30 カンナの家での晩餐
コトコ「カレンさんが良いって。」
「今週の土曜日の夕方で良いですか?って。」
レイジ「対応早いな・・・。」
既にコトコは毎日の様にカレンとメールのやり取りをしていた。
痛いファンのように連投せず、上手にキャッチボールしている。
レイナ「えー!!!土曜日ってもう明後日じゃん!!」
「はーーー。どうしよ。何しよ。」
「お洒落な服とか持ってないよー。」
レイジ「服ならコトコに作って貰えば?」
「レイナは物質生成そこそこ出来るんでしょ?」
カンナ「何でそんなこと知ってるの?」
「また何か変な能力使ったの?」
レイジ「変なって。」
「さっきの料理で使ってた調理道具が霧だったから。」
「物質生成出来るなら、コトコが作った服を維持するのは難しくない。」
カンナ「そういうの初めてでしょ?」
「大丈夫?途中で維持できなくなって恥かかない?」
レイナ「でも面白そう。」
「もし失敗してもレイジさん以外女の子だし、良いんじゃない?」
カンナ「いや、レイジの前で裸になっても平気なの?」
レイナ「大丈夫。実は結構期待しててさ。」
「イツキさんに良い筋肉って思われるように鍛えてんだー。最近。」
そう言って、レイナは腹を出して見せる。
カンナはため息をついて説得を諦めた。
コトコ「自信ないなら下着はつけてたら?」
「ウチやレイジは霧の下は全裸だけどね。」
カンナ「何でレイジのことまで知ってんの?」
「二人はそういう関係なの?」
コトコ「酔って寝たら全裸になってたの。」
「ほろ酔い程度なら大丈夫なんだけどねー。」
レイナ「そういう覚悟って大事だと思います。」
「私も全裸でお願いします。」
そう言ってレイナは服を脱ぎだす。
カンナ「バカなの?そっちの部屋でやってきなさい!!」
コトコ「えー、早速今からやるのー。別に良いけど。」
二人は二階のレイナの部屋で服選びを始めた。
レイジ「裸に対する羞恥心が無い子なのかな?」
カンナ「あたしよりあるよ。少なくとも。」
「でも、アンタやコトコに妙に親しみを持ってるみたいなの。」
「だから、本当に悲しませたりしないで欲しい。」
レイジ「お前ら単なる仲良し姉妹ってだけじゃないよな?」
「何かエピソードとかあるの?」
カンナ「あたしが高2のとき、両親が事故で亡くなった。」
「それで、ココ親戚の家に引き取れたの。」
「ココの奥さんは子供が出来ない身体でね。」
「大切にされてはいるんだけどさ。」
レイジ「唯一の本当の家族って感じか。」
「でも両親も良い人だから、シスコンを演じることで気を遣わせないようにしてる。」
「虐めっ子のクセに家族思いなんだな。」
カンナ「今思えば、八つ当たりだったのかな。」
「当時付き合ってたゴウタに唆されて、とか言ったら言い訳だよね。」
「コトコはゴウタ関係ないし、やっぱりあたしの中の何かが腐ってたんだよね。」
「今では変わりたいと思ってる。本当に悪かったって思ってる。」
レイジ「ゴウタは、やっぱり好きな女の身体を見られてムカついてって感じ?」
カンナ「違うと思う。ゴウタは多分、レイナが好きだった。」
「でも、当時中一のレイナと付き合うとかはキツいっしょ。」
「だから、レイナに近付きたいからあたしを選んだだけ。」
「あたしは今まで何人も彼氏いたけどさ、毎回何かそういう感じ。」
「他の目的がある、丁度良い、アクセサリー感覚?」
「多分、本気で愛されたことないんだろうな。一度も。」
レイジ(こうなって来ると、優しい言葉とかかけたくなっちゃうよな。)
(ムカつくから言わないけど。)
レイジ「ま、頑張ってコトコに許されろ。それで釈放だ。」
「お、アイツら降りて来るぞ。」
レイナ「あれー?お二人良い感じですかー?」
レイジ「高校時代の思い出話してただけだよ。」
レイナ「レイジさんも高校から一緒なんだ。」
「ゴウタさんやリュージさんとも仲良かったの?」
レイジ「全然、同じ高校だったってだけ。」
コトコ「アイツら人のコト虐めて楽しむクズだったからねー。」
「レイナは虐めとかどう思う?」
レイナ「最低だよね。コッチ来てすぐの頃は一緒にご飯食べたりしたけど。」
「そういう人だと知ってたら、一緒に食べたくなかったな。」
「クラスメイトのミカを殴って入院させたりしたし、本当、最低。」
コトコ「だよねー。虐めっ子と一緒にご飯食べたくないよねー。」
そう言って、コトコはカンナを見る。
レイジ「さて、高校生のいるお家に遅い時間まで居座ったら迷惑だ。そろそろ帰るか。」
レイナ「良いのにー。土曜日は泊まる勢いで長居してね。お願いだよー。」
コトコは静かにレイナの頭を撫でて、カンナの家を出た。
コトコはレイジを飲みに誘ったが、レイジは明日召喚体の訓練を理由に断り、家路についた。
家に帰ってスマホを見ると、キムラから謎のURLとパスワードが届いていた。
どうやら、ミストバトルのホームページのようだ。
まだ未完成なのか、かなりシンプルな仕様だ。
パスワードを入れて参加者ページに行くと、召喚体の性質や大会基本ルールの説明が書いてある。




