18 クイナの正体
ハルマ「いきなり女の子狙うなんて卑怯だぞ。」
ムラモト「いや、後衛を狙うのは定石だ。」
「と言うか、タムラが狙われてもお前そんなこと言わないだろ?」
コトネ「か弱い女の子で悪かったわね!!」
そう言って、コトネはクイナの背中を焼く。
更にレイジとムラモトが速射で集中攻撃する。
しかし、クイナの背中は不燃性のようで効果が薄く、速射は翼のようなもので防がれる。
ムラモト「あれは明らかに翼じゃないぞ。背中に生えた盾だ。」
レイジ「これは霧を纏っているんですかね?それとも身体が変質しているんですかね?」
ムラモト「冷静だな。確かにそれ次第で対応が違ってくる。」
もし、クイナが霧を纏っている場合、外皮への攻撃はほぼ無意味。
更に急所への攻撃も効果が薄く、切断で霧を消費させるか、外皮の奥まで届く貫通力のある攻撃をするしかない。
しかし、クイナの身体が変質している場合、外皮を砕くのは効果的だし、急所攻撃も有効。
ムラモト「翼盾の付け根を狙うぞ。」
レイジ「了解。」
二人は3・2・1で翼盾の付け根に速射の弾を同時に撃った。
これで翼盾を切断できれば二択の答えが出るのだが、もう片方の翼盾で防がれてしまう。
だが、その隙にハルマとカルマで身体への打撃攻撃を試みる。
ハルマ「滅茶苦茶硬いな。オレ以外は打撃はしない方が良い。」
「ムラモトさんの手刀だと多分、骨折れますよ。」
コトネ「我召喚・・・。さっき死んだカルマさん?がまた一瞬で出てくるのね。」
ハルマ「生で見るの初めてですか。」
「我召喚で生まれた生物は、術者の霧がある限り何度でも復活出来るんですよ。」
コトネ「なるほどね。」
それから、暫く有効打が入らない泥仕合が続いた。
レイジ(このままだと、先にスタミナ切れでやられるのはこちらだろう。)
(何でも出来る俺が道を開くしかないな。)
レイジは半月状の刃付き粘着付き的付きの弾を付け根に当てた。
レイジ「ハルマ、その的を狙って攻撃してくれ!!」
ハルマ「了解。ナイス、レイジ!」
ハルマはレイジの意図を理解し、何度か的を殴った。
レイジとムラモトも弾丸で的を狙う。
それで何とか翼盾を切断することが出来た。
コトネ「よし!ハルマさん、それを掴んでアイツにぶち当てて!!」
ハルマ「みんな人使い荒いなあ。」
言われてハルマは翼盾をクイナに向けて投げつけた。
ムラモト「・・・待て、止めろ!!」
コトネ「みんな、防御して!!」
翼盾はクイナの手前で霧散、そして霧散して大量に出た霧にコトネが火を点けたのだ。
次の瞬間、大爆発が起きた。
能力に使われていない霧は非常によく燃える性質を持つ。
ハルマはカルマで防御。
レイジは服から盾をつくって防御。
キムラはレイジの後ろにいたので無事。
しかし、ムラモトとコトネは爆風をマトモに受けてしまう。
身体強化が出来るムラモトはそこまでではないが、コトネは重傷だ。
キムラが急いでコトネの治療をする。
そしてクイナは、片腕が肩から無くなっており、満身創痍。
即死は免れたようだが、もう戦えないだろう。
しかし、それでも向かってくるので、レイジが脳と心臓を狙って弾丸を撃ってトドメを刺した。
弾丸を受けたクイナはバタンと倒れ、霧散した。
ムラモト「どういうことだ?クイナ自身が霧だと?」
コトネ「確信はなかったんですけどね。」
「ハルマさんの我召喚の話を聞いて、コイツもそうかなって。」
レイジ「喋って大丈夫なのか?」
コトネ「一応、空気操作で少しは防御したので。」
「それにキムラさんに回復してもらいましたし、喋るくらいは何とか。」
ムラモト「結局、二択のどちらも答えではなかったということか。」
「しかし、レイジが倒したクイナには死体があったんだよな?」
コトネ「人間の身体は三カ月でその多くが入れ替わると言われています。」
「ただ、骨や筋肉は入れ替わりが遅いと言われています。」
レイジ「なるほど、最初のクイナは長年出しっぱなしだから、受肉したのか。」
コトネ「受肉って、まぁそういうこと。霧だった細胞が実際の細胞に変わっていったのでしょう。」
「恐らく、骨や筋肉を調べれば、仮説の立証が出来ると思います。」
ハルマ「そういう話は本部帰ってからにしようぜ。」
「ココにいつまでも留まるのは危険だし、何より休みたい。疲れた。」
ムラモト「それもそうだな。多分、クイナが死んだ場所に残された板を操作すれば出られるだろう。」
ムラモトは、そう言ってスマホのようなものを拾った。
そして、適当に弄ると壁が消えた。
ハルマ「おっ不思議アイテムゲットっすね。」
「壁を出すスマホ。宇宙の技術かー。」
ムラモト「さて、帰るか。キムラ連絡頼む。」
タムラ「もういます。」
「心配しました。良かった、無事で。」
そう言いながら、タムラはキムラを叩く。
キムラ「いや、照れ隠しだって解ってますよ。」
「解ってますけど、何で照れると僕を叩くんですか。」
タムラのお陰で変な空気になったが、一同は本部に帰った。
戦いには勝ったが、狂人薬事件については暗礁に乗り上げてしまった感がある。
スオウは頭を抱えていた。




