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令和の乱  作者: 岡田一本杉
はじまり
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核爆発

アクションの体裁をとっていますが、内容は心理ものです。

かなりなぐり書きなので、これからちょっとずつ直していきます。

沖縄

那覇市、国際通りと御成橋通りの交差点。

眩しい日差し。開放的な空気。どこまでも澄み渡る青空。歩道にはヤシの木が並んでいる。スクランブル交差点が青になるのを待つ大勢の人。

ピッポ、ピッポ。

歩行者用信号が青になり、大勢の人が一斉に交差点になだれ込んむ。

空に一筋の白い線。ひこうき雲と見まちがう。

でも、動きは流れ星のようだった。遥か彼方に沈み、すっとビルの影に隠れた。

「あっ」

気がついたのは、母親に手を引かれた小さな男の子だけだ。

次の瞬間、北の空が光った。サーチライトか何かで宣伝?

眩しいを通り越して、直視できない。北の空は光で白一色で何も見えない。

交差点の人は歩みを止めて、手を目の上にかざして、空を見上げた。

だんだん、光が消え、視野が戻ってきた。でも、そこにあったのは青空ではなかった。

巨大なきのこ雲だった。


東京、渋谷。夕方。

JRハチ公改札前。

駅へ行き交う人、知り合いと談笑する人、待ち合わせしている人、ティッシュを配る人。

夕方の渋谷は更に人が多い。

TSUTAYAのビルのモニタには、今売り出し中のMVが流れている。いつもの渋谷。

だから、MVが曲の途中でニュースに変わっても、誰も気づかなかった。

「昨日、沖縄本島中部で起きた原因不明の大規模な爆発に関しまして、政府は核爆発との認識を示しました」

アナウンサーは何度も繰り返す。同時に、きのこ雲の動画も映し出された。

最初は数えるほどだった。だんだんモニタを見上げる人が増えていき、交差点のほぼ全員が注視した。

でも、それも長くは続かなかった。みな、いつものように動き始めた。

よくあるニュースの一つに過ぎない。それに、沖縄は遠い。

唯一の違いは、道玄坂の先がなんとなく暗いことだ。周囲のビルや電光掲示板のライトが切れている。でも、それに気づいた時は、駅前交差点も暗くなった。

ニュースを繰り返していたTSUTAYAのモニターも、信号も、周囲のビルの窓から漏れるライトも全部消えた。電車も減速し止まった。にぎやかな音も止まった。

それから、それは青山通りの都心側にも伝染していった。

人たちは一斉にスマホを取り出して、何事かと調べた。圏外だ。

華やかに見えた渋谷も、静かになれば、一気にその雰囲気が消し飛んだ。不気味にそびえ立つビル群が廃墟のように見える。華やかさ、それは常に正常に機能するという信頼の上にのみ存在していた。

停電は渋谷だけではなかった。都内各地の市街地で停電になり、街は大混乱になった。


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