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12 嘘設定

イツキは高三の夏休み直前に、バンド仲間と大喧嘩した。

原因は嫉妬。


イツキは、誰よりも音楽的センスがあり誰よりも綺麗で、学校の成績も運動神経も抜群。

それでいて一切の嫌味がなく、正義感も強く誰よりも優しい完璧超人。

パンク系のバンドで奇抜なファッションだったが、同級生からも教師からも好かれていた。


対して他のメンバーは、音楽しかないはみ出し者ばかり。

赤点だらけで素行も悪く、事あるごとにイツキと比較された。


ある日、メンバーの一人がキレてイツキのベースを壊した。

どう考えてもキレたメンバーが悪いのだが、それが切っ掛けで「イツキはウチらといない方が良いよ」と言われ、イツキはバンドを抜けることになった。


その傷心旅行で、イツキは夏休みの約一ヶ月の食べ歩き旅行を決行したのだ。

これが、イツキの人生で唯一アリバイのない期間。


だから、イツキは旅先で出会ったレイジにベースを教えたことにした。

このときのレイジは、まだ虐められておらず、殆ど家で過ごした夏休みなのでアリバイはない。

レイジはベース経験ゼロだが、イツキと同じレベルで演奏すれば疑う者はいないだろう。


そして、当時のイツキは今とはかなり印象が違ったので、花鳥名月のイツキと同一人物だと気付かなくても不思議ではない。


レイジはイツキに気付かなかったが、イツキはライブですぐにレイジに気付き接触。

四年ぶりの師弟再会で、昨日レイジ宅で盛り上がった。


そこで、ミストの能力の話も出て、何か色々試したら合体技を習得した。


レイジ(これでどうだ・・・?)

(矛盾はない・・・はず。)


先にイツキを目覚めさせ、色々と説明させた。

そして、説明中にレイジも起きた。


ミヅキ「へー、ヤケ食い旅行じゃなかったんだー。」

イツキ「ひと夏の出会いを何となく秘めときたかったのよ。」


カレン「何か意味深・・・、レイジさんはイツキのこと好きなの?」

レイジ「恋愛的な意味なら全然。人間的には大好きだけど、そういう目では見てない。」


カレンは微妙な顔をして、イツキとレイジと自分で手を繋いで円を描かせた。

イツキと手をつないでも何とも思わないが、カレンと手をつなぐのはかなり照れる。


レイジは童貞だが、そこまで初心じゃない。

ただ、レイジの中には、イツキとカレンの艶めかしい記憶があるのだ。


カレン「ちょっとワザとらしい?でも、嘘じゃないみたい。」

「安心した。信用する。」


レイジ「花鳥名月って恋愛禁止でしたっけ?」

レイジは意地悪な質問をした。


カレン「違うけど・・・、気になっただけ。」

「もうこの話は終わりにしましょ。」

「次は能力について教えてよ。」


イツキ「簡単に言うと、レイジがミストでつくった武器を私が持つとパワーアップするの。」

「だから、それで私が前線で戦って、レイジが後ろで拳銃みたいな能力で援護したら最強じゃんって話になったの。」


レイジは、軽く棒を出してイツキに渡した。

そして、イツキがそれを様々な形に変形させて見せた。


勿論、これは嘘だ。

しかし、今のレイジのベストな戦闘スタイルがこの説明だと辻褄があうのだ。

イツキとレイジはそれぞれの生活があるので、常に一緒にいる訳にはいかないが、有事の際は協力し合おうという話になった。


レイジはコトコを呼び、花鳥名月の全員と二人で連絡先を交換した。

緊急時に合流して対処するために、また色々と落ち着いたら親睦会をするために。

親睦会は花鳥名月とレイジ・コトコで行う予定。


平静を装っていたが、途中で限界が来て挙動不審になったコトコが可愛かった。

女性的な意味ではなく、小動物的な意味で。念のため。


その後、花鳥名月はマネージャーに連れていかれた。

色々と予定がズレて大変そうだ。


レイジ「さてと、これで操って色々変なことしちゃったの、チャラにしてくれる?」

コトコ「するするー、って言うか別に怒ってないし。」

「それよりこれどういう状況?昨日は何で何も言ってくれなかったの?」


レイジ「イツキが俺のベースの師匠だったんだよ。」

「当時は髪も化粧もド派手でさ、まさかイツキだったとは思わなくてさ。」


コトコ「ふーん。」

「まぁ良いや、嘘でも本当でも。」

「いやー、楽しみー。親・睦・会♪」


レイジ(疑ってるのか?)

(コトコは変な子だけど、頭は良いんだよな。)


そんなやり取りをしていたら、警察が来た。

そりゃそうだ、この大惨事の主要人物なのだから。


レイジは男女ペアの私服警察官のうち、若い男性から名刺を貰った。

その警察の名刺には、「ミスト犯罪対策課 キムラ・ヨージ」と書かれている。


レイジ(あれ、そういえば宇宙人でも殺したら罪になるのか?)

(何となく大丈夫な気がしてたけど、実際殺人だよな・・・。)


レイジ「俺、逮捕されるんですか?」


キムラ「何で?あ、そっか殺したからか。」

「大丈夫ですよ。彼のような悪意の宇宙人は殺しても犯罪になりません。」

「声を掛けたのは、詳しい経緯を聞きたいのと、スカウトです。」


レイジ(何それ。悪い宇宙人と戦う特殊部隊的なヤツ?)

(嫌だなー。別に断っても良いんだよな?スカウトだし。)

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