術三倍段と言うし、相性の関係でマリオンの圧勝と思われる。
侍メカはネタが割れているので、いきなり四本腕で攻め立てる。
二本は短め、二本は長めの腕で、短い方は防御、長い方は攻撃に徹するようだ。
武道家相手にこの戦法は卑怯なくらい有効だ。
その戦いは一方的なものだった。
アモールだけがジワジワと痛んでいくが、しかしアモールは諦めない。
暫くすると、アモールは両手に手甲を付けて豹変した。
激しいオーラを纏い、力強くなっている。
先ほどの倍速で動き、手甲を付けた拳の一撃で侍メカの刀を折った。
次の瞬間、侍メカは高速で後退した。
アモールは全力で追いかけながら攻撃。
侍メカは防御重視で時間を稼いでいるようだ。
暫く双方ともにダメージなしが続き、二本目の刀が折れた時点でアモールのオーラが消え、手甲も霧散した。
アモール(何とか時間内に二本折ることが出来た。)
(これで何とかなるか・・・。)
再び構えるアモールを見て、マリオンは微笑んだ。
そして、刀を持たない手の甲から新たな刀が出現した。
マリオン【霧でつくった武器だぞ。壊して終わりと何故思った?】
アモール【そう思った訳じゃない。そうでないなら勝ち目がないと思っただけさ。】
マリオン【そうか、良い答えだ。】
アモール【参りました。】
今大会初めての投了。
そして、今大会初めてのブーイングが起きた。
客A【卑怯だぞ。逃げてバテさせて勝つなんて!!】
客B【優勝候補らしい試合をしろ!!】
アモール【今まで引くことを知らないバカばかりだったから、今日は凄く勉強になった。】
【私たちが霧の能力を研鑚するのは、宇宙人と戦うためだ。】
【この程度を卑怯というマインドでは、すぐに宇宙人に殺されるぞ。】
【あの状況で迷わず後退を選択できる彼女は素晴らしい。バカにするな!!!】
敗者のこの言葉を受け、ブーイングは止み、賞賛の拍手が鳴り響いた。
これで、アメリカの準決勝入りが決定した。
今日は苦戦はあったが、昨日に引き続き全勝。
同時にドイツの準決勝入りも決まったようだ。
例のアントンがいるドイツ。
二本も次の試合に勝てば準決勝入りが決まる。
同時に行われる中国対韓国は、昨日の試合を見る限り十中八九中国の勝ちだろう。
そして、準決勝の最後の切符をかけて、日本対ブラジルの試合が始まる。
一戦目・レイジ対ラウラ
レイジ(色っぽいお姉さんか。)
(とりあえず速射で様子を見るか。)
レイジが頭と心臓を狙って速射を撃つと、普通にクリーンヒットした。
しかし、ラウラは動じずにレイジに向かってきた。
レイジ(オカダ並みの回復能力なのだろうか?)
(軌跡を読んでいるから幻術でないのは確かだ。)
考えているうちに接近してきたラウラとレイジの格闘が始まる。
ラウラか身体を変形させて戦うようだ。
レイジの変形とは根本的に違う能力っぽい。
かなりお手軽に手足を伸ばしたり腰を変形して攻撃を避けたりしてくる。
ただ、最初は虚を突かれたが、攻撃力が高くないので脅威ではない。
そして、身体の感触が何か違う。
女の感触じゃない気がする。
霧の何かを纏っている訳ではない。
直に身体に触れた感想がおかしい。
レイジ(変身能力のあるパペットみたいな我召喚か?)
(いや、弾丸をスルーしたことを考えるとスライムか?)
(スライムって殴って倒せるのか?)
打撃の効果も薄そうだし、やはりラウラはスライムの我召喚と思われる。
暫く考えて、レイジはラウラスライムを千切った。
そして、千切ったものを見て、レイジはラウラはスライムだと確信した。
我召喚生物の身体は、本体から離れても霧散はしない。
しかし、脳と離れているので操作は出来ない。
レイジがスライムの破片を強く握ると、霧として吸収できた。
後はもう勝ち筋は決まった。
レイジはラウラスライムを千切って吸収を繰り返した。
暫くすると、ラウラスライムは人の形を保てなくなり、ギブアップした。




