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会長が行動した途端、横に構えている二人に「ついてこい」というように両手を振る。二人は一つ文句もなく後をついた。
会長自身が真ん中で、三人がそれぞれ左、中、右という方向で一斉に攻める。
この状況を見て、ラーリーはまず早歩きの感じで後ろに下がる。
まず1対2……自分に攻めてきた三人を見定め、ラーリーは真っ先にきた会長の方に手を交わす。
サッ!と白い線の軌道がまっすぐに会長の目へ向かったが、会長に簡単に避けられた。
会長は頭がくいっと小さな動きで回避し、次にやるのは左、右、左の拳の三連撃だった。
「……うっ!」自分が想定しているのと違って、ラーリーは避けられず、それぞれの攻撃を受け止めるしかなかった。
もし会長が横身に大きな動きでナイフを避けると、ラーリーは直接手首ブレースの冒険者――サティマとメリケンのティラエスと対面しようとしたのだ。
だが、この算段が潰されて、ラーリーは一歩を引いた。
それでも、ラーリーはナイフを止めていない。三連撃を喰らった後、彼はすぐに会長の首を狙って、半月切りを放った。
会長は切られないように下がったが、後をついた二人はここで会長と交代した。二人はラーリーと対面し、攻守していた。
「横の両方面から攻め続けろ!」と、会長が指示した。
ふっ、ふっ、ふっ、と二人は気が合うように拳を振り続ける。間もなくラーリーは不快に思って、「チッ!」と舌打ちをした。
確かにこれはラーリーが想定した1対2の場面だが、攻防の立場が違う。ラーリーがずっとサティマとティラエス二人に攻められ、元々モモナーとカウンター近くにいた距離もだんだんと離れていた。
天よ地よ……
攻守逆転をするために、ラーリーは視線を入口の方に向いた。
「ひっ!」と冒険者協会の入り口に男性職員がいる。ラーリーの視線と合わせて怯えていた。その目に含んでいるのは純粋な殺意だけだった。
当然サティマとティラエスもラーリーの視線に気付いた。だが、二人の対処方法が全く違う。
風よ音よ……
「おい!攻撃を止めるな!」とティラエスが慌てて言った。
ラーリーは二人の攻撃の隙を窺って、手元のナイフで入り口の人に投げようとした。肘と腕を体の内に曲げて、今すぐにでも射ろうと誰が見てもそう判断する姿勢だ……
だから、サティマはなりふり構わず、身体で射線上に阻む。
「ふん」と、しかし、全てがラーリーのフェイントだった。
「――お願い!」
“肘を曲げて、また腕を伸ばしても、ラーリーは全然ナイフを投げていない。むしろ、彼は一回手を引いて、腕を反時計回りに回した後、そのまま逆手持ちのナイフでサティマの首に刺そうとした。
フェイントに騙されたサティマは反応できず、プチと、しっかりと首から血の花が咲いた。
「クハ……!」顎からの貫通、次に身体を斜め切り・刺す。
「サティマ!」と、ティラエスは攻撃しようとしても、攻撃が間に合わず、ただナイフがプチと刺さることに目にするしかできなかった。
そして、ラーリーは更に素早くナイフを引き抜き、次に慈悲なくサティマの身体に斜め切り・刺すの連撃を放つ。
サティマは身体が崩れ落ちて、無力に倒れていた。
すると、ティラエスの攻撃が荒ぶり始めた。
「はあああああ!」適当な攻撃、乱雑な拳。ティラエスはもう冷静になっていない。
冷静になっていないやつは……もう終わりだ。
サッ、サッと、ラーリーは束の間でティラエスを片付けた。入り口にいる男性職員も武力がないため、容易く殺された。
返り血に覆って、ラーリーはナイフで会長の方に指す。
「……あとは、貴様だ。魔法を使っているな。聞こえているぞ。」
さっきまで会長は跪いて、目を閉じていたが、ラーリーの話を聞くと、苦笑いをした。
「魔法を使ったのは失敗か……」
「貴様はかなりの実力者だろうが、勝手に俺を舐め腐りやがって……」
「はっはっはっ……お褒めに預かりありがとう。」会長は乾いた笑いをして、皮肉のような感じに言った。
でも、ラーリーは冗談に付き合わない。彼は直接「死ね!」と叫びつつ、会長に向かって――“
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「それでは、事情を聞かせてもらおうか。皆様。」会長は腕を組んでいて、全員一通り見回していた。
サティマ、ティラエス、ノール、モモナー……また、目に焦点がなかった、動かないままのラーリー。
この冒険者協会では、誰も死んでいない。
短めですが、やっぱり戦闘場面って、2話くらいでいいでしょうね。
……
ちなみに、Baldur's Gate 3(たしか日本語訳は”バルダーズゲート3”?)、
日本語版が出たらしい。皆様は遊びました?
とても面白いでしょう!




