よしっ! 結婚しよう!
風呂で思い付いて、深夜テンションで書いた。
ただそれだけ。
特に深い意味はないです。
それは突然始まった。
「よしっ! 結婚しよう!」
「なにがよしっ! なんだ?」
「まぁまぁ! 取り敢えず結婚しよう!」
「取り敢えず会話しようか」
何でこの子は会話をしてくれないんだろうか。
そんな俺の言葉など聞こえていないのか、何も聞いていないふりをしているのか、彼女は話を続ける。
「会話はしてるよ? まぁそれはそれとして、結婚しよう?」
「一方的に話をするのは会話とは言わないんだよ」
「じゃあ取り敢えずしりとりでもしようか」
「お願いだから、話を聞いて下さい」
この子には耳は付いているのだろうか……。
さっきから俺の言葉をちゃんと聞いてくれない。
「じゃあしりとりの……”さ”から始めよう!」
「しりとりは”り”から始めるんだよ」
「えっと……」
彼女は少し考えて何を言うのかを思い付いたのか、ぱっと明るい表情で口を開く。
「さぁ、結婚しよう!」
「しりとりのルールって知ってる?」
「ほら! ”う”からだよ!」
「え? あぁ……えっと……」
俺は面倒に思いながらも、少し次の言葉を考える。
「……うさぎ」
「くっ……! ”ぎ”とはなかなかやるね。
返すセリフがなかなか思い浮かばない……」
「普通に返してるだけなんだよなぁ……。
てか、しりとりは単語でやるもんなんだけどな」
「ぎ、ぎ、ぎ……」
どうやら相当考えているらしい。全然返してこない。
「ぎ、餃子を食べてる貴方が好き! 結婚しよう!」
「もはやお前何でもありか」
「ほら! ”う”だよ!」
「あれ、なんでろう……。
この先、どう返しても同じ単語でしか返す未来しか見えないんだが?」
「さぁ、分からないよ?」
彼女はニヤニヤしながらしたり顔でそう言った。
俺はそんな表情に腹が立ちつつも、負けたくない一心で次の言葉を考える。
「”う”なぁ……。う、う、う……。あっ! うな重」
「なっ⁉ ここでその単語で返してくるなんて……!」
「ふっ……。どうやら今度はお前が苦しむ番――」
「嬉しいです! 結婚しましょう!」
「忘れてたぁ……。お前、それでしか返してこないんだった……」
完全に失念していた。こいつはまともなしりとりをしてこないんだった……。
ほんとにこいつ無茶苦茶じゃねぇか……。
「ふふん! ここで終わりですか?
ちなみに、これに負けたら結婚してもらいますよ?」
「たかがしりとりなのに、負けた時のリスクが重すぎるんだがっ⁉」
「おやぁ~? 勝つ自信が無いんですかぁ~?」
こいつウザいな。
「うわ、うっざ」
「シンプルな罵倒って、案外メンタルにクるもんなんですね」
おっと思わず本音がポロッと出ちまった。
まぁ仕方ないよな。ウザいこいつが悪いし。
「てか、それって俺が勝ったらどうなるんだ?」
「あらあら、勝てるつもりなんですか?
まぁ別にいいですけど……。う~ん、そうですねぇ……」
彼女はしばし考えこむ。
「仕方ないですね。もし、そちらが勝てばこのわたしと結婚させてあげましょう」
「勝っても負けても内容が変わってないんだが?」
「気の所為ですよ」
「お前、俺のことバカだと思ってない?」
「いえいえ、そんな事ないですよ?」
俺の事をバカにしたような表情で俺を見てくる。
多分、今こいつを殴っても怒られない気がするな。
いや……まぁぶっちゃけ、勝っても負けても――
「俺達って兄妹だから結婚もクソもないけどな」
「散々遊びに付き合っておいてそれは無くないですか?」
なんでこれ書いたんだろう……
感想は気が向いたら書いといてください