23 変わる日常とメロ大学
全国同時生中継で発表されたのは主に下記5つ。
・霧の能力の概要
・宇宙人の概要
・M・H対策部の存在と任務
・霧の能力について教育機関を検討しているということ
・正当防衛の範囲拡大について
宇宙人や能力者に襲われた場合、基本的にあらゆる反撃が無条件で正当防衛になる。
そして、出来る限り110番で対策部を頼って欲しいというないようだ。
更に国内の120箇所の教育機関で、試験的に能力の講義をするらしい。
そして、メロ大学はその120箇所の一つに選ばれたようだ。
レイジ(ゴウタたちを転校にするくらいだし、ココは対策部の息がかかった大学なのか?)
(初心者と一緒に勉強しても得られるものがなさそうだが、興味はあるな。一応出てみよう。)
キムラ「どうも、レイジくん。」
「やって欲しいバイトがあるんだけど。」
学食に堂々とゲートで現れたキムラとタムラ。
周りはちょっとした騒ぎになってるけどお構いなし。
レイジ(公表した途端に、堂々と人前で能力使うんだな。)
レイジ「良いですよ。」
キムラ「じゃあ、ココの講師をお願いします。」
レイジ「はぁ?!俺学生なんですけど。」
「人にモノ教える経験とか殆どないし。」
キムラ「とは言ってもね。」
「人手が足りなくて困ってるんですよ。」
「時給5万でどうです?」
レイジ「とりあえず、話聞きましょうか。」
キムラ「キミのそういうトコ好きですよ。」
カンナ「ちょっとコレどういうこと?」
キムラ「あれ?今日は違う娘なんだ。」
レイジ「人をプレイボーイみたいに言わないでください。」
キムラ「僕は警察、彼は警察の特殊協力者。」
「時々、こういう風に警察からの依頼を請け負って貰っているんだ。」
レイジ「別にコイツに説明しなくても良いよ。」
「打ち合わせするんでしょ?もう行きましょう。」
タムラ「そうだね。ココ煩い。」
そう言うと、タムラは霧犯罪対策課へと繋がるゲートを出した。
レイジは努めて落ち着いた風にゲートを潜った。
レイジ「大学でいきなり昼休みの学食でゲート使うって随分ですね。」
キムラ「あれ?レイジくん怒ってる?」
「いやね。メロ大学の学生に興味を持って欲しくて。」
「レイジくんが断トツだけど、あの大学は才能の宝庫だね。」
レイジ「あえて好奇の目に晒したことで、学生が講師でも違和感を持たれない土台を作ったんですね。」
「まだやるって言ってないのに。」
「でも、これでやるデメリットがほぼ死んだんでやりますよ。」
「ただ、何かムカつくので時給10万にしてください。」
キムラ「アハハ、時給10万で即決なら問題ないよ。」
レイジ「乗せられた感じですけど、良いですよ。もうそれで。」
キムラ(凄いな。マイさんの言った通りの展開になった。)
メロ大学では、もう明日の朝一に能力講義が行われるようだ。
まだ何も出来ない「初等組」と、何かしらの能力が使える「普通組」に分かれて講義が行われる。
これに参加するのは、メロ学生に限らず近隣住民全て。
「初等組」はまとめて体育館。
「普通組」は厳選した者たちが何組かに分かれて教室で行われる。
レイジは「普通組」のAクラスの担当だ。
因みに「初等組」の担当はコトネ。
一応、全てのクラスに担当講師の他に公務員の助手がいる。
レイジの助手は二人。
ヒョウドウ・ゲンジロウ (62) 男
実体がない代わりに好きな形状の物質が出せる。
つまりは幻を出せる能力者。
市役所職員。
ヒョウドウ・ミツハ (24) 女
コンクリートの性質の物質が出せる。
出せる量は多いが形状変化は苦手。
凡そ30㎥までのコンクリートの立方体を出せる。
交番警察。
ゲンジロウの孫。
レイジ(中々面白い能力者だな。)
(対策課以外にもこんな良い能力者がいるんだな。)
レイジ「そう言えば、今日は他の人いないんですね。」
キムラ「そりゃそうさ。公表したことで世の中は結構混乱しているんだよ。」
レイジ「公表まで何も気付かなかった雑魚は、適当にあしらえば良いんじゃないですか?」
キムラ「言うねえ。でも、そういうコトじゃないんだよ。」
「例えば、能力者はそのうち服を買わなくなるだろ?」
「ワープゲートの使い手が増えれば、物流関係の仕事も無くなる。」
「日用品、消耗品の多くが必要なくなっちゃうんだよね。」
「あとセキュリティのこととか、何かそういう面倒臭い話さ。」
レイジ「あと明日の講義の準備もありますしね。」
「そういえば、今日ヒョウドウさんたちと顔合わせとか出来ないんですか?」
キムラ「勿論、して貰いますよ。」
「今日の僕らの任務は、レイジくんに明日の説明と顔合わせをして貰うまでです。」
「二人ともメロ大学で明日の準備をしています。」
「では、そろそろ行きましょうか。」
再び大学に行くと、既にレイジは話題の人になっていた。
さっきのキムラたちの言動の他に、サイトーを倒したことも原因だ。
地味なレイジだが、ゴウタたちのせいで変な意味で目立ったことはある。
しかし、普通に良い意味で目立ったことは一度もなかった。
そのため、レイジは面倒だと思いつつも頬が緩んだ。




