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「一体……何だったの?」と井上桃花は身震いしながら言った。
何も見えなかった。見えなかったからこそ、怖かった。
みんながいたところに“見えない攻撃”が落とされていた。とんでもない威力で。もしツリーセちゃんが助けてくれなければ、私は今……と井上桃花はゴクっと唾液を飲み込んで、こう思いながら裂け目を見ていた。思い出すと、井上桃花がもう一度身震いをしていた。
ここでツリーセは井上桃花の問題に答えた。
「……わからない。でも、何かがの攻撃に違いないと思う。」井上星はツリーセから少しの罪悪感を感じた。ツリーセが嘘をついた感覚と同じだったからわかる。
ツリーセは兄ちゃんと僕に言わないことがある。それは何なのかがわからないけど……今、ツリーセも「何か」を言わなかった。
そして、井上星は何となくそうじゃないかと思っている。
この「何か」はきっと、あの吸血鬼のことだろう。でも、威力が違うし、今言ったら誤解が生むだろう……と、今回ツリーセが言わないことに井上星は見当がついたため、黙認した。特に聞くつもりがない。
「あの、一体どうしました?」とフロンの声が三人の間に響いている。
フロンの若干焦っている声色に、ずっと驚いていた井上凜はやっと我に返った。
「そ、そうだ!父さんと母さんが――」と井上凜が少し焦っていて、説明し始めた。少し混乱していたため、井上桃花は時々補足する形で一緒に説明した。
「見えない攻撃、ご両親も攻撃によって……そうですか。申し訳ありません。攻撃は何なのか私も見当がついていませんが……はっきり言えることがあります。あなたたちの両親なら、生きています。」
フロンの「生きている」という言葉が感情強くて、井上凜だけでなく、他の二人も感じ取って、少し落ち着いた。
なぜフロンがこう言えるのか、三人は理由がわかっている。
特に質問しなかったが、三人が忘れていたかもしれないとフロンがもう一度に言った。
「死んだ人は私のところに伝送されますので、きっと生きています。二人は今も伝送されていません。」
そうだ……父さんと母さんが死んでいたら、フロンさんが最初にわかる。これが確認できただけで……と井上凜は深呼吸して、さっきまでの焦りが落ち着いた。
まだ心配しているに変わらないが、混乱した感情が治まったのだ。
「……そうですね。忘れるところでした。」と井上凜が言った。
「では、あなたたちはどうします?状況はどんな感じでしょうか?」とフロンが二つの質問を聞いた。二つの質問はまさにTRPGではGMがよく聞く問題とプレイヤーがよく聞く問題だった。
「そうですね。まず下を観察してから決めます――」と井上凜が言ったが、井上桃花がこれを待っていたかのようにすぐ続いて言った。
「でも、父さんと母さんがいなくなったのは変わらない。さっき私がちょっと見た感じ、衝撃が起きたところの下に人影が見えないよ。」と、実は井上桃花はすでに裂け目に近づいて、衝撃ができたところに観察し始めたのだ。
そして、誰もいなかった。
井上桃花の話を聞くと、井上凜とツリーセも一緒に裂け目の下に観察し始めたが……やはり誰もいなかった。
裂け目の下に誰もいない。木が裂け目の所々に倒れていたが、まだ視野に阻まるほど全貌が見えないわけではない。少なくとも、衝撃が来る前に、元々井上智澄と井上佳月がいたところに木々に覆われていない。
十階建てマンションの高さは精々30メートル。凸凹のない土壁に、簡単に降りられないでも、裂け目の底が見えるのだ。
衝撃に飛ばされたのか……でも、衝撃に飛ばされたのなら、私たちも余波に影響されてもおかしくないはずだ――と井上凜が考え始めた。
だが、原因を考えてもしょうがないとわかった途端、「……待ってくださいね。」とフロンが突然何かを思い出したかのようにこう言った。
そういえば、フロンさんは人の居場所が確認できる!
でも、幸か不幸か――「……ご両親は命の森にいます。」とフロンが言った。
「じゃあ、やはり下の底に……」と井上桃花は呟きながら、再び下を見始めた。見逃したかもしれないと考えている。
井上凜は考えている。井上桃花は探している。
ツリーセは自分も何かをやった方がいいと、井上桃花と一緒に観察するつもりだったが……
『ツリーセ。』
「はい?」
『兄ちゃんに伝えて――』と井上星がツリーセに言った。
色々なことが起きて、かなりの時間が経っていた。少なくとも一時間や二時間くらい経っていた。ツリーセは井上星の話を聞くと、すぐに井上凜に話を伝えた。
「あの、リンさん。星が言いました。若実ちゃんを起こしたらどうだろう……それに、もう起きたかもしれない。」
そうだ!若実ちゃんのスキル――
「……フロンさん!」と井上凜が言おうとしたところ、フロンも「あ」と少し驚いた声を出した。
「……とうさん?」
井上若実、起きた!
ここで四歳児!参上!




