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令和の乱  作者: 岡田一本杉
四国
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サメ襲撃

私は急いで水面を見渡した。サメの背びれは見えなかった。安心して、今のうちにジェットスキーによじ登ろうと思った時、一瞬嫌な予感がした。

サメだから、海中に潜れる。すぐにいなくなるはずがない。

私は水中銃片手に水中に頭を入れて、周囲を見渡した。

ぎょっとした、すぐ近くの海中にサメがいて、真正面からこちらへ向かって来た。ギザギザの歯が並んだ口が半開きになっていた。とにかく水中銃をサメに向かって発射した。

シュパッと音がして、銛が発射された。サメの目に刺さった。

サメは横へ方向転換し、目から薄黒い血が水中に紐状にただよった。

私は急いでジェットスキーによじ登った。座席に座り、エンジンを掛けた。

「腰を持ってて」

アクセルを吹かし、加速した。

錬太を乗せているせいか、ここへ来た時よりもスピードが出なかった。波がきついのでバランスを崩す易く、あまりスピードを出せなかった。

漁船から少し離れて、もう大丈夫だろうと思った時、ジェットスキーがガクンっと揺れた。サメが斜め後ろから体当たりしてきたのだ。

サメはジェットスキーより泳ぐのが速いようで、今度はジェットスキー前方に回り込み、前から体当りしてきた。目には銛が刺さったままだった。

私は急いで舵を切り、正面衝突を避けたが、船体の斜め前方にサメがぶつかり、横転しそうになった。

サメが怒ってる。

そんな気がした。目に銛を打ち込まれたから、怒るのは当然だが、私たち人間は人間同士で助け合わなければならないし、サメは錬太の命を奪おうとしていたから、私も仕方なくしただけだ。サメにそんな理屈は分からないだろうが。

サメは単に餌を食べたいだけかもしれない。餌の邪魔をされたから、怒っているだけかもしれない。

サメはまたジェットスキーの先回りをし、前方からこちらに向かってきた。銛はサメの右目に刺さっている。サメは前からぶつかってくる時、口を上に向けて、直接噛みつこうという素振りを見せていた。船体の左にサメがぶつかれば、サメは口を上に向けるために顔の斜め左を上にするはずだった。

私はジェットスキーを減速させて、ゆっくり舵を右に切った。サメはそのまま私たちの方に直進してきた。そして、予想通り船体の左舷に、顔の左側を上にしてぶつかってきた。私は左目に向けて、水中銃を撃った。

銛が当たったかは分からない。サメは潜っていったきり、姿を見せなかった。私はジェットスキーを再び加速させて、港まで戻った。


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