20 最後の復讐
それからコトコがお礼を行ってきたので、カンナへの説明ついでにコトコにも事情を話すことにした。
一応、キムラにゴウタたちの件を聞くと、やはり対策課が手を回したそうだ。
しかし、こういうのは特別ではなく、既にメロ大学だけで10人ほどが同じように処理されているみたいだった。
レイジは放課後までのんびり過ごすつもりだったが、学内でもう1人の飽和の先輩がやってきた。
コイツは確か、暴走族のサイトー・ジュン。
ヤバい噂が絶えない危険人物だ。
サイト-「お前がレイジか?」
レイジ「そーですよ。」
サイト-「ちょっと面貸せ。」
レイジ「いや、もうすぐ講義が始まるんで。」
サイト-「ふざけんな!今すぐ来い!!」
周りがザワつく。
特にコトコは隣で挙動不審になってる。
レイジ「あなたはかなり強いですね。」
「元々強かったのに能力の才能もあって、自分は無敵だと思ってますね。」
「でも、所詮は素人、あまり調子に乗らない方が良い。」
「講義が終わったら相手してやるので、少し待ってください。」
サイト-「・・・、解ったよ。じゃあ待っててやるから手合わせしろよ。」
「もし雑魚だったら半殺しじゃ済まね-ぞ!」
レイジ「ご自由に、負けたらな。」
レイジ(元々、喧嘩なんて怖くて常に逃げ一択だったのになー。)
(今は、大学最強で最恐のヤンキーとの喧嘩が楽しみだ。)
(調子に乗ってるんだろうな、俺。)
講義が終わると、サイト-はゲートを開いた。
サイト-「大学の隣の空き地に繋がってる。」
「そこでやろうぜ。」
レイジは軽く頷き、ゲートをくぐる。
行った先には、暴走族が沢山いた。
レイジ「へぇ、1人じゃ勝てないから数揃えたのか。」
レイジ(殆ど定点、たまに循環。)
(こんなのが何人いても、勝負に影響ないと思うけどな。)
サイト-「バカにすんな!コイツらは見学だ。」
「お強いレイジサマの戦いが見たくて集まったんだよ。」
レイジ(イカサマでもする気か?)
(何をするにしても、軌跡読みが出来る俺には効果が薄いと思うが。)
レイジ「何でも良いや。じゃあ、何処からでもどーぞ。」
レイジは両手をポケットに入れてそう言った。
速射を使えば死なせる可能性が高い。
余剰魂で戦う場合、服に触れていた方が素早く動かせるのだ。
決して、サイト-を舐めている訳ではない。
次の瞬間、サイト-は素早く突進してきたので、レイジは大きな壁を出して阻む。
レイジの身体は強化されていないので、今までは衝撃でダメージを受けていた。
しかし、今回は地面に固定して受けることでそれを防いでいる。
更にレイジの余剰魂は、武器にもなる硬度がある。
壁の表面をギザギザにすることで殴る手足にダメージが入る仕組みだ。
サイト-は壁を殴ったり蹴ったりするが、やはり痛いようで、勢いが落ちる。
サイト-はフェイントを入れたりして壁を越えようとするが、霧の動きが解るレイジには通用しない。
その後、サイト-は霧で武器を出して攻撃したり、炎を出したり色々試した。
しかし、身体強化による打撃以上の威力はない。
サイト-「クソ!指一本触れることも出来ねーのかよ。」
「参った。オレの負けだよ。クソ!」
レイジ「気にすんな。で、手合わせだけが用事じゃないよな?」
サイト-「ああ、ゴウタと連絡がつかなくなった。」
「ゴウタはお前を倒すと意気込んで、オレのところで修行してた。」
「お前がゴウタをどうにかしたんだろ?」
レイジ「ああ、返り討ちにしたよ。」
サイト-「そうか、解った。それ以上は聞かねーよ。」
「付き合ってくれて、ありがとうな。」
シンイチ「ちょっと待ってくれよ。」
「どういうことだ?」
「ゴウタを殺したのか?」
サイト-「黙れ、シンイチ。」
「能力を使っての戦いは甘くねぇ。」
「アイツがレイジくんに喧嘩を売ったのは確かだ。」
「その結果アイツが死んでも、それはレイジくんのせいじゃねーよ。」
レイジ(レイジくんになったのね。)
(多分、サイト-も場数踏んでるんだな。)
(物わかりが良い。)
レイジ「一応、言っとくけど、ゴウタはヤバい宇宙人と組んでた。」
「そのせいで手を抜けなかった。」
「恨むなら、そのクイナって宇宙人を恨みな。」
「クイナは二度殺したが、まだ生きてる。」
サイト-「マジか。色々と自信なくすぜ。」
「手間かけさせて悪かった。教室送るぜ。」
サイト-はそう言って、ゲートでレイジを教室に送ってくれた。
レイジ(サイト-はどのくらい理解したんだろうか?)
(手に負えないってことが解ったって感じか?)
それから、大学のヤンキー連中はレイジに深々とお辞儀をするようになった。
先輩後輩関係なく。
それを見て、カンナは滅茶苦茶ビビっていた。
レイジはカンナを許してないし、許す気もない。
しかし、戦意のないカンナに暴力を振るう気もない。
思いっきりビビらせて、コトコのパシリにする。
それがレイジの目的。レイジの復讐。
大学が終わり、レイジ・コトコ・カンナの3人は、コトコの住むアパートに向かった。




