13 戦いの戦果
キムラ「酷い惨状ですが、何とか死者を出さずに済みました。」
「あなたたちの素早い対応のお陰です。」
「素晴らしい正義感、素晴らしい才能ですよ。」
レイジ(リュージも生きてるのか?)
(ちょっと考えにくいが、奇跡的に一命を取り留めたのか。)
レイジ「リュージ、あの赤い髪のゴツいヤンキーは助かったんですか?」
キムラ「うーん。そういう人はいなかったと思いますよ。」
「少なくとも、怪我人の中にはいなかったですね。」
「全員僕が回復させたので間違いないです。」
レイジ(どういうことだ?)
(恐らく、ゴウタがゲートでどうにかしたのだろう。)
(マギドワに襲われてるヤツを助け出すのは俺でも難しい。)
(アイツも何か特殊な力を身に付けたのか?)
レイジ「そう・・・ですか。」
「で、出来れば俺はあまり戦いたくないですし、あまり能力を明かしたくもないです。」
「でも警察に嫌われたくないので、最低限の協力はします。」
キムラ「うーん。残念ですが、仕方ないですね。学生ですしね。」
「一応、僕と連絡先交換してくれません?」
「気が変わったら連絡が欲しいのと、色々情報交換くらいは、ね。」
レイジ「良いですよ。あと、折り合いが付いたらバイトくらいはしますよ。」
キムラ「それは、チームの一員にはなりたくないけど、時々協力してくれるってことですか?」
レイジは静かに頷く。
レイジは情報を渡したくないが、情報が欲しい。
故に属さず協力者に留まるのがベストと考えたのだ。
キムラ「それなら協力者ってことで、ウチの隊長に紹介したいです。」
「あと、協力者は隊の色んな施設を利用できますのでその説明とかも。」
「だから、ウチ来てもらえます?」
レイジ「今日はもう休みたいんで、明日でも良いです?」
「あと、女性の方はずっと黙ってますけど、何してるんですか?」
キムラはレイジの近くによって小声で言った。
キムラ「タムラ先輩は人見知りなだけです。」
「僕らより一回りくらい年上なのに、重度の人見知りでマイっちゃいますよ。」
キムラがそう言うと、タムラはキムラの後頭部を殴打した。
かなり本気で、タムラは静かに悶絶している。
タムラ「29歳、アタシはまだ29歳。」
「一回りって12コ上。全然違う、ふざけんな。」
レイジ「ですよねー。もっとお若いと思ってましたー。あはははは。」
レイジ(何だこの人、ヤバいヤツだ。傍から見てる分には面白いが。)
キムラ「痛いなぁ。タダのギャグじゃないっすか、酷いっすよ。」
「マジ殴打のツッコミは勘弁してくださいよ。」
タムラ「・・・わかった。気を付ける。」
タムラはそう言ってソッポを向いた。
キムラ「じゃあ、今日はもう帰るんで、明日連絡しますね。」
「先輩、ゲートお願いします。」
キムラがそう言うと、タムラは静かに頷いてワープゲートを開き、何処かへ行ってしまった。
レイジ「ふー、疲れた。」
コトコ「タイミング逃しちゃったけど、ウチは関係ないんだよね?」
レイジ「あれ、いたの?」
コトコ「ひっどー。全員に無視された、悲しい。」
レイジ「いやー、警察に事情聴取されんの初めてでさ。緊張して、さ。」
コトコ「レイジは良いよ。あの人たちウチのことは誘ってないんだよね?」
レイジ「だと思うよ。コトコの能力は相変わらずでしょ?」
コトコ「ええそうですよ。カヤの外ですよ。」
そんなやり取りをして、コトコとも別れ一人で家路につく。
レイジ(今日は色々あったなー。本当に。)
(しかし、成り行きで出来ることが増えたし、家に戻ったら一通り確認しないとな。)
レイジは家に戻ると能力を一通り確認した。
まずは余剰魂。
イツキに渡して使わせたことで、能力への理解が高まった。
これは身に纏うべきだ。
いつでも武器にも防具にもなる霧。
指からしか出せない霧の能力と同質なことが全身で出来る。
これは大きなアドバンテージになる。
次に速射。
余剰魂で様々な形状に出来るようになったので、威力が向上した。
そのうち火炎弾などの特殊弾も扱えるようになるだろう。
最後にイツキの扱い方。
出来ることは大きく分けて「状態操作」「手動操作」「感覚共有」の三つ。
「状態操作」は怪我を治したり怪我を負わせたり、また記憶を追加したり抜いたりできる。
これで、レイジはマギドワ戦で常に怪我を治しながら戦うことができた。
また、これで嘘設定が本当にあったことだとイツキに思い込ませることができた。
「手動操作」にしてレイジが操作することも可能。
これは、レイジがイツキの身体を乗っ取るようなイメージ。
例えば、イツキは品行方正なので、記憶操作で犯罪行為をさせるのは難しい。
故にイツキに犯罪行為をさせたければ「手動操作」を使うことになる。
そして、今後のお楽しみとなる「感覚共有」。
空き時間にイツキの感覚を勝手に共有して楽しむことが出来る。
感覚共有をするとイツキの近況を確認できるので、必要性はある。
別にエロい目的だけでする訳じゃない。
早速「感覚共有」を使ってみたら、四人で演奏の練習をしていた。
どうやら、レイジたちとの親睦会の前に四人で温泉に入りながら事前打ち合わせをするらしい。
楽しみだが、レイジは刺激が強過ぎて耐えられるか心配になった。
それからレイジは、寝るまで感覚共有を楽しんだ。




