16 狂人薬事件
狂人薬事件
メロ市内で、凡庸な宇宙人や能力者が突然、危険指定級になる事件が多発していた。
彼らの多くが理性を失っており、死後解剖したら、心臓に黒い塊があるという共通点を見つけた。
それは、血と地球外物質が混ざった謎物質で、本部で詳しく調査している。
本部では、この謎物質が凶悪化の原因「狂人薬」であると考えている。
そして先日、霧犯罪対策課の二名が殉職したことで、最重要案件として本部主導で対応することになったのだ。
任務総責任者
M・H対策部・部長
①スオウ・マイ (25) 女
日本中の大きな霧の流れを把握し、全国の危険指定宇宙人を一人で決めている。
探知特化の能力者。
戦闘部隊総隊長
宇宙人対策課課長
②ムラタ・ヤマト (44) 男
身体強化と岩の性質の物質を操る。
堅実な戦い方で、全国でもトップクラスの強さ。
副隊長
霧犯罪対策課・課長
③ムラモト・シゲル (33) 男
速射による正確な狙撃と、手刀を用いた体術が得意。
身体強化は上の下くらいだが、トリッキーな戦い方には定評がある。
戦闘部隊
宇宙人対策課
④ミムラ・エイコ (33) 女
様々な性質の物質を生成して戦う。
仲間に武器を提供してサポートに徹することが多い。
⑤イシマ・ハルマ (20) 男
我召喚で自分と同じ背丈の男性を出す格闘家。
自分二人の連携で敵を翻弄する。
後方支援
霧犯罪対策課
⑥タムラ・コダマ (29) 女
ワープゲートの使い手。
高速移動や軽い防壁もつくれる。
⑦キムラ・ヨージ (20) 男
他者や自分の怪我を回復させる能力を持つ。
精度低めの軌跡読みができる。
協力者
トウ大学2年
⑧フワ・コトネ (20) 女
狂人化した宇宙人に両親を殺され、妹と弟は入院中。
それでこの件についてのみだが、全面的に協力することになった。
炎を操る能力者。
メロ大学2年
⑨ストー・レイジ (20) 男
狂人薬事件の首謀者に狙われている恐れがある。
威力の高い速射と硬くて柔軟な物質の生成ができる。
また、狭い範囲だが高い精度の軌跡読みもできる。
因みにこの任務に総力を割く訳にはいかない。
霧犯罪対策課のムラサキと、宇宙人対策課のフドウ、本部からの応援のミワの三人が通常業務を行う。
また、全国を仕切っているスオウは多忙過ぎるので、主にムラタが仕切ることになる。
会議の場所は、キノ病院の地下にある宇宙人対策課・会議室。
レイジは霧犯罪対策課に行き、タムラに送って貰った。
レイジ(アダルト連中は置いといて、同世代には挨拶しとこーか。)
(えっと、彼がハルマくんだな。爽やかイケメン風。)
レイジ「宇宙人対策課のハルマさんでしょうか?」
「今回の作戦、よろしくお願いしますね。」
ハルマ「こちらこそ、よろしくお願いします。」
「ウワサは聞いています。」
「素人なのに単騎で宇宙人を二人も倒したとか。」
「期待してますよ。」
爽やかイケメンの爽やか挨拶&握手にタジタジのレイジ。
レイジ(なんか裏表ありそうなヤツだな。)
(そう感じるのは、俺の嫉妬か?)
コトネ「楽しそうですね。」
レイジ「あなたは、・・・コトネさん?」
コトネ「あなたは協力者のレイジさんですね?」
「お強いみたいですが、相手は凶悪な犯罪者。」
「油断すると命取りになりますよ。」
レイジ「ご忠告どうも。」
「でも、気張り過ぎると本番まで持ちませんよ。」
「気持ちは解りますが、メリハリ付けた方が良い仕事が出来ると思いますよ。」
レイジがそう言うと、コトネは突然泣き出した。
コトネ「すいません。そりゃあ、そうですよね。」
「ダメだなぁ私。気張り過ぎてどうしようもないの。」
「これじゃあ、私が本番で足引っ張っちゃうね。」
ハルマ「大丈夫だよ。」
「今回はオレたちプロが一緒なんだから。」
「回復のキムラくんもいるし、安心して良いんだよ。」
レイジ(俺も気の利いたこと言いたかったのに。)
(流石イケメン、反応が早い。)
コトネ「ふふっ。二人ともありがとう。」
「少し、落ち着いた。」
「二人とも、私と同い年なのに凄いね。」
レイジ「俺は変わんないよ。」
「こう見えてもかなり緊張してるんだぜ。」
スオウ「あなたがレイジさんですね。」
「初めまして。部長のスオウ・マイです。」
「飽和に至っているんですね。」
「想像以上、素晴らしいです。」
レイジ「初めまして。」
「あぁ、いつの間にか飽和ですね。」
「気付きませんでした。」
「これが飽和、力が溢れてくる。」
その会話を聞いて、レイジは全員に注目される。
今回の作戦メンバーの中で、飽和はムラタのみ。
現時点で飽和というのは超一流の証なのだ。
スオウ「一対三の戦闘で飽和に至ったのでしょう。」
「やはり、あなたは狂人薬を投与された可能性が高そうですね。」
レイジ「俺は暴走していませんよ?」
「何でそう思うんですか?」
スオウ「あなたの能力は、他の能力者と比べて異質なんですよ。」
「狂人薬が上手く適合して、理性を保ちつつ強化された。」
「それは彼らの目標であり、故に狙われている。」
「そう考えると、色々なことが納得できるんですよ。」
「これは数ある仮説の一つでしかありませんが。」




