第1話 ひとりじゃなくなった
40年前…超能力を使える一人の少年がニュースで取り上げられた。それがきっかけか、世界中あらゆるところで異能を使う子供たちが現れた。当時は、流れに乗っているだのやらせだのと大人たちは笑った。だが、それは混沌から覆されたのだ。ニュースが放送された5年後、不満を募らせた少年少女たちは反乱を起こした。異能力行使事件。この事件をきっかけに法律が制定されたり、異能を認めるようになった。そして、何よりもすごいことが分かったのだ。事件から1年後、ある医師が言った。異能は病気だと。それから、研究が重ねられニュースから10年後、異能は一種の病気だとわかった。<異能力発症病>またの名のASと名付けられた。そして、ASにかっかた人たちを<異能力発症者>またの名をAHと呼ばれた。結局、ASとは何か。ASとはそもそも、大人には感染しない。感染するのは子供。精神状態が不安定な青年期にかかりやすい病気だとされている。AHになるのは早くても、5歳…異能が消えるのは満18歳だと言われている。証拠に前例の子供たちは皆、18の誕生日でピタリと異能が消えた。こんな世の中で俺はいち、AHだとして今を生きている。8月1日で俺は、16の誕生日を迎える。俺の異能のリミットは残りは3年だ。
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「くゎ~眠い………」
昨日の雨水が残る日ごろ、夏の日差しの強さにヒマワリは笑っているが俺は泣いている。なぜって?それはだな…授業をサボりすぎて夏休みの先生とのマンツーマン授業…つまり、不届きの俺の為に開かれた補習なのだ。
「聞いていますか南橋颯斗君!!」
「はい…聞いてませんでした!!クルミ先生!!」
「そのクルミ読みやめなさい!!私の名前は佐山桃胡です!!」
先生は、腰に手をあて頬を膨らませて怒っている。
「すみません…感謝してるのでどうか許してください…クっルミ先っ生」
俺は、笑いを我慢しながら言った。それに、気づきこの後2時間と言う時間を使い説教された。日はとっくに沈んでしまった。
クルミ先生がいるこの学校、元いい俺、南橋颯斗が通っているこの学校は幼小中高一貫、国立青空学園と言う。この学校はAHの保護を兼ねている施設型学校だ。確立されていったAS、AHに対する法律などがあるが、多くの人々は35年前のあの事件が記憶に新しく、AHたちを差別する人たちが絶えなかった。そんなか15年前にできたAHを保護する施設ができた。それがここ青空学園だ。ここに通う子供たちの大半は孤児である。だが、この学校の先生は元AHや、非AH差別団隊の人しかいない。クルミ先生もまた元AHの一人だ。そんな人たちがいるおかけで孤児たちも今は笑顔に暮らせている。俺もまた、そのうちの一人なのだ。
「でも、本当に眠いな…」
俺は、あの説教のあとのこのこと寮の方へと帰っている。周りの薄暗く光る街灯は俺の疲れを隠喩しているのではないかと感じさせた。
「ここ、ほんとに大きいよな…」
本当にそうだ、ここ青空学園の敷地は10キロ平方メートルの面積を持つ正方形型大型施設である。ただ単にデカいだけである。この正方形の中心に学校がありそして、学校から徒歩約10分足らずのところにある<まだら>と言う家が俺の今住んでいるところだ。入居者は、俺と……俺と…絶賛募集中だ。寮監はクルミ先生だ。幼いころから、俺はここで過ごした。昔世話になったばーちゃんや先輩たちは、いないが今はクルミ先生と二人仲良く暮らしている。だから、さっきの説教は一種の愛情表現て訳だ。
「颯斗君!ご飯できたよ!降りておいで~」
「はーーい」
<まだら>は二階建ての家屋で一階に、大広間そしてクルミ先生が生活している部屋と空き部屋の三部屋。二階には、一番端の俺の部屋と横に空き部屋が二つに計三部屋。お風呂と洗面所は一階にあってお風呂を使うときはネームタグをつける必要がある。もし、先生に対してラッキースケベが起きてみろ…学校で浮く、ただでさえ今でも同棲だのとよからぬ噂が立っているのに…しかも、クルミ先生もまんざらでもみたいに言ってて…浮いている。話を戻すと、あとは一階に女子トイレ、二階に男子トイレて感じかな…。
「「いただきます」」
俺と、クルミ先生は声をあわせて言った。
「あ、そうだ颯斗君課題やってる?」
「うっぐっ!」
俺はむせてしまった。まぁ、やってないからむせたんだけど…。
「はぁ~、どうして君はやらないのかな……颯斗君さ…来年、再来年の8月1日にはASもなくなってここにはいられなくなるんだよ…そして、大人になってこの施設の外に出て世界を作る一因になるんだよ?……もしかして…先生が恋しいから落第しようとしてるとか?」
先生は頬杖を突きからかいのまなざしで見つめてくる。
「そうかも……しれないですね……」
先生は少しびっくりした。でも、やっぱり先生だ、俺の頭軽くポンと叩いた。
「大人をからかうんじゃありません、颯斗君は若いんだから青春しなきゃもったいないよ?まぁ…はじけた先生はなんとも言えないけど…」
先生はひきつった顔で苦笑いをしている。
「それは、そうですよね!だってもうアラサーですからね!」
「………」
もう言わないでもわかるだろう…さっきの優しいポンとは違うまた別のドン!て感じの奴が無言の殺気を全開に出している先生から降り注いできた。
「痛い…」
「余計なこと言ったからですよ」
怖い、普通に怖い。学校じゃ堅苦しい敬語を使わないのに…。
「そんなんことより、後で課題持ってきなさい…少しだけ見てあげるからちょっとずつやろ」
「はい…」
と、しか言いようがなかったのでした。
その後、たまりにたまった課題を先生監視のもとやるのでした。
「これで、一通りか…な、今日はここまでかな」
「ふぅ~」
俺は、自然の流れのように机にもたれかけた。
「だらしないね…ほんとに」
俺は、先生の声だけですごく呆れた顔していることが分かった。
「あ、そうだ!明日、新し入居者さんが来るから…」
「マジですか」
「だから、そのつもりで、部屋は君の隣だよ、それと、明日登校日て忘れてないよね?」
「あ、うん!もちろん覚えていますとも!!」
先生は何かふにおちないものがあるかの様な顔をしていたが「お休みなさい」と言い残し部屋に戻って行った。
でも、明日登校日か……忘れてた…それと入居者か…考えてもしゃーない、まぁ寝るか。
俺はそのまま眠りについた。
*****
カーテンの隙間から日が差し込み俺の覚醒を促してくる。うざいほどに。だから、右へ左へ寝返ってみても日差しは俺を追ってくる。だから、もう目覚めるしかないのだ。俺は体を起こし伸びをした。でも、目が覚め切らない。だから俺は顔を洗いに行くことを決め戸をあけ階段を降り、洗面所に向かった。だが、俺は後悔することになる。この時、寝ぼけていてシャワーの音を聞き逃していたことを…。そんなことを気にせず俺は顔を洗いタオルで顔を拭いた。その時だ、お風呂の戸が開いた音がした。俺は振り返ってしまった。そこには、やせ形の属のスタイル抜群という体型をした裸で薄いタオルを1枚持ち、シャワーの熱で頬を赤くした同年代の女の子が一人出てきた。その子は、俺を見るなり口を半開きにして顔をさらに赤くしていく。その時、俺は察した。大声を出されると。だから、俺は覚悟を決めて、話しかけてみた。
「君が、先生が言っていた新しい入居者だよね…困るよねこう言う展開、ラッキースケベてやつだっけ?現実でおこりえることはそうないと俺は思うんだ!だから!俺は…一つ決めたことがある…この!光景を!俺は!目に焼き付ける!!」
この時、俺は命が終わってしまうと思う覚悟だった。案の定の展開で彼女の手元にあった洗剤が俺の額目掛け飛んできた。そして、打ち所が悪かったのだろう……俺は目の前が真っ黒になった。
この物語は、難波隼人が彼女に会ったことによって物語が始まる物語である。
小説家になろうでの初投稿です。やらかい目で読んでくださったら幸いです。