25 ミヅキと急接近
覗き魔がいるのは、二階の控室。
ライブ会場で3匹の化け物が観客や建物を攻撃している。
更に1体のデカいヤツが出入口を塞いでる。
レイジ(これ全部一人の能力か?)
(覗き魔以外は人間とは思えないが、我召喚か?こんなに沢山?)
周囲を把握しながらレイジは移動し、覗き魔のいる控室に着いた。
覗き魔はミヅキに馬乗りになっており、ミヅキはグッタリしている。
レイジ「おい!お前!!そこまでだ!投降しろ。」
覗き魔「はぁ?動くな!!ってか?」
「そんなんでビビるかよ。へへへ。」
そう言うと、覗き魔の手から大蛇が現れる。
その大蛇は何だか禍々しい姿をしていて、普通の生き物とは思えない。
速射で頭を撃つと盾のようなものを出して防御した。
大した強度ではないので普通に貫通して即死したが、奇妙だ。
大蛇が霧の能力で生み出されたものなら、死ねば霧散するハズだ。
しかし、暫く経っても霧散する気配もない。
レイジ(俺の知らない現象だな。)
(全く未知の能力、長期戦は危険か。)
レイジは心臓と頭を狙って速射を3発ずつ撃った。
全てクリーンヒットしてよろめくが、大振りのパンチで反撃してきた。
レイジは難なく避けるが、当たったらタダでは済まない迫力がある。
覗き魔「やるなぁ、これじゃ足りないか。」
「もっと、もっとだー!!!」
覗き魔は自分の身体に両手を当ててハァハァしている。
何をしているのか解らないが、危険な雰囲気なのでレイジは速射で攻撃した。
だが、今度は当たらなかった。
一瞬で壁まで飛んで避け、そのまま壁を蹴ってレイジに襲い掛かってきた。
レイジは盾でガードするが、盾は一瞬で砕けて吹き飛ばされた。
服をクッションに変えて壁に激突する衝撃は殺したが、レイジのダメージは深刻。
服の余剰魂を補充し、再び盾をつくって追撃を受けた。
レイジ(意味が解らない。何だこの強さ。)
(俺と同じく、何かあってチート化してんのか?)
(それとも、新型の狂人薬か?)
レイジは倒れているミヅキを抱えて壁際に移動し、二人を守る盾を展開した。
助走なしの攻撃では、一撃で盾を砕くことは出来ないみたいだ。
度々ヒビが入り、修復を繰り返す。
レイジ(このまま凌げば、そのうち応援が来るだろう。)
(この派手な騒ぎだからな。スオウさん気付いてくれるよな。)
しかし、暫くすると覗き魔はまた助走をつけて、かかと落としをしてきた。
今度は何とか砕かれずに済んだが、今度は地面が砕けた。
レイジはこの混乱に乗じて、柱に化けた。
ミヅキ「あれ?レイジさん?」
レイジ【気を失ってたんですね。】
【今、覗き魔から隠れてます。】
【見つかるとヤバいんで、静かにしててください。】
レイジはテレパシーで周囲の状況の映像をミヅキに送った。
すると、ミヅキはレイジと密着していたが、これを見て強く抱き着いてきた。
ミヅキは華奢な見た目に反して、かなり力が強い。
レイジは飽和だから少し痛いくらいだが、能力者じゃなかったら悶絶する強さだ。
レイジ(怖いんだな。)
(でも、俺が興奮すると柱に影響が出る様な気が・・・。)
童貞のレイジに半裸の絶世の美女に抱き着かれて平静でいるのは難しい。
それで覗き魔はレイジの気配に気付いてしまったのか、柱に攻撃してきた。
再び助走付きの攻撃だが、今度はビクともしない。
レイジ(どうした?全然大したことないぞ?)
(強化モードが終わった感じか?)
覗き魔を覆っていた凄まじい霧のオーラが消えていた。
これで軌跡読みが出来るので、覗き魔の身体を見てみたら酷い状態だった。
立っているのが不思議なほど傷だらけのボロボロ。
その直後、覗き魔は消え入るような唸り声を上げて倒れた。
気付くと、ライブ会場の化け物も全て絶命しているようだった。
観客の何人かはレイジたちに注目しており、次の瞬間歓声が起こった。
ミヅキはハッとしてレイジから離れるが、密着していた写真を既に何枚も撮られている。
レイジ(防御してただけだけど、俺が覗き魔を倒したヒーローになったのね。)
(て言うか、もう覗き魔じゃなくて殺人鬼か。)
それから暫くすると、パトカーと救急車などが沢山来て、事態は収束した。
レイジは何箇所か骨折した感じの大怪我だと思ったが、気付くと何ともない。
レイジ(そう言えば、飽和になると回復力が上がるんだっけ?上がり過ぎだろ。)
イツキ「今日はありがとね。」
「色々お話したいけど、今日はマスコミに囲まれる前に帰った方が良いね。」
ミヅキ「本当ーにありがとね。今度お礼するね。」
ユウ「ありがとねー。じゃあまたねー。」
いつの間にか集まってきた花鳥名月の面々と挨拶し、レイジはマスコミから逃げるようにメロ市に帰った。
因みにカレンは怪我人として救急車で運ばれていた。
レイジは先ほどの称賛とミヅキに抱き着かれた感触を思い出しながら、ニヤニヤしながら夕食を食べ、早めに寝た。
ライブ会場に落としたスマホに残された大量の着信に気付くこともなく。




