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六人家族が異世界に  作者: ヨガ
三人のシナリオ(2)
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 「あの……どうすればいいでしょうか?」今、井上若実が泣いているため、フロンが助けを求めている。


 「どうすればいいって……」と井上凜は少し困っている顔で言った。近くにいる井上桃花も同じような顔だった。


 二人はやり方がわからないわけではない。


 井上若実の近くにいないというわけがあるし、フロンが自分の代わりにやっても効果があるかどうかが悩んでいる。


 井上若実に対して、兄弟姉妹の宥め方、また両親のやり方も違う。


 例えば:井上凜のやり方は、少しお菓子を出して、スイーツを作ってあげるという方法だ。“甘いものは気持ちを鎮める効果があるから”という類の理論で、井上若実に甘やかしていた。


 理由はどうであれ、井上凜は甘やかすタイプだ。


 井上桃花なら、頬や身体にくすぐるみたいな感じでいじった後、外でも室内でも、しばらく一緒に過ごすというやり方だった。時々いじりすぎて、逆に切られた時もちょくちょく見られるが、家族だからあまり距離を置いていかれない。


 つまり、子どもにちょっと嫌われるタイプである。


 妹ちゃんをいじる時、弟君もいじるから。逆に私にライバル意識をもってしまうけどね……と井上桃花は自分のやり方を分析しつつ、こう思った。


 井上凜のならともかく、井上桃花のやり方は井上若実と親近感もないフロンにとって、いい結果が出せる未来が見えない。


 そのため、井上凜はまずツリーセの方に話しかけた。


 「ツリーセくん。星くんはどう言った?」井上凜は井上星の意見を求めた。


 「えっと……」ツリーセはしばらく静かになって、井上星の話を聞いている。


 「友達みたいに遊んであげてとか、ちょっとハグしてあげてとか、兄ちゃんと姉ちゃんのやり方でもいい……とにかく、どんな感じでやってもいい。でも――」ここまで言って、ツリーセは少し目が上に向きながら、まるで何かを考えているように続きの話を言った。


 「――今、怒ってはいけないって。これに気を付けたほうがいい。」


 「確かにね。」不安がる子どもに怒るのはさすがにおかしい。


 「じゃあ、その感じでお願いしますね。フロンさん!」と井上桃花が言った。


 「……はい?」少し意味がわからないフロンである。


 「あれ?さっきツリーセちゃんの話……聞いてませんでしたか?」


 井上桃花はまだわからない。ツリーセの声はフロンに届かないことを。このことに気付いた井上凜は「あ」と、すぐ説明した。今まで説明する機会がなかった。ロールプレイング状態中に、フロンはプレイヤーの声が聞こえないということを。


 「え、そうなの?」


 「はい……そうです。」とフロンは井上若実のことに気を付けつつ返事した。目を離したら、子どもはすぐいなくなるという話が友人から聞いたことがあるから。


 「だからずっとツリーセちゃんの話を無視したのね……」声が聞こえないから、当然無視したように感じる。


 「桃ちゃんは気づいたの?」


 「気づいた……というか、感じたほうが正しいかな。妙にツリーセちゃんに話しかけてなかったなぁって。」


 「なるほど。」


 「それで……あのツリーセくん、つまり星様のキャラクターでしょう?何が言いました?」とフロンは話ながら、ずっと井上若実が泣いている姿を見ている……その情緒に影響され、何となく自分も泣きそうになる感じだった。


 でも、井上凜が続いての話は少しフロンに井上若実から注目を引き離した。


 「そうですね。星くんの意見も求めた――」続いての話はどんな感じで井上若実をなだめることだった。


 全部の話に聞き終わったフロンは、一瞬、“星様の意見……?”という疑問をよぎったが、すぐ井上若実の声に消された。


 友人が何かをやったのだろうと、フロンは自分に説得したのだった。


 そして、フロンは何とか三人の意見と方法を取り入れつつ、井上若実の不安を徐々に鎮めた。


 「ほーら!お菓子ですよ!姫様!」「うええぇん!」


 「見て見て!“角のータワー”!これはよくみんなに受けるんですよ!姫様!」「ううぅん……」


 プシャー


「どうですか!きれいでしょうか!私の身体からの“氷の結晶”ですよ!それに、雪ウサギが作れます!」「シク……」


 フロンは、頑張っている。


 そして、十分間の後、フロンにとって長い長い十分間が経った後……その成果は――


 井上若実、やっと泣くのをやめた!

はい。次話が本題に戻します。

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