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井上桃花、井上凜、ツリーセ三人が合流した。
「うわ!怖っ!」先に井上凜と合っていた井上桃花が驚いた様子で言った。
井上凜が作ったグリンというキャラクターの外見が怖い。四角い輪郭に三白眼、顔にでかい傷跡にパグ犬のように深い法令線、全く可愛さが感じない外見である。くわえて体格もツリーセより一回り大きくて、普通の人に見られたら、かなりの圧が感じられる。
家族の二人もびっくりさせてしまったことに、井上凜は少し自分の顔付きがどうなっているのか気になり始めた。
そして、井上凜の後ろについてきたツリーセを見て、今度井上桃花は「うわ!美少年だ!」と驚いていた。
ツリーセは逆に誰からも好かれるような美少年姿だ。クリクリとした瞳にさくらんぼのような色をしている唇、また元気さを感じさせる微かに紅潮な頬……一瞬女の子に勘違いするような外見だったが、見れば見るほど、元気な挨拶をする体育会系の男の子の印象がかなり強い。
自分の家族が元の姿とかなりかけ離れた外見に一瞬戸惑った井上桃花だったが、余計なことを考える時間がなかった。
「もしかして……兄さんと、弟君?」と井上桃花が確認している。
「はい。おにぃの凜だよ。そして……君は髪が短くなったけど、桃ちゃんだね。」
『姉ちゃん!』「姉ちゃん……か。」とツリーセが少しもじもじとした。
『いや、僕の姉ちゃん――あ!』と、ここで井上星がツリーセの動きに何の感情を持っているか気付いた。ロールプレイング状態だからこその動きだった。井上星は何を言うべきかわからなかった。
「はい。桃花だよ。」
二人と違って、井上桃花は服装と髪型以外、かなり原型の様子だった。髪型がボブ頭より肩に伸びた感じだった。服装はいかにザッ・ファンタジー名物――魔法使いのローブである。
しかし、ローブはすでに吸血鬼と戦っていたせいで、ボロボロになった。穴や裂け目がひどくて、肌の色と血液も見えるくらいだった。
「話の感じ……三人は無事に合流できましたか?」とフロンが言った。
「あ!はい。フロンさん。合流できました。」と井上凜が言った。
「合流できて何よりです。しかし、桃花さん。あまり話す時間がないでしょう?」
「あ!そうだ!兄さん、弟君!早くついてきて、父さんと母さんが危ないの!」
井上桃花の話を聞いて、井上凜とツリーセが顔を合わせて、決意を固めた様子でうんと頷いた。
「ああ、行こう!フロンさん!行く途中で、なるべく状況の説明をお願いします!」
「わかりました。」そう決めた途端、井上桃花についてきた吸血鬼が空を飛んでいて、三人を俯瞰するように現れた。
三人が空を飛んでいる吸血鬼を見つけた。
吸血鬼を見つけた瞬間、井上桃花がハッとなって、「あ……そうだ。一体の吸血鬼が私の後ろについて――」と彼女がこう喋った途端、吸血鬼が三人を攻めに行った。
吸血鬼の狙いは井上桃花だ。元々目標が井上桃花だったから。
「ちょっと待ってよ!」意思疎通ができないとわかってても、井上桃花は思わず相手に話しかけた。
当然、吸血鬼は凶暴化になったため、井上桃花の話が通じない。
低空飛行になった吸血鬼が手を伸ばし、爪で井上桃花に刺そうとした。直進のコースで攻めに来た吸血鬼に対して、井上桃花は横に避けた。
「あの、大丈夫ですか?」
「だから大丈夫じゃないって!吸血鬼に攻撃されている!」と井上桃花が吸血鬼とやり合いながら返事した。
戦いながら喋っている……少し驚いている井上凜。
「手伝います!」ここでツリーセが加勢した。
ます?と若干おかしいと思った井上桃花だが、考える隙間がない。吸血鬼がまた攻めてきた。
低空飛行の突進、右爪、左爪……吸血鬼の動きが厄介で、攻撃し終わったら、空中に飛ぶ。
逆に井上桃花は避けて、防ぐ、時々自分でも予想外な宙返りで吸血鬼の攻撃を避けた。
ツリーセはタイミングを計って、吸血鬼の攻撃を邪魔して、井上桃花へのプレッシャーと注目を引いていた。
『すごい!ツリーセすごい!姉ちゃんもすごい!』と井上星はツリーセの中に、ずっと二人の動きに感心して褒めていた。
実は井上星の前に、ずっとダイスの結果が出てくる。
『戦闘の判定』
ツリーセ(井上星):(省略)
判定の結果:8 成功
判定の結果:6 成功
判定の結果:7 成功
全部の判定の結果が一緒に出てきたわけではなく、「ここだ!」という重要な場面にダイスの結果が出てきたのだ。
例えば:井上桃花は攻撃されそうになった時、少し離れていた距離から助ける行動が間に合うかどうか。
例えば:自分が狙われていた時、連続攻撃に放たれた時、ずっと避けるかどうか。
例えば:戦術を広げるために、周りを観察し、臨時の武器にする行動ができるかどうか。
……
その重要な場面を克服するたびに、判定の結果が出てくる。そして、ツリーセは克服できた。
二人が戦っている間に、井上凜はフロンにアドバイスを求めている。
「飛んでいる吸血鬼にどうすればいいでしょうか?」
「ええと……飛んでいる生物に対して、普通の戦術は魔法の弾幕や遠距離の飛び道具ですが……」
「今は何もできません!」
「そうですね……吸血鬼なら――マントを奪いましょう!吸血鬼の飛行方法はマントに依存しています。マントがなければ飛べません!」
「マントですね!」大事なことを聞いて終わった後、井上凜も加勢した。
飛行できるとはいえ、吸血鬼は接近戦しかできない。つまり、低空飛行の間に隙がある。
そして、三人かかれば、吸血鬼も当然のように機動力が失った。
井上桃花はツリーセと力を合わせて、井上凜が囮の形で、吸血鬼を惹いてマントを奪えた。
「よし!」と井上桃花が楽しそうな様子で言った。
マントが奪われた吸血鬼はフロンの言う通りに、飛べることができなかった。
「後頭部を狙って!気絶させよう!」
「「わかった!」」
そして、吸血鬼は当然三人がかりの戦闘に負けてしまった。三人の連携に負けて、気絶させられたのだった。




