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六人家族が異世界に  作者: ヨガ
三人のシナリオ(2)
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 「一体……何だったの?」と井上桃花は身震いしながら言った。


 何も見えなかった。見えなかったからこそ、怖かった。


 みんながいたところに“見えない攻撃”が落とされていた。とんでもない威力で。もしツリーセちゃんが助けてくれなければ、私は今……と井上桃花はゴクっと唾液を飲み込んで、こう思いながら裂け目を見ていた。思い出すと、井上桃花がもう一度身震いをしていた。


 ここでツリーセは井上桃花の問題に答えた。


「……わからない。でも、何かがの攻撃に違いないと思う。」井上星はツリーセから少しの罪悪感を感じた。ツリーセが嘘をついた感覚と同じだったからわかる。


 ツリーセは兄ちゃんと僕に言わないことがある。それは何なのかがわからないけど……今、ツリーセも「何か」を言わなかった。


 そして、井上星は何となくそうじゃないかと思っている。


 この「何か」はきっと、あの吸血鬼のことだろう。でも、威力が違うし、今言ったら誤解が生むだろう……と、今回ツリーセが言わないことに井上星は見当がついたため、黙認した。特に聞くつもりがない。


「あの、一体どうしました?」とフロンの声が三人の間に響いている。


 フロンの若干焦っている声色に、ずっと驚いていた井上凜はやっと我に返った。


「そ、そうだ!父さんと母さんが――」と井上凜が少し焦っていて、説明し始めた。少し混乱していたため、井上桃花は時々補足する形で一緒に説明した。


「見えない攻撃、ご両親も攻撃によって……そうですか。申し訳ありません。攻撃は何なのか私も見当がついていませんが……はっきり言えることがあります。あなたたちの両親なら、生きています。」


 フロンの「生きている」という言葉が感情強くて、井上凜だけでなく、他の二人も感じ取って、少し落ち着いた。


 なぜフロンがこう言えるのか、三人は理由がわかっている。


 特に質問しなかったが、三人が忘れていたかもしれないとフロンがもう一度に言った。


「死んだ人は私のところに伝送されますので、きっと生きています。二人は今も伝送されていません。」


 そうだ……父さんと母さんが死んでいたら、フロンさんが最初にわかる。これが確認できただけで……と井上凜は深呼吸して、さっきまでの焦りが落ち着いた。


 まだ心配しているに変わらないが、混乱した感情が治まったのだ。


「……そうですね。忘れるところでした。」と井上凜が言った。


「では、あなたたちはどうします?状況はどんな感じでしょうか?」とフロンが二つの質問を聞いた。二つの質問はまさにTRPGではGMがよく聞く問題とプレイヤーがよく聞く問題だった。


「そうですね。まず下を観察してから決めます――」と井上凜が言ったが、井上桃花がこれを待っていたかのようにすぐ続いて言った。


「でも、父さんと母さんがいなくなったのは変わらない。さっき私がちょっと見た感じ、衝撃が起きたところの下に人影が見えないよ。」と、実は井上桃花はすでに裂け目に近づいて、衝撃ができたところに観察し始めたのだ。


 そして、誰もいなかった。


 井上桃花の話を聞くと、井上凜とツリーセも一緒に裂け目の下に観察し始めたが……やはり誰もいなかった。


 裂け目の下に誰もいない。木が裂け目の所々に倒れていたが、まだ視野に阻まるほど全貌が見えないわけではない。少なくとも、衝撃が来る前に、元々井上智澄と井上佳月がいたところに木々に覆われていない。


 十階建てマンションの高さは精々30メートル。凸凹のない土壁に、簡単に降りられないでも、裂け目の底が見えるのだ。


 衝撃に飛ばされたのか……でも、衝撃に飛ばされたのなら、私たちも余波に影響されてもおかしくないはずだ――と井上凜が考え始めた。


 だが、原因を考えてもしょうがないとわかった途端、「……待ってくださいね。」とフロンが突然何かを思い出したかのようにこう言った。


 そういえば、フロンさんは人の居場所が確認できる!


 でも、幸か不幸か――「……ご両親は命の森にいます。」とフロンが言った。


「じゃあ、やはり下の底に……」と井上桃花は呟きながら、再び下を見始めた。見逃したかもしれないと考えている。


 井上凜は考えている。井上桃花は探している。


 ツリーセは自分も何かをやった方がいいと、井上桃花と一緒に観察するつもりだったが……


 『ツリーセ。』


「はい?」


 『兄ちゃんに伝えて――』と井上星がツリーセに言った。


 色々なことが起きて、かなりの時間が経っていた。少なくとも一時間や二時間くらい経っていた。ツリーセは井上星の話を聞くと、すぐに井上凜に話を伝えた。


「あの、リンさん。星が言いました。若実ちゃんを起こしたらどうだろう……それに、もう起きたかもしれない。」


そうだ!若実ちゃんのスキル――


「……フロンさん!」と井上凜が言おうとしたところ、フロンも「あ」と少し驚いた声を出した。


「……とうさん?」


 井上若実、起きた!

ここで四歳児!参上!

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