19 戦いの後始末
スオウ「皆さん、お疲れ様です。」
「相手は、昨日レイジさんが倒した宇宙人だったんですよね?」
「何が起きたか説明をお願いします。」
レイジたちは、壁の内側の戦いの経緯を話した。
どうやら、あの壁が出現してから、外側の人間は内側に一切干渉出来ないようだった。
スオウ「なるほど。確かにクイナの死体には不可解な点がありました。」
「出しっぱなしの我召喚だと考えると、合点がいきます。」
「恐らく、クイナの本体は表立って行動したりしないのでしょうね。」
「これでは、短期解決は諦めるしかありません。」
ハルマ「えっ、諦めるんですか?」
スオウ「今日明日の解決は無理だということです。」
「クイナの遺伝子や特徴は把握しました。」
「クイナが動けば、すぐ解るでしょうし、本体の特定も時間の問題だと思います。」
「だから、一時解散して時が来たら再集結しましょう。」
レイジ(こういう展開になると、いつまで付き合うのが正解か解り難いよなー。)
ムラモト「では、協力者の二人には今日のバイト代を払います。」
「戦闘アリの1日業務ですので、1人100万円です。」
レイジ(マジか。半日バイトで100万円!)
(命がけだからこそなんだろうけど。)
レイジ「じゃあ、狂人薬事件が解決するまで、積極的にバイトしますよ。」
「やっぱり、身近な人間が巻き込まれたらと思うと、放っておけませんからね。」
ムラモト「おおそうか。良い心掛けだな青年。よろしく頼むぞ。」
キムラ(レイジくん、お金に釣られましたね。)
コトネ「では、今日のところはこれで解散でしょうか?」
ハルマ「あの、もし良ければこれから一緒に飯でもどうですか?」
「同じ敵と戦う同志として、任務のためにお互いを理解するのは必要ですから。」
コトネ「ですって、レイジくんは都合どう?」
レイジ「別に良いですよ。」
ハルマ「そーですか。じゃあ三人で行きましょうか。」
露骨にテンションが下がったハルマに促され、近くの飲食店に向かう。
ちょっと高そうな中華のお店。
ハルマ「今日はお疲れ様。俺が奢るから好きなもん食ってくれ。」
「いやー、あのクイナってヤツ?オレが今まで戦った中でも断トツで強かったな。」
「まさか、そんなヤツ相手に、対策課でもない二人が中心になって決めてくれるとはねー。」
レイジ「何言ってるんですか、みんなの勝利ですよ。」
コトネ「そうですよ。」
ハルマ「ま、そういうことにしておきますか。」
「二人とも、大切な人が入院してるんですよね。」
「早く良い報告してあげたいっすね。」
コトネ「え、レイジさんもそうなんですか?」
レイジ「いや、コトコは只の友達だし、入院も検査入院みたいなものだし。」
「コトネさんのご家族の件と一緒にするのはどうかと思いますよ。」
コトネ「ふーん。只の友達ね。」
ハルマ「女の子と只の友達ってことあるんですかねー。」
レイジ(想定外のイジりだな。)
(そう言えば、初の女友達か。)
レイジ「付き合いたいとか思わないけど大切。」
「細かい定義は解らないけど、コトコは友達だと思うよ。」
ハルマ「へー。じゃあコトコさんの裸見ても何とも思わないってこと?」
レイジ「いや、健康的な男として普通に興奮するよ。当然。」
「でも、そういう風に言ったら、カレンは同世代の誰とも友達になれないのかって話になる。」
ハルマ「カレン?誰それ?花鳥名月?」
レイジ「そ、そんな訳ないだろ。昔の知り合いのバイだよ。」
ハルマ「まーそれもそっか。オレには理解できないけど、人それぞれってことだな。」
コトネ(確かレイジさんは、花鳥名月と繋がりがあるハズ。)
(ふーん。カレンってそうなんだ。)
(そういうデリケートなことも聞いてるなんて、相当仲が良いんだろうな。)
(能力も凄いし、芸能人と親密だし、色々と規格外。)
(だけど接してみた印象は、どう見ても凡人。)
(何か裏があると考えたくなるよね。)
それから、暫くたわいもない話をして解散した。
レイジ(心配いらないと聞いていたが、一応、コトコの見舞いに行くか。)
レイジが病室に行くと、コトコは熟睡している。
医者に事情を聞くと、全く異常なしで夕方には帰れるようだ。
レイジ「良いな、コトコは平和そうで。」
レイジは軽く頬をつねって病室を出た。
レイジの身体は疲れにくいが、連日の戦闘で今回は流石にキツかった。
家でのんびりしていたら、いつの間にか寝落ちして翌朝までグッスリ眠った。
翌朝の大学は気が重かった。
ゴウタとリュージがどう扱われるか心配だった。
しかし、なんか普通に転校ということになっていた。
考えてみれば当たり前だ。
霧の能力を秘匿にしている以上、その被害者も隠す必要がある。
しかし、それでは納得出来ない人間が1人いた。
カンナ「レイジ、何があったか教えて欲しいんだけど。」
レイジ「良いけど、放課後な。」
「誰かに聞かれると不味い。」
カンナ「解った。じゃあ放課後ね。」
レイジ(さて、どうしようかな。カンナに正直に話す義理はないが・・・。)




