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38 馴染むホイトワ

マイ「それで、来週からミストバトルの予選が始まるので、準備をお願いしますね。」

「レイジさんは今日もこれからトレーニングしますか?」


ホイトワ「他者召喚すれば良いんだよな。ワタシもそれ、出来るぞ。」


ホイトワは熟練の飽和で魂が1.3くらいあるので、ミワよりかなりスムーズに他者召喚ができる。

更にミワは1時間に4回も召喚するとバテるし、1日20回もやると練度が下がる。

ホイトワの限界は、少なく見積もってもその10倍強らしい。


ミワは他所で頑張ってもらうことにして、メロ支部は全面的にホイトワに任せることになった。


早速ホイトワに役割が出来たので良い感じだ。

大凡の経緯を対策部の全員にメールしたので、多くの者が安心したことだろう。


ただ、唯一の気掛かりはハルマだ。

対策課で殉職した二人はハルマの叔父夫婦なのだ。

そして、召喚体トレーニングを1時間ほどした頃、ハルマが現れた。


ハルマ「狂人薬事件、解決したらしいっすね。」

ホイトワ「はい。この度は本当にすいませんでした。」


ハルマ「ちっ、子供かよ。」

「叔父さんたちを殺した記憶はあるのか?」


ホイトワ「はい、覚えています。」

「ごめんなさい。ごめんなさい。」


ハルマ「ムカつくけど、子供は殴りたくない。」

「レイジくん。代わりに殴られてくれるかな?」


レイジ「良いよ。」


ハルマ「即答かよ。冗談だよ。」

「八つ当たりしたい気分だけど、流石にレイジくんを殴ってもね。」


レイジ「じゃあ、トレーニングで殴りなよ。」

「召喚体トレーニングしよう。」

「カルマじゃなく、ハルマで来なよ。」


ハルマ「ほー、いい度胸だ。」

「オレをスッキリさせられるかな?」


それから、ホイトワの他者召喚で二人は召喚体になり、トレーニングが始まった。


格闘家ハルマの洗練された動きに対し、にわか拳法のレイジ。

しかし、レイジの方が身体強化が上なので強さは五分。

正確にはレイジは全力ではない。


あえてハルマと互角のレベルで戦っている。

激しい乱打戦をしながら、ハルマが話しかけてきた。


ハルマ「身体強化は苦手だったんじゃないのか?」


レイジ「普段の身体だと今でも全然ダメさ。」

「召喚体だと物質生成の代わりに身体強化が強くなる。」

「狂人薬の影響でそういう特異体質なんだよ。」


ハルマ「しっかし、目覚めたてでこの練度かよ。」

「もしかして、手加減してないよな?」


レイジ「本当は、もうちょっと強くなれる。」

「でも、これ以上強くなると魂が乱れる。」

「一歩間違えると身体が霧散する難しい状態になる。」

「無理のない範囲だと、これが全力だ。」


ハルマ「オンリーワンの能力ってのも難儀だな。」


次の瞬間、ハルマの右ストレートがレイジの顔面を直撃した。

ハルマの拳はガッチリ強化しているので無傷。

レイジの顔面は複雑骨折、生身なら死にかねない大怪我だ。


ハルマ「本体が召喚体で戦うのにも慣れてきた。」

「そっちもギア上げないと相手になんねーぜ?」


レイジ「そうかよ。じゃあ行くぜ!」


レイジは一瞬マックス強化でハルマの顔面を殴り返した。

そのままで戦うのは無理なので、さっきの状態の2割増しで再び乱打戦をする。

今度は、もうお互い会話する余裕はない。


グローブなしの本気の殴り合い。

何度も肉が裂け、骨が折れ、修復しながら戦う二人。

嫌な音が訓練場に何度も響き渡った。

30分ほど経った頃、周りはトレーニングを止めて二人の戦いに魅入っていた。

結局、1時間ほど戦ったのち、レイジが身体を維持できなくなってハルマの勝利となった。


レイジ「ハルマに格闘じゃ勝てないか。」

「流石だな。俺の負けだよ。」


ハルマ「ちっ、オレも既に致命傷だよ。」

「お前の本領は速射なのに、格闘でも互角かよ。」

「悔しいぜ。次はちゃんと勝ってやるからな!」


レイジ「おぅ。お互い頑張ろーぜ。」


ハルマ「ホイトワ!レイジの健闘に免じてお前を許す。」

「もー謝んなくて良い。仲間として一緒に頑張ろう。」


ホイトワ「はいっ!!」

そう言って、ホイトワは涙目でレイジに抱き着いた。


レイジ(ココはハルマに抱き着くとこじゃないのか?)

(別に良いけど。)

(しかし、ほぼ全開で約1時間戦えたのか。)

(ゴウタの魂のお陰か、急成長だな。)


マイ「男の友情的なものでしょうか?」

「ハルマさんがホイトワさんを受け入れてくれるか心配でしたが、良かったです。」


ムラサキ「あたしもユカリ(ハルマの叔母)と結構仲良かったんだけどね。」

「ま、ハルマが許したなら、もう何も言わないよ。」

「よろしくね。ホイトワちゃん。」


レイジ(色んな意味で、ホイトワはもう子供ってコトで良いよな?)

(実は大人だって解ったら、多分面倒臭い。)


マイ【ホイトワさん、本当は20歳くらいですよね?】

【クイナさんが完全人型なので、年齢は一緒なハズですよ。】


レイジ【流石マイさん、その通りです。】

【でも、ややこしくなるから気付かないフリをお願いします。】


マイ【あなたが知っているなら良いです。】

【勿論、誰にも言いませんよ。】


その後もホイトワはあざとく可愛い子を演じて、対策部に良い感じに馴染んだ。

あざといと感じるのは、実年齢に気付いているレイジとマイだけだろう。

メイは気付かない訳がないと思うが、ホイトワは以上にはしゃいでいる。

レイジとマイは顔を合わせて静かに苦笑いした。

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