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令和の乱  作者: 岡田一本杉
北海道
132/148

迫撃砲

寝室は電気が点いていなかった。月明かりの薄暗い中をベッドまで進み、腰を下ろした。国崎さんがブラウスを脱がせてくれた。それからスカートも。彼は自分でシャツとズボンを脱ぎ、お互い下着だけになった。

国崎さんが私の肩をそっと持って、ベッドに倒した。二人でベッドに向かい合いながら横になった。

「どんなことがあっても、絶対君を離さない」

国崎さんにそう言われて、嬉しかった。

打算的に、彼と一緒になれれば幸せになれるかもしれないと思っていたけれど、こうやってお互い相手の体をくすぐり合っていると、純粋に楽しかった。自分にこんな一面があるのが新しい発見であり、また自分も普通の女の子なんだなと安心できた。

その時、かすかにヒュ~と音が聞こえた。ちょっと前に時々聞いた砲弾が空を切る音だ。

なんでこんな所で、そんな音がするのだろう?

次の瞬間、ベッドが強烈に横に叩き動かされた。部屋全体が衝撃で揺れ、一瞬何が起こったか分からなかった。

が、寝室の扉が吹っ飛び、その向こうの居間が燃えているのが見えた。

すぐにスプリンクラーが作動し、火は消えた。しばらくして消防車が到着した。

私も国崎さんも呆然としていた。


私は警察の聴取に、地元の警察署まで連れて行かれた。国崎さんは政府高官のためか、政府の車が来て、警察と少し話していたが、彼はその車に乗せられて、行ってしまった。

簡単な聴取の後、私は自分のホテルに帰った。

警察の話では、迫撃砲かロケットランチャーを国崎さんの部屋の居間に打ち込まれたという話だった。

私達は寝室にいたから助かったものの、居間にいたら助からなかったと。居間は電気が点いたままであり、寝室は電気が点いていなかったから、明らかに居住者を狙っていたとも聞いた。

自治体連合との講和に反対する強硬派の仕業だろうという話だった。

私は国崎さんに申し訳なかった。

私のせいで、彼をこんな災難に巻き込んでしまった。

私を恨んでいる人は山ほどいる。だから、私は幸せを実感した瞬間を狙って攻撃してきた。

一番最初に思いつくのは、ノリだろう。彼女は私を憎んでいる。

でも、どうしてここが分かったのだろう?

他にも、候補は何人もいる。琵琶湖で不明になった夏希もだし、広島で一緒に作戦に従事した恵美さんもそうだ。もっと言えば、仙台の藤原さんもだし、岐阜の張本さんも亡くなってしまったけど私を恨んでいるだろう。

考えるほど、重くなり沈んできた。

でも、国崎さんを失いたくなかった。それはまだ私の全てを伝えていないから。

私の良いところだけを見て、彼は判断している。私の全てを知って、それでも私を好きだと言ってくれるのなら、彼との関係を続けたい。

でも、私の悪い面を知って、愛想をつかすなら、それで諦めよう。

自分から電話する勇気がなく、次の日、今まで通り仕事をした。

自治体連合と北海道の旧政府との交渉は、噂で聞く所によると、北海道側がかなり譲歩し、連邦制に落ち着くようだった。

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