49 頂上決戦の行方
レイジ(試してみるか火炎弾。やったことないけど、出来るハズだ。)
レイジは構えて火炎弾を撃つが、オカダに避けられた。
想定通り着弾地点が燃えているので、技自体は成功したようだが。
レイジ(俺はバカか。対人戦で如何にも「何かあります」って感じで撃ったら避けられるに決まってる。)
(いや、銃の弾を避けるなんて、オカダさんくらいしか出来ないだろうけど・・・。)
結局、無駄に霧を消費して、再びオカダとの肉弾戦。
レイジ(あークソ。魂全快状態なら物質生成で・・・。)
(いや、考えても仕方がない。)
(今の選択肢で考えるんだ。)
次は、片足を一瞬で100mに伸ばし、上空に逃げた。
足は一瞬で戻したが、オカダは細くなった足に右ストレートを綺麗に決めてバキバキに骨を砕いた。
レイジ(流石オカダさん、油断も隙も無い。)
(だが、これは有効だろう。きっと。)
落下しながらオカダに速射乱れ撃ち。
あわよくば再び火炎弾を撃とうと考えていたレイジだが、オカダはそんな隙を見せてはくれない。
レイジは、始めて使う火炎弾を同じモーションで撃てるほど器用ではない。
一瞬でも意識を外してくれないと、火炎弾を当てることは出来ないだろう。
そして、地面に着く瞬間、両足をバネに変形し、再び上空へ。
このバネが物質生成なら楽なのだろうが、変形なのでダメージがある。
レイジ(足のダメージがあるから、このままピョンピョンしてても勝てない。)
(それどころか、何度も変形したら、下半身がすぐに機能不全になるだろう。)
(だが、オカダさんにそんなことが解るハズがない。)
(このままだと不利になる、「次」は確実に阻止しなきゃと思うだろ?)
レイジの予想通り、オカダはレイジの落下地点で構えている。
レイジは右手で横に速射を撃ち、その反動で位置調整をした。
オカダに次も跳ねるために頑張っていると思わせる為に。
予想通りオカダはその右手を凝視し、移動位置を確認した。
このとき、試合が始まってから初めてレイジの左手がオカダの意識から外れた。
レイジはこの隙に左手でオカダに火炎弾を撃ち込んだ。
続いて、着弾から0.5秒で霧散する弾の連射。
火は大きくなってオカダを包む。
レイジ(霧はよく燃えるんですよね。コトネさん。)
(霧散タイミングの調整もこんな所で役に立つとは思わなかった。)
しかし、もうレイジの下半身は変形のし過ぎで動きが鈍い。
下半身をクッションにするつもりだったが、変形は着地とほぼ同時。
大きな衝撃があり、更に下半身はもう完全に機能を失った。
レイジは死なない程度に回復し、肘で少し身体を起こし、オカダに霧散する銃弾を連射した。
レイジはもう勝ちを確信していたが、オカダはレイジが着地したことが解ると、火だるまのまま向かってきた。
レイジ(まだやる気かよ。ウソだろ・・・。)
レイジは左手を伸ばして逃げた。
それで地面に着地しただけで全身が悲鳴を上げる。
そして、元々レイジがいた場所にオカダの強烈なパンチが炸裂した。
レイジ(これでもう、追撃も出来ない。)
(あの火が消えたら、もう芋虫状態の俺に勝ち目はない。)
(これって、気を失っても負けなのかな?)
(霧散してなきゃ大丈夫なのか?)
(とりあえず、意識を保とう。出来るだけ・・・。)
レイジは満身創痍ながらも顔だけ上げて燃え盛るオカダを見ていた。
それから暫くするとレイジの意識が無くなり、霧散した。
それからレイジは5時間ほど眠りについた。
目を覚ますと、キムラとホイトワがいた。
レイジ「おはようございます。大会は?」
キムラ「お疲れ様でした。大会は優勝準優勝共に意識無しってコトで、表彰式中止ですぐ終わったよ。」
「でも安心して、凄く良い試合だったから、みんな大満足だったよ。」
レイジ「そーですか。俺、負けたんですね。」
キムラ「よく・・・、解ったね。」
「そうだよね。優勝したなら、最初におめでとうって言うよね。普通。」
「ビデオ判定で2秒差でオカダさんの優勝。大健闘だよ。」
レイジ「ふう、仕方ないか。出し切ったし。」
「この雪辱は、世界戦で果たすさ。」
レイジ(はぁ。ミヅキちゃんとのデートは白紙か。)
キムラ「いやー。これは期待できるね。」
「あの不死身ゴリラみたいなオカダさんと互角。」
「これは凄いことだよ。」
オカダ「誰が不死身ゴリラだって?」
キムラ「・・・あ、すいません。退場しまーす。」
オカダ「ふっ。霧に目覚めて、今日初めて負けたと思った。」
「実際、あれでは勝った気がしない。」
「お前はヤマト以上の俺のライバルだ。」
「世界大会まで、一緒に研鑽しような。」
レイジ「はい。よろしくお願いします。」
レイジ(良い人そうだけど、暑苦しそうだな。)
(まぁ、この人とのトレーニングが世界大会の役に立つのは間違いないんだけど。)
ホイトワ「ま、今日はもう疲れただろ?」
「ワタシとコトコと龍龍丹に行って英気を養え。」
「予約はしといたぞ。」
レイジ(そういえば、コトコとそんな約束してたな。)
(今日って話じゃなかったが。)
(まー良いか。コトコに愚痴聞いて貰おう。)




