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魔王の裁定  作者: 有野 仁
第5章 ⑦
268/316

268話 宰相の弟 二

割と急いで、皆のいる部屋に戻る。とは言っても、メルヴァイナはわたしについて来ていた。

だから、置いて行かれることはないとは思うけど、少し不安があった。

部屋の中では、ミアが宰相に話し掛けていた。

てっきり、誰も話さず、静かで、入りづらいと思っていた。

話は、宰相が不在で魔王国は大丈夫なのかと言う結構まじめな内容だった。

魔王国はドリーに任せてきているらしい。

相手が自分の弟だから、宰相自身が来ないといけなかったんだろう。

かなり手強いんだろう。

あの神官長が臣下や兵にするために、アリシアや聖騎士達を……

神官長はやっぱり、わたしに嘘を吐いていたんだろうか……

元の世界に帰れるという話も。

今、考えたところで、わかるわけがない。

そんな時、急に部屋のドアがバンっと開いた。

メルヴァイナはわたしの傍にいるから、彼女ではない。

びっくりするから、止めてほしい。

部屋に入ってきたのは、グレンだ。

貴族令息なら、もう少し上品にしてほしい。

グレンに続いて、コーディと、それに、リビーが入ってきた。

「宰相様! ご連絡させていただきたく、ご、ございます! ボスからっ、んん、痛、唇嚙みました……」

リビーは宰相にかなり緊張しているように思える。魔王であるわたしには全然、緊張してなかったけど。

「ルカ・メレディスから伝言があります。アーノルド・セシル・デル・フィーレスが見つかりました。お連れします」

リビーの代わりにコーディが用件を伝えていた。

コーディとグレンはルカと仕事をしていたんだろう。

「ここにいる者全てで向かう。魔王様、私の傍を離れないようになさって下さいませ」

「メイも連れて行くのですか!?」

コーディが宰相に意見する。

「魔王様のお望みです」

コーディがわたしを見てくる。宰相の言うことが本当かどうか確かめたいんだろうから、頷いてみせる。

「罠かもしれません。誘い出されている可能性もあります」

コーディの言いたいことはよくわかる。わたしも罠かもしれないと思う。

これまで見つからなかったのに、急に見つかったのだ。

相手がミスしただけということもあるかもしれないけど。それならいいんだけど。

用意周到な人でも、頭のいい人でもミスするときはミスするよね。

それに宰相の弟が見つかっただけで、まだ、犯人だと決まったわけじゃない。

宰相も言っていた。証拠がないと。

そもそも犯人が全然別人の可能性もある。

「ですから、弟に対抗できる私かドリエスが来る必要があったのです」

「わかりました。メイの望みなら」

「あ、その! 私が転移させていたただきますっ!」

リビーが堂々としているのかしていないのかよくわからない様子で両手を振ってアピールする。

とりあえず、話し合いに行くのだ。

わたしを攻撃してくることはないように思える。

理由もなく攻撃してくる人には見えなかったから。

リビーの周りにわたしを入れて7人が集まった。

リビーが転移魔法を使う。

転移先には神官長がいるのだ。

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