新調・導入
TRPG、そのフルネームは“テーブルトークロールプレイングゲーム”。
ゲーム機などを使わず、シンプルな道具で簡単に遊べる会話型のロールプレイングゲーム。
頭を使って、子どもたちの想像力を膨らませ、大人たちは物語に発展させる知力、理解力がアップ効果!加えて、年寄りの推測力、認知症の防止……かなり素晴らしい一つのゲームジャンルである――
こんな色々な標語のホームページに、井上凜はパソコンの前に、マウスカーソルでウェブサイトのページを下にスライドした。
そして、とある「申し込み」のボタンに押した。
「よし……これで申請が完了したと。」必要な書類を書き終わった井上凜は「申請完了」というメッセージが出たウェブページを見て、独り言をつぶやいた。
時間はすでに深夜。ずっと長い間に座ったまま、井上凜は思わず足腰を伸ばして、はぁとあくびをした。
彼はパソコンの机に三人分のキャラクターシートがそのまま残されて、机の前から起き上がる。
「そろそろ寝るか……」後は一ヶ月を待つだけ。と井上凛は呟いて、内心で期待しながら、自分のベッドに寝ていた。
井上凜、21歳の大学生で、井上家の長男。兄妹の中でも一番上の子である。昔から頭を使うゲームが好きで、現在TRPGにはまっている。
大学でもTRPGの部活に参加し、色々なTRPGに関するイベントや活動の情報など、ネットで探し回っている。
そして、彼は偶然見つかったホームページでは、ちょうど大学の友人から聞いた最近気になっている新TRPGを発見した。
今時クラウドなどの仕様がさほど珍しくない時代において、少々マイナーなジャンルである。彼が申請したのも、「交流会かつテストプレイ募集中」という名義の申し込み表である。
つまり、この交流会はTRPG新作の発表会でもある。
ただし、井上凜は期待している理由がTRPGの発表会だけではない。
一ヶ月後、時期はちょうど家族全員が重要なことが終わった後の頃。姉弟なら期間テスト、両親なら忙しい時期を乗り越えた後。自分は就活の準備……この一ヶ月後に、彼は家族と一緒に旅行しに行くのだ。
彼は心底に期待しているのはそっちのほうである。むしろ、TRPGの交流会はただ同意を得た上でのそのついでである。
一緒に家族と遊ぶこと、これは井上凜にとってこの上ない楽しいことだ。
そしてこれは……この井上凜の家族――井上一家の――六人家族の物語である。
2024.4.24 色々新調しますので、サブタイトルや章の名前など、少しずつ変えていきまーす~
では、またお楽しみに!